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キヤノンEOS 20D【第11回】
EOS 20Dで飛ぶ鳥を落とせるか

Reported by 奥川 浩彦


 前日と同じ場所で飛ぶ鳥を撮ることに。今日は義弟もオリンパスE-1を持って一緒に撮影。残念ながら天候は曇り。風も強く寒い。あまりに寒いのでフリースの手袋を両手にはめたまま撮影することにする。EOS 20Dの操作は手袋越しでもさして違和感がないのは操作性がしっかりしているせいか。

 前日に撮った画像を見ると、鳥の羽ばたきは思ったよりも早く、シャッター速度は1/1,000秒にする。曇りなのでISO400にセットし、レンズはEF200mm F2.8Lで撮影開始。飛び立つ鴨を見つけるとマシンガン状態で撮りまくる。明らかにピンボケでも、AFの追従を期待して構わずシャッターを押し続ける。ランニングコストの発生するフィルムでは気が引けるが、デジカメならこの点は気楽だ。邪道な撮り方かもしれないが、ピントが合ってからシャッターを切ってもタイムラグがあるので、間に合わない可能性は高い。これはサーキットで撮影しているときも同様で、ピントが合う前にシャッターを切らないとチャンスを逃してしまう。慣れない水鳥の撮影は動きも予想できないので、足りない技術をカメラの性能で補うのは一つの手段だと思う。

 筆者の持っている望遠レンズはEF200mm F2.8LとEF300mm F4L。F2.8の200mmの方が明るい分だけピント追従性が高いかと期待したが、焦点距離の差だけファインダー内で被写体が小さくなるせいかピントが合い難い。しばらく撮影したところで300mmに変更する。

 ファインダー内で被写体を大きくとらえられるようになり、若干ピントが合いやすくなった感じがする。その分ファインダーに入れるのは難しくなり、近くを飛ぶ鴨はフレームアウトするが比較すれば300mmの方が良さそうだ。


※作例のリンク先は、撮影した画像データをそのままコピーしたものです。
※キャプション内の撮影データは、画像解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/ISO感度/露出補正値/焦点距離です。


最初は200mmで撮影
3,504×2,336 / 1/1,000(秒) / F5.6 / 400 / +0.7 / 200(mm)
300mmにレンズ交換するとピンボケが少なくなる
3,504×2,336 / 1/1,000(秒) / F5.6 / 400 / +1.0 / 300(mm)

きっちりフレームに入れられないのもピンボケの原因。腕が良ければピンボケは減りそうだ
3,504×2,336 / 1/1,000(秒) / F7.1 / 400 / +0.3 / 300(mm)
羽を下げた姿勢はあまり格好良くない。動きのある被写体は難しい
3,504×2,336 / 1/1,000(秒) / F6.3 / 400 / +0.3 / 300(mm)

 鴨は飛び立つと数十m飛んで再び着水する。どこから飛び立つか予測不可能なので、見つけたらファインダーで追っかけシャッターを押し続ける。ヘタな鉄砲数打ちゃ当たるで、EOS 20Dの秒間5コマはありがたい。ミラーアップにより失像している時間も短いので違和感もない。マニュアルフォーカスの時代ならほとんどピンボケだったと思われるが、それなりに撮れたのはカメラの性能だと感じる撮影だ。

 途中でカモメが飛んできたのでこちらも撮影する。近くに寄ってこないのでアップでは撮影できなかったが、鴨と違いずっと飛んでいるから多少撮影はしやすい。更にどこからともなく10羽ほどの白鳥の群れが飛来してきたのでシャッターを切る。白鳥も高い位置を通過して遠くに着水したので、イマイチ遠い絵になってしまった。どちらも青空をバックに撮りたかったが、天気に文句は言えない。


カモメは鴨より撮りやすい。しかしマニュアルフォーカスでは多分撮れない一枚
3,504×2,336 / 1/1,000(秒) / F6.3 / 400 / +0.3 / 300(mm)
飛び立った瞬間に撮影。シャッター速度1/1,000でも羽ばたきは止まらない
3,504×2,336 / 1/1,000(秒) / F5 / 400 / +0.7 / 300(mm)

尻尾がフレームに入らないのは腕の問題。もっと練習が必要だ
3,504×2,336 / 1/1,000(秒) / F5 / 400 / +0.7 / 300(mm)
いきなり飛来した白鳥。天気のいい日に撮りたい
3,504×2,336 / 1/1,000(秒) / F8 / 400 / +0.7 / 300(mm)

 紹介した画像は数点だが、数十分の撮影で400~500回シャッターを切った。3~4割はピンボケだが撮っていて楽しい撮影だった。一緒に出かけた義弟はE-1でかなり苦戦していた。実際にカメラを交換して撮っていないのでハッキリした差は体感していないが、動きのある被写体にはEOS 20Dの俊敏性はアドバンテージがありそうだ。水鳥は天気のいい日にもう一度撮りたいと感じる魅力的な被写体だ。



URL
  キヤノン
  http://canon.jp
  製品情報
  http://cweb.canon.jp/camera/eosd/20d/


( 奥川 浩彦 )
2005/02/23 00:03
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