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オリンパス「ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2 SWD」

交換レンズ実写ギャラリー
Reported by 佐々木啓太

E-3 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/25秒 / F4 / +2.7EV / ISO100 / WB:晴天 / 14mm





E-3に装着。価格は30万9,750円
 ZUIKO DIGITALのラインナップで一番上位の「スーパーハイグレード」に属する新製品。これでスーパーハイグレードは、超広角から超望遠までのシステムが揃ったことになる。

 まずは絞り値を開放F2にセットし、最短距離(0.35m)で撮影してみた。ボケの柔らかさとピントのあった部分のシャープさ、この矛盾した表現を見事に両立している。また、周辺までしっかりした解像感があるのも特徴。逆光で絞り開放にすると、フレアが多少気になる場面もあるが、これは大口径らしい柔らかさと捉えることもできそうだ。少し絞り込めば解消されるので、表現によって使い分ければよいと思う。

 実際の撮影で恩恵を受けるのは、豊富な階調の再現性だろう。センサーのダイナミックレンジが話題になるが、レンズ自体の再現性が高ければ、さらに好結果を生むことになる。E-3のハイライトの粘りと組み合わせると、白い花びらの上で水滴を写すこともできた。夕方の空の微妙なグラデーションや、水面の反射もなめらかな描写で、イメージに近い写真を撮ることができる。

 絞り開放で気になる周辺光量落ちも皆無ではないが、1段絞ってF2.8にすればほぼ解消される。プリント時に画面を引き締めるために周辺を焼き込む必要がなくなると考えてもいいレベルだと思う。

 操作系は超音波モーター「SWD」の採用で、カメラの電源を入れてなくてもピントを動かせる、正真正銘のフルタイムマニュアルが可能になったのがうれしい。太めのピントリングは程よいトルク感があって、MFでのピント微調整もやりやすい。ズームリングもこれだけ大きなレンズを動かしているのを感じさせないなめらかさがある。

 付属の花形フードの表面は、レンズ表面と同じように小さな凹凸がつけてあり、高級感を演出している。内面には植毛処理も施してある。PLフィルターを回転させるための小窓もついているが、この深さのフードで必要なのか個人的には疑問が残る。

 開放(大口径F2)からの写りの良さも、絞り込みすぎると回折の影響を受けることが考えられる。絞りは、F5.6かF8程度に留めるのが無難なようだ。写りはさらに磨きがかかった印象を受けたので、勝負レンズとしての価値は高いと思う。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用ボディ/記録解像度(ピクセル)/露出モード/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。





E-3 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/250秒 / F2 / +1EV / ISO100 / WB:晴天 / 24mm

E-3 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/800秒 / F2 / +0.7EV / ISO100 / WB:晴天 / 35mm


E-3 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/125秒 / F2 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 14mm

E-3 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/60秒 / F4 / +1EV / ISO250 / WB:晴天 / 31mm


E-3 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/320秒 / F2 / +0.7EV / ISO200 / WB:晴天 / 35mm

E-3 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/60秒 / F4 / 0EV / ISO250 / WB:晴天 / 26mm


E-3 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/500秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 14mm

E-3 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/200秒 / F2.5 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 31mm


E-3 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/500秒 / F6.3 / -0.7EV / ISO100 / WB:晴天 / 14mm

E-3 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/160秒 / F8 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 14mm


E-3 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/30秒 / F2.8 / 0EV / ISO160 / WB:晴天 / 14mm

E-3 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/60秒 / F2 / -0.3EV / ISO160 / WB:晴天 / 20mm


E-3 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/20秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO160 / WB:晴天 / 19mm

E-3 / 2,736×3,648 / 絞り優先AE / 1/4,000秒 / F8 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 35mm





E-3 / 3,648×2,736 / 絞り優先AE / 1/250秒 / F2 / +1.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 31mm






URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報
  http://olympus-imaging.jp/product/dslr/accessory/lens/14-35_20swd/

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佐々木啓太
(ささきけいた)1969年兵庫県生まれ。写真専門学校でモノクロオリジナルプリントを見たのがきっかで、写真家への道を志すようになった。スタジオアシスタント、写真家の助手生活を経て独立。現在は「街角写真家」という肩書きで活動中。「街角写真」とは、気になる街の片隅をスナップする写真のこと。デジタルカメラの登場でカラーにシフトしていたが、PX-5500やファインアート紙と出会い、再びモノクロ熱が上昇中。http://homepage.mac.com/st_eight/

2008/04/28 00:01
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