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ペンタックス「DA★ 50-135mm F2.8 ED [IF] SDM」

交換レンズ実写ギャラリー
Reported by 大浦タケシ

K10D / 3,872×2,592 / 1/250秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 135mm




K10Dに装着。K100Dや*ist Dシリーズなど超音波モーター非対応のレンズでは、ボディ内モーターによる駆動になる
 超音波モーターを内蔵するペンタックスの新しいデジタル専用レンズシリーズの第1弾だ。7月27日に発売だが、当初は同社の予想を上回る注文で供給不足に陥ったほど、ペンタックスユーザーがその発表から長らく待ち望んだレンズである。位置付け的には同じデジタル専用のDAレンズシリーズの上位となる。価格はオープンプライス。実勢価格は12万6,000円前後となる。

 35mm判換算で焦点距離76.5mmから207mmに相当する画角となる。開放絞りは全域F2.8で、ボケ具合こそ違うものの、35mm判フルサイズで70(80)-200mm F2.8クラスの大口径望遠レンズを使用したときと同じような感覚で使うことが可能だ。鏡銅の大きさは76.5×136mm(最大径×全長)。重量も685gで、明るさや得られる焦点距離を考えると実にコンパクトに仕上がっている。70-200mm F2.8クラスのレンズは重く、カメラバッグのなかでかさ張ることも多かったが、本レンズならそのようなことも少ない。立てて収納できるバッグの選択肢もはるかに多いはずだ。

 超音波モーターによるフォーカシングは、静寂性が高く実にスムース。状況にもよるが、DCモーターよりも合焦までのスピードが速く感じる。今までのペンタックスAFレンズとは一線を画すものといえるだろう。フォーカスリング、ズームリングとも適度なトルク感のあるもの。リング幅も広く操作感も上々。ペンタックスのデジタル一眼レフカメラはどれもピントの把握が容易なファインダーを搭載しているのが特徴だが、スムースな動きのフォーカスリングによって、じわっとピントの芯が浮き立ってくるようなマニュアルのフォーカシングも楽しめる。超音波モーターの採用もさることながら、これだけでもペンタックスユーザーは待った甲斐があったといっても過言ではない。ちなみにAF合焦後、シームレスにMFに切り替わるクイックシフトフォーカスが採用されている。

 開放周辺での描写はわずかに柔らかいものの、少し絞るだけでシャープネスの高いカチッとした描写が得られる。基本的には繊細な描写をするレンズといえるだろう。フレアがよく抑えられているためヌケもよくクリア。直接強い光がレンズのなかに入るような極端なシーンでない限りゴーストの発生も皆無だ。9枚の絞り羽根によるボケ味も嫌みがなく柔らかい。

 最短撮影距離はズーム全域1m。徹底したシーリングにより防塵防滴構造を採用するとともに、前玉には撥水性、撥油性に優れた効果のSP(Super Protect)コーティングが施される。追って大口径標準ズームレンズの「DA★ 16-50mm F2.8 ED AL [IF] SDM」がリリースされたが、今後、同シリーズの展開が楽しみだ。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用ボディ/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。
  • 強調のため一部の項目を1行目に抜粋した場合もあります。





K10D / 3,872×2,592 / 1/400秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 50mm
K10D / 3,872×2,592 / 1/400秒 / F2.8 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 135mm

K10D / 3,872×2,592 / 1/640秒 / F4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 135mm
K10D / 3,872×2,592 / 1/160秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 135mm

K10D / 3,872×2,592 / 1/320秒 / F6.3 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 65mm
K10D / 3,872×2,592 / 1/250秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 58mm

K10D / 3,872×2,592 / 1/500秒 / F4 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 75mm
K10D / 3,872×2,592 / 1/320秒 / F2.8 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 135mm




F2.8
K10D / 3,872×2,592 / 1/400秒 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 135mm
F4
K10D / 3,872×2,592 / 1/200秒 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 135mm
F5.6
K10D / 3,872×2,592 / 1/160秒 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 135mm

F8
K10D / 3,872×2,592 / 1/160秒 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 135mm
F11
K10D / 3,872×2,592 / 1/125秒 / -0.3EV / ISO400 / WB:オート / 135mm
F16
K10D / 3,872×2,592 / 1/60秒 / -0.3EV / ISO400 / WB:オート / 135mm




K10D / 3,872×2,592 / 1/320秒 / F7.1 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 135mm





URL
  ペンタックス
  http://www.pentax.co.jp/
  製品情報
  http://www.digital.pentax.co.jp/ja/lens/index35_longzoom.html#03

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大浦タケシ
(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。

2007/09/19 00:01
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