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リコー Caplio GX8【第2回】
手ブレに注意!! 800万画素の威力

Reported by ケニー・オブライエン


 Caplio GX8を持って、香港と深センへ短い旅をしてきた。後悔したのは一脚を持っていかなかったこと。実感したのは、800万画素コンパクト機の「すごさ」。さて、何がどのようにすごかったのか。

 今回はユナイテッド航空のマイレージによる無料航空券を利用した。旅程は2泊3日だが、往路は香港着が夜遅く復路は香港発が朝という、実際には2泊1日の旅だ。ユナイテッドなど米国の航空会社では4月からライターの機内持ち込みが禁止になるなど、セキュリティはどんどん厳しくなっている。今回の旅で一脚を持っていかなかったのは、数年前に韓国の仁川空港で没収されそうになったのが理由だ。

 私のバッグにX線を通した仁川空港の係員は、「monopod」(一脚)という言葉を知らなかった。しかも伸ばすと武器にも見える。知らない人の目には怪しく映ることだろう。「何に使うものですか」、「写真を撮るときに使うものです」などとやりとりしていたが、面倒になった私は一脚にコンパクトデジカメを取り付け、「こう使うんです」と実演して何を逃れた。それ以来、機内に一脚は持ち込んでいない。

 「一脚があったらよかった」という冒頭の感想は、つまり「手ブレが多かった」ということ。天気が悪かったせいもあるが、主な原因は800万画素という、私にとって未体験の画素数のためでもある。一説に、800万画素機の解像度は6×7判をしのぐともいわれる。かつて、ペンタックス67の大きなボディとその重量に怖じ気づいたのを思い出す。Caplio GX8の撮影時質量は約261gで、ペンタックス67IIの約6分の1程度。これを手持ちで撮れるかどうか。

 コンパクトデジカメは手ブレしやすいというのが実感で、500万画素機を使っていたときもときどき失敗した。Caplio GX8ではその失敗が増えた。手ブレしやすいというよりも、500万画素機では写らなかった手ブレが800万画素機では「きちんと」写ってしまうのである。コンパクト機は一眼レフのように、レンズを左手で、ボディのグリップを右手でといったようにホールドすることができない。またボディ形状と質量から、片手ですばやく撮るといったことも頻繁にある。私の場合、シャッター速度が1/30秒を下回ると要注意だ。記録画素数を落とすか、ISO感度を上げるなどの対策が必要になる。

 今回は3,264×2,448ピクセル、JPEGで最も圧縮率の低いFineモード、ISO感度はなるべく低めで撮るようにしているため、とにかくブレるブレる。断っておくとブレたのは私が悪いのであって、Caplio GX8のせいではない。一脚さえあれば失敗枚数は格段に減ったはずである。

※作例のリンク先は撮影画像をコピー後リネームしたものです。
※作例データのキャプションは、記録解像度(ピクセル)/露出制御モード/露出時間(秒)/レンズF値/露出補正値(EV)/ISO感度/ホワイトバランス/焦点距離です。


香港・深センのイミグレーションビル。さえない天気が残念だ。でも旅先で天気は選べないからしかたがない。広角は建物を撮るときは本当に便利だ。
3,264×2,448 / プログラムAE / 1/350秒 / 8.1 / 0 / 100 / オート / 5.8
中国鉄路深セン駅前広場。深センに来たのは2回目だ。前回の2002年、広場部分は地下鉄工事でぐちゃぐちゃだった。地下鉄は2004年末に開通したが、まだ部分工事が進行中。
3,264×2,448 / プログラムAE / 1/930秒 / 8.1 / 0 / 100 / オート / 5.8

地下鉄華強路駅で降りて地上に上がると、そこは「深センの秋葉原」だった。こんな看板も発見。家電店よりも「ラジオセンター」がたくさんあるような地区だ。
3,264×2,448 / プログラムAE / 1/470秒 / 2.5 / 0 / 100 / オート / 5.8
地下鉄科学館駅のベンチ。現地で確認したときはブレていないと思ったが、薄暗いところではよく見えなかったようだ。サービス判プリントなら問題ないと思うが、とてもくやしい。
3,264×2,448 / プログラムAE / 1/14秒 / 2.5 / 0 / 100 / オート / 5.8

 手ブレ警告が表示されたカットは、撮ったらすぐにクイックレビューボタンを押して確認した。8倍まで拡大できるので、微妙なブレまでわかってしまう。しかし、がっかりしているヒマはない。なんたって2泊1日の旅だからどんどん撮らないと。脇をしめ、深呼吸して再び挑戦する。何だか一眼レフ以上に緊張して撮影していた気がする。そのうちひどい雨が降り出した。濡れるのがイヤというよりは、シャッター速度がさらに遅くなるのがイヤなのだ。

 壁や柱に押しつけて撮る、台にのせてレンズの下にコインを重ねて角度調整し、2秒のセルフタイマーを使う、などいろいろ工夫してみた。さらに、Caplio GX8の最高の魅力である広角ズームが、雨では仇になった。傘をさしながら脇をしめてブレないように撮ろうとすると、傘の先端が写り込んでしまうのだ。

 Caplio GX8のポテンシャルを早く知りたい。そのため私は香港の雨に濡れながら低圧縮の3,264×2,448ピクセルで撮り続けた。やがて西の空が少しだけ明るくなった。



URL
  リコー
  http://www.ricoh.co.jp/
  製品情報
  http://www.ricoh.co.jp/dc/caplio/gx8/


( ケニー・オブライエン )
2005/06/13 00:05
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