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キヤノンEOS 20D【第15回】
名古屋国際女子マラソン~渋井陽子を追っかける

Reported by 奥川 浩彦


当日の様子
 ラジコン、フィギュアスケートと「初挑戦玉砕シリーズ」が続く中、またまた玉砕覚悟でチャレンジしたのが名古屋国際女子マラソン。撮影ポイントを車で移動しながら、選手を追っかけての撮影だ。

 この大会で記憶に残るのは2000年、シドニーオリンピックの出場権をかけて臨んだ高橋尚子選手が2時間22分の大会記録で優勝したこと。現在もこの記録は破られていない。今大会も高橋選手の出場が期待されたが残念ながらかなわず、千葉真子選手も欠場となり注目は日本記録を持つ渋井陽子選手となった。

 今回はメーカーからお借りした「EF 28-300mm F3.5-5.6L IS USM」を使用した。経験不足な撮影ではズームレンズは役に立つだろうと期待する。

 スタートは名古屋市南東の瑞穂競技場。最初の撮影ポイントは約3kmの堀田交差点だ。コースサイドで折り返した選手を正面から撮影する。時計車、テレビ中継車、白バイが通過し、いよいよ選手が登場。しかし、中央分離帯の植え込みに遮られ、直前まで選手が見えない。さらにここでアクシデントが発生。先頭を走る52番グリゴリエワ選手がUターンすべきところを右折し、大きく外れた。こちらもつられてズームアウト。シャッターは押し続けているが、撮影中は誰が何処にいるのか全く分からなくなった。結果は運良く真ん中に11番渋井陽子選手が写っていた。

 先頭集団はあっという間に過ぎる。こちらもすぐに車で次の撮影ポイントに先回りし、10km地点の少し先、通称「100メーター道路」で選手を待つ。中央分離帯側で給水ポイントを過ぎた選手を狙うが、先導車両が邪魔で選手が見えない。ズームリングを合わせながらシャッターを切り続けるが、今回も玉砕の予感がする。

※作例のリンク先は、撮影した画像データをそのままコピーし、リネームしたものです。
※画像解像度(ピクセル)/露出モード/ISO感度/絞り値/露出時間/露出補正値/ホワイトバランス/焦点距離です。


最初の折り返し点。52番がミスコースする。3,504×2,336 / シャッター速度優先AE / ISO200 / F7.1 / 1/500秒 / 0EV / オート / 40mm 10km地点の先頭集団。渋井選手にピント合わず。3,504×2,336 / シャッター速度優先AE / ISO200 / F6.3 / 1/400秒 / 0EV / オート / 160mm

 選手が折り返し戻ってくるので、道を渡って反対側の歩道へ。14km地点付近で坂を登ってくる選手を待つ。ここはかなり手前から選手が見える。旗を振る観衆の頭越しに撮影するため脚立に乗った。最初のポイントは選手が見えてから通過するまで数秒、2番目のポイントは10秒程度だったが、30~40秒と比較的時間があるので撮影しやすい。

 先頭集団が過ぎた後、再び車で移動する。次の撮影ポイントは桜通と大津通の交差点だ。ここは選手が3回通過する美味しいポイントだが、いざ移動してみると選手はすでに1回目を通過した後だった。

 3度も見られるとあって観衆の数も半端じゃない。交差点をくぐる地下鉄の階段は人が溢れている。2度目の通過に合わせて交差点から西へ数百m移動して選手を待つ。しかし、ここへ来て突然天候が崩れ、空が暗くなり雪も舞い始めた。すぐにカメラを設定変更すれば良かったのだが後の祭り。アンダーな画像を残し、選手たちが通り過ぎていった。

 今回の撮影では先頭集団の渋井選手にピントを合わせるのが難しかった。集団の中の渋井選手のポジションを確認してから、目の前を通過するまで長くても30~40秒。最初の数秒でAFセンサーのポイントを変更し、残りの時間で撮影するのが理想だが勇気がいる。もたつくとあっという間に通過するので、結局は9点AFのまま撮影を続行する。結果はピントの合う選手がバラバラになってしまった。

 最後に交差点の北側へ移動。ラストはスローシャッターで流し撮りだ。シャッター速度を1/60秒にセットし、3回目の通過を待つ。場所を決めた頃は比較的空いていたのに、撮影の頃は観衆が集まり密集状態に。先頭集団の通過にあわせシャッターを切るが、ファインダーの中に選手が見えない。周りの観衆の振り回す旗がレンズの前をさえぎってガッカリ。


坂を登ってくる先頭集団を300mmでとらえる。渋井選手は見えない。2,336×3,504 / シャッター速度優先AE / ISO200 / F5.6 / 1/500秒 / 0EV / オート / 300mm 300mmで撮影。右端11番が渋井選手。2,336×3,504 / シャッター速度優先AE / ISO200 / F5.6 / 1/500秒 / 0EV / オート / 300mm 左と同じ場所で80mm。2,336×3,504 / シャッター速度優先AE / ISO200 / F5.0 / 1/500秒 / 0EV / オート / 80mm

 レースは35km付近で渋井選手が脱落。マラソン初出場の22番原選手が優勝した。帰宅して録画したビデオを見ると、観衆が少なく撮影しやすそうな場所がそこそこある。さらに駐車場でのタイムロスを考えると、車より地下鉄桜通線の方が撮影ポイントを増やせそうだ。また、流し撮りは選手側の歩道よりも反対側から望遠で狙った方が撮りやすいかもしれない。

 28-300mm F3.5-5.6Lの使い勝手は良く、撮影枚数も稼げた。しかし画質は普段使っている単焦点レンズと比較して、もうひとつシャキっとしない。撮影ポイント次第では焦点距離は200mmで十分、135mmでも撮影は可能だろう。そう考えると、マラソン撮影は特別なレンズがなくても撮影可能だと感じた。



URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  製品情報
  http://cweb.canon.jp/ef/lineup/tele_zoom/ef28_300_f35_56l/
  名古屋国際女子マラソン(コースマップ)
  http://www.chunichi.co.jp/niwm/course.html


( 奥川 浩彦 )
2005/03/24 02:43
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