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富士フイルム FinePix F10【最終回】
あっというまに2カ月

Reported by 大原 雄介


 気がついたら既にFinePix F10を買って既に2カ月が経過している。撮影した枚数は3,500枚といったところで、案外に多くなかった。大きな取材ではE-1をメインにしており、FinePix F10はサブ&スペアという扱いだったから、そんなに枚数が伸びないのも仕方ないところではある。


Photo01
2,048×1,536 / プログラムAE / ISO80 / F2.8 / 1/100秒 / 0EV / 8mm
 ただE-1は(フル装備ということもあって)気合を入れないと持ち歩けないが、FinePix F10だと気楽に持ち運びできるので、今までだと見逃してたスナップとかをバシバシ撮れるようになったのは自分でも驚くべき変化である。まぁ最近だと、この手のスナップは携帯のカメラを使うのが普通なのだろうが、何しろ筆者はカメラつき携帯を持っていない(笑)人だし、携帯についているストロボでは、もっと全体が暗くなるだろう。

 スナップを色々撮影していて思うのは、Naturalモードの色の正確さだろう。例えばPhoto02は晴天、Photo03は読書灯として用意されていたLED照明、Photo04は水銀灯照明といった環境ながら、いずれも場合も色味はかなり正確で、補正の必要を殆ど感じないほどだ。


Photo02
2,048×1,536 / Naturalモード / ISO80 / F5.6 / 1/556秒 / 0EV / 8mm
Photo03
2,048×1,536 / Naturalモード / ISO1600 / F2.8 / 1/34秒 / 0EV / 8mm
Photo04
2,048×1,536 / Naturalモード / ISO160 / F2.8 / 1/7秒 / 0EV / 8mm

 猫撮りのシーンでは、第5回目( http://dc.watch.impress.co.jp/cda/longterm/2005/05/06/1482.html )でも触れた通り、ノーマルモードで強制ストロボ、ISO80の鉄則さえ守っていれば、それなりにうまく撮れる事が判ってきたので、だんだん成功率が上がるようになってきた。

 ストロボさえ使えばPhoto07の様に激しく動いている猫でも何とかモノになるし、寄りすぎると(Photo08のように)ちょっと白飛び気味になるが、適度な距離を守ればそれほど気にならない事も判った。余談ながらこの4匹、おかげさまで里親も無事決まり、間もなく我が家から去っていってしまう。まるでこのカメラの被写体になるために来たようなものだったかもしれない(笑)


Photo05
2,048×1,536 / プログラムAE / ISO80 / F2.8 / 1/100秒 / 0EV / 8mm
Photo06
2,048×1,536 / プログラムAE / ISO80 / F8 / 1/100秒 / 0EV / 8mm

Photo07
2,048×1,536 / プログラムAE / ISO80 / F2.8 / 1/100秒 / 0EV / 8mm
Photo08
2,048×1,536 / プログラムAE / ISO80 / F2.8 / 1/100秒 / 0EV / 8mm

 なお、前回は余り触れなかったが、こうした子猫を撮るケースでは


  • 主要な操作は片手で操作ができ、適度な重さなので、片手で猫をホールドしながら撮影にはピッタリだった。あんまり軽いとブレやすいし、重いと長時間持つのが辛いから、このくらいが適度である

  • ストロボのチャージ時間がかなり短いので、何枚もストロボ強制発光で撮影する場合もそれほどストレスを感じない

  • 「お、シャッターチャンス!」と思ってからカメラの電源をONにしても十分間に合うくらい、立ち上がりが速い



というあたりがポジティブな要素、


  • やはりフォーカスが合うまでの時間が長い
  • 表面の加工が滑りやすい


あたりがネガティブな要素だろうか。ただ合焦可能範囲に関しては、極端に長いというほどでもなく、この手のカメラでは合格点を上げてもいいレベルだとは思う。

 個人的に言えば、この2カ月ですっかりFinePix F10に慣れたという気がする。筆者はどちらかというとオリンパス派だったから最初はやや違和感があったが、今はFinePix F10でどう撮影すればよいか、かなり体に染み込んだ気がする。余談ながら、ウチの奥様もすっかり気に入った様である。普段は(昔筆者が使っていた)C-2100UZを利用しているが、最近はFinePix F10なら使ってもいいと言うほどである。

 ただ、人間は欲深いものであって、これで満足かというとそうでもない。ISO1600はかなり使えることは判ったが、それでもちょっと暗いところだと簡単にシャッタースピードが1/10以下まで落ちてしまったりするため、被写体ブレどころか手ブレすら防げない。解像度は3Mピクセル(か、何なら2Mピクセル)で十分だから、その分感度を上げてISO3200とか使えるようになってくれないかぁ? と本気で思っていたりする。

 あと、フォーカスの合わなさはFinePix F10で唯一気に入らないところなので、これもぜひ改善して欲しいところだ。とは言いつつ、購入したからには(仮にこうした点を改良した製品が出ても)暫くFinePix F10をこのまま使いつづけることであろう。



( 大原 雄介 )
2005/05/27 15:35
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