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キヤノンEOS 20D【第17回】
東建ホームメイトカップでプロゴルフを撮影

Reported by 奥川 浩彦


東建ホームメイトカップ、18番ホールのグリーン。春到来の感あり
 今回は男子プロゴルフツアーの2005年開幕戦「東建ホームメイトカップ」を撮影した。

 この大会は、藤田まことや山本譲二のCMで有名な「東建コーポレーション」が主催する大会だ。同社は筆者の地元、名古屋に本社を置く不動産会社でIT関連にも注力しており、「東建ホームメイトカップ」も予選ラウンドからブロードバンド生中継を行なっている。また、「携帯でお部屋探し」ができる同社のケータイサイトは、無料ゲームが多数あり隠れた人気サイトとなっている。

 通常、ゴルフツアーは撮影禁止なので、主催者にお願いして撮影許可をもらった。撮影時の注意点は「スイングのインパクトまでシャッターを切ってはいけない」――この1点だ。EOS 20Dのレリーズタイムラグ0.065秒と衰退しつつある筆者の反射神経でフレーム内にボールを捕らえられるか試してみた。

 名古屋市内から車で1時間ほど、三重県にある東建多度カントリークラブに向かう。昨年の賞金王、片山晋呉と尾崎将司が途中棄権し少々残念だったが、谷口徹や伊沢利光、宮里藍ちゃんのお兄さん宮里優作、ベテラン勢では倉本昌弘、芹澤信雄、湯原信光など多彩な顔ぶれが揃っている。

 まずはクラブハウスのすぐ前、18番ホールのグリーンに向かう。いきなりティーショットではなく、ウォーミングアップも兼ねてパッティングから撮影しよう。最初は尾崎直道選手。運良く第2打がピン手前に落ちたので、グリーン奥でEF200mm F2.8で撮影開始。絞り開放で手前のボケ感を出すため、グリーンと同じ高さでレンズを構える。ボールを打った瞬間にシャッターを切る。パッティングなのでフレーム内にボールは収まっているが、思ったよりタイミングが遅れた。次のパーティの川岸良兼選手も撮影するが、更にタイミングが遅れている。EOS 20Dよりも、筆者のタイムラグが大きいようだ。


尾崎直道選手のパッティング。インパクトの瞬間にシャッターを切るがかなり遅れた。
2,336×3,504ピクセル / 絞り優先AE / ISO100 / F2.8 / 1/2,000秒 / 0EV / オート / 200mm
岸良兼選手。更にタイミングが遅れる。
2,336×3,504ピクセル / 絞り優先AE / ISO100 / F2.8 / 1/2,500秒 / 0EV / オート / 200mm

 場所を移動してアプローチショットの撮影にチャレンジ。いきなりハードルが高くなり、気持ち早めにシャッターを切ってもボールはフレームアウトする。何度か撮影し、やっと芹澤選手のグリーンサイドからのショートアプローチでフレーム内にボールが入った。セカンドショットのように速いスイングだとかなり厳しい。普通にシャッターを切るとインパクトを遙かにすぎてクラブヘッドは肩口まで進んでいる。当然ボールはフレームの遙か外となる。選手には申し訳ないが、グリーンを外してくれると撮影はグッと楽になる。ショートアプローチでも横アングルよりは正面(ボールの進行方向)から撮影する方がフレーム内にボールが留まる時間が長いので、撮れる確率は上がる。

 ティーショットとなると更に難しくなる。そこそこの枚数を撮影したがボールが写ったのは尾崎健夫選手の1枚だけだった。写ったといっても撮影場所がティーグラウンドより低い場所だったので飛び始めたボールの半分程度がギリギリフレームに入っているだけだ。あと1/1,000秒遅ければフレームアウトだ。


芹沢選手のショートアプローチ。フレーム内にボールが収まった。
2,336×3,504ピクセル / 絞り優先AE / ISO200 / F4 / 1/1,000秒 / 0EV / オート / 300mm
伊澤選手のセカンドショット。フレームにボールが入った数少ない画像のひとつ。
2,336×3,504ピクセル / 絞り優先AE / ISO400 / F4 / 1/1,000秒 / 0EV / オート / 300mm

深堀選手のショートアプローチ。正面に近いとボールをフレームに入れやすい。構図は美しいがピントが甘い。
2,336×3,504ピクセル / 絞り優先AE / ISO200 / F4 / 1/1,600秒 / +0.7EV / オート / 300mm
ティーショットでのインパクトの瞬間。撮影位置が低くボールは半分しか写っていない。
2,336×3,504ピクセル / 絞り優先AE / ISO100 / F4 / 1/1,000秒 / 0EV / オート / 300mm

 この手の撮影でEOS 20Dの秒5コマは何の役にも立たない。0.2秒の間にクラブヘッドは90度以上回転するので、次のコマでほぼスイングは終了している。カメラのレリーズタイムラグに慣れることも含めて、相当練習して自分のタイムラグを把握しないと瞬間を捕らえることは難しい。フィルムと比べればすぐに結果が出て修正ができるデジカメはこの手の練習に最適だ。筆者も野球部の息子を撮影して鍛えようか思っている。

 終日ゴルフを撮影してみると、インパクトの瞬間よりもフォロースルーの方が絵的に優れている様な気がした。顔が下を向いているインパクトよりも顔が上がるスイング後半の方が表情があっていい感じだ。瞬間を捕らえた作品の価値や瞬間を捕らえる技術とは次元が違うが、スポーツを魅力的に撮る視点で考えると個々の競技で美しい瞬間を知ることも重要だと思う。

 人気面では女子ツアーに押され気味の男子プロゴルフツアーだが、ホールアウトした選手がクラブハウス前でサイン会を開くなど、ファンサービスは旺盛だ。また、選手と観客の距離も近く、グリーンからティーグラウンドへ移動する際は至近距離で見ることもできる。写真撮影は不可能だが、これから全国を回るので、お近くの大会に足を運ばれてはいかがだろうか。


打った瞬間よりもフォロースルーの方が表情が写って魅力的だ。
2,336×3,504ピクセル / 絞り優先AE / ISO100 / F4 / 1/1,000秒 / 0EV / オート / 300mm
やはりフォロースルーの方が絵になる。
2,336×3,504ピクセル / 絞り優先AE / ISO400 / F4 / 1/1,600秒 / 0EV / オート / 200mm


URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  製品情報
  http://cweb.canon.jp/camera/20d/
  東建ホームメイトカップ
  http://www.token-cup.com/index2.shtml


( 奥川 浩彦 )
2005/04/06 00:04
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