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タムロン「SP AF 70-200mm F2.8 Di LD [IF] Macro」

交換レンズ実写ギャラリー
Reported by 大浦タケシ

D3 / 4,256×2,832 / 1/1,250秒 / F5.6 / -0.7EV / ISO400 / WB:晴天 / 200mm





D300に装着。キヤノン用が4月、ニコン用が5月に発売済み。ソニー用とペンタックス用が発売予定となっている
 ズーム全域F2.8を誇る望遠ズームレンズだ。手ブレ補正機能などいくつか省略されている機能もあるが、手に入れやすい価格が魅力のレンズである。定価は10万4,790円。量販店における実勢価格は現在9万円前後で推移している。

 カメラメーカー各社が挙ってこの焦点距離のズームレンズをラインナップしているとおり、使いやすくオールマイティに使える画角のレンズである。本レンズもほかと同様、フルサイズフォーマットに対応しており、フィルムからデジタルまで使用することが可能だ。

 前述したとおり手ブレ補正機能が省かれているほか、超音波モーターによるAF駆動や、AFとMFがシームレスに切り換わる機構など未搭載である。しかしながら、ライバルたちに比べ手に入れやすい価格を実現していることに加え、レンズ重量も“フル装備”のものと比べた場合、150gほど軽い1,325g(三脚座含む)と軽量に仕上がっている。また、発売が予定されているソニー用とペンタックス用では、手ブレ補正機構の非搭載がそれほど不利な印象を与えないはずだ。

 最短撮影距離はズーム全域で95cm。最大撮影倍率はテレ端での約0.32倍と高く、手軽にマクロ撮影が楽しめる。主にD3とD300で試用したが、AF時のフォーカシングは比較的静かでスピーディ。MF時の操作感も適度なトルクで良好といえる。

 フォーカスリングの前後のスライドによってAFとMFが切換えられる機能を搭載し、マクロ撮影のときなど重宝しそうに感じられるが、そのときの節度がお世辞にもよいとはいえないのが残念なところ。スライドにカメラアングルが変わってしまう程度の力を必要とするため、スムースとはいいがたい。同様の機能を搭載するほかのレンズでもいえるが、本レンズはマクロや望遠撮影など特にシビアなピント合わせを必要とするようなシーンで出番の多そうなこともあり、もっと滑らかに切り換わるような工夫が欲しい。

 F2.8の望遠ズームとしては廉価であるものの、描写特性はライバルに負けてはいない。シャープネスの高い締まった描写が得られ、安っぽいズームレンズにありがちな極端に解像力が乏しく、線の太い粗い描写という印象はあてはまらないといっていい。ボケ味もズームであることを考慮すれば柔らかくキレイな方で、ポートレートやマクロ撮影に持ち出すのが楽しみなレンズに思われた。廉価故に予算の兼ね合いから致し方なく購入するにはもったいないレンズといっていいだろう。

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D3 / 4,256×2,832 / 1/80秒 / F8 / -0.7EV / ISO200 / WB:オート / 140mm D3 / 4,256×2,832 / 1/125秒 / F5.6 / -1EV / ISO200 / WB:オート / 140mm

D3 / 2,832×4,256 / 1/40秒 / F11 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 95mm D3 / 2,832×4,256 / 1/10秒 / F8 / -0.7EV / ISO200 / WB:晴天 / 145mm

D3 / 4,256×2,832 / 1/50秒 / F4 / -1.3EV / ISO200 / WB:晴天 / 200mm D3 / 4,256×2,832 / 1/1,000秒 / F5.6 / -0.7EV / ISO200 / WB:晴天 / 200mm

D300 / 2,848×4,288 / 1/800秒 / F4.5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 70mm D300 / 2,848×4,288 / 1/1,000秒 / F4 / -0.7EV / ISO400 / WB:オート / 70mm

D300 / 2,848×4,288 / 1/400秒 / F5 / +0.7EV / ISO200 / WB:オート / 70mm D300 / 4,288×2,848 / 1/2,000秒 / F4.5 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 102mm

D300 / 2,848×4,288 / 1/160秒 / F6.3 / -0.3EV / ISO200 / WB:晴天 / 155mm D300 / 4,288×2,848 / 1/160秒 / F6.3 / +0.3EV / ISO200 / WB:晴天 / 200mm

D3 / 4,256×2,832 / 1/800秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO200 / WB:晴天 / 200mm D300 / 2,848×4,288 / 1/1,000秒 / F4 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 70mm




D3 / 2,832×4,256 / 1/1,600秒 / F5.6 / 0EV / ISO400 / WB:晴天 / 200mm


URL
  タムロン
  http://www.tamron.co.jp/
  製品情報
  http://www.tamron.co.jp/lineup/a001/

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大浦タケシ
(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。

2008/08/28 00:17
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