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キヤノン「EF 16-35mm F2.8 L II USM」

交換レンズ実写ギャラリー
Reported by 大浦タケシ

4,992×3,328 / 1/250秒 / F8 / -0.33EV / ISO100 / WB:オート / 16mm / シャープネス:3 / コントラスト:0 / 色の濃さ:やや濃い




EOS-1Ds Mark IIに装着。価格は24万1,500円
 キヤノンのハイエンド広角ズーム「EF 16-35mm F2.8 L USM」の後継となるレンズだ。系譜的には初代「EF 20-35mm F2.8 L」から4代目の製品にあたる。

 前モデルからスペック上の変更点は大きく3つ。まず、レンズ構成が10群14枚から12群16枚となった。非球面レンズ3枚、UDガラス(特殊低分散ガラス)2枚という構成は変わらないが、コーティングとともに、よりレイアウトの最適化が図られている。

 次に、フィルター径が77mmから82mmへとアップ。キヤノンのこのクラスのレンズは77mmをスタンダードとしているため、従来からのユーザーはPLフィルターなど買い増しが必要となるものの、フィルター枠によるケラレの心配がより少なくなったといえる。

 3つ目は大きさ・質量の変更。83.5×103mm・600gから、フィルター径の拡大もあって88.5×111.6mm・635gといずれも増加している。質量だけでみたら、一絞り分暗いEF 17-40mm F4 L USMの倍近くなる。

 描写については、ワイド側でタル型、テレ側では糸巻き型のディストーションが見られる。当然のことながら絞り込んでも解決するものでもないので、被写体によっては気になることがあるかもしれない。周辺光量の不足に関しては、ワイド端、テレ端とも開放F値では散見されるが、ワイド側でF5.6、テレ側でF4まで絞るとほぼ解消される。そのほかの収差に関しては概ね良好。解像感も高く、近い将来発売が予想される「EOS-1Ds Mark III」の登場を見据えたレンズといえるだろう。

 最短撮影距離は0.28m。USM(ウルトラソニックモーター)の採用で、静寂性が高く素早いAFが可能。MF時のピントリングの操作性も節度あるトルク感を持つ。防塵・防滴構造も引き続き採用され、信頼性と高級感を併せ持つ高品位なレンズに仕上がっている。


【お詫びと訂正】記事初出時、最短撮影距離に誤りがありました。「0.28cm」ではなく、正しくは「0.28m」となります。お詫びして訂正いたします。


  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/焦点距離/シャープネス/コントラスト/色の濃さを表します。
  • 強調のため一部の項目を1行目に抜粋した場合があります。





4,992×3,328 / 1/250秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 16mm / シャープネス:3 / コントラスト:0 / 色の濃さ:やや濃い 4,992×3,328 / 1/250秒 / F7.1 / -0.67EV / ISO100 / WB:オート / 35mm / シャープネス:3 / コントラスト:0 / 色の濃さ:やや濃い

4,992×3,328 / 1/200秒 / F7.1 / 0.33EV / ISO100 / WB:オート / 24mm / シャープネス:3 / コントラスト:0 / 色の濃さ:やや濃い 4,992×3,328 / 1/2,000秒 / F2.8 / 0.33EV / ISO100 / WB:オート / 35mm / シャープネス:3 / コントラスト:0 / 色の濃さ:やや濃い

4,992×3,328 / 1/125秒 / F5.6 / -0.33EV / ISO100 / WB:オート / 18mm / シャープネス:0 / コントラスト:0 / 色の濃さ:やや濃い 4,992×3,328 / 1/250秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 23mm / シャープネス:0 / コントラスト:0 / 色の濃さ:やや濃い




F2.8
4,992×3,328 / 1/640秒 / 0.67EV / ISO100 / WB:オート / 16mm / シャープネス:3 / コントラスト:0 / 色の濃さ:やや濃い
F4
4,992×3,328 / 1/320秒 / 0.67EV / ISO100 / WB:オート / 16mm / シャープネス:3 / コントラスト:0 / 色の濃さ:やや濃い
F5.6
4,992×3,328 / 1/160秒 / 0.67EV / ISO100 / WB:オート / 16mm / シャープネス:3 / コントラスト:0 / 色の濃さ:やや濃い

F8
4,992×3,328 / 1/80秒 / 0.67EV / ISO100 / WB:オート / 16mm / シャープネス:3 / コントラスト:0 / 色の濃さ:やや濃い
F11
4,992×3,328 / 1/40秒 / 0.67EV / ISO100 / WB:オート / 16mm / シャープネス:3 / コントラスト:0 / 色の濃さ:やや濃い
F16
4,992×3,328 / 1/20秒 / 0.67EV / ISO100 / WB:オート / 16mm / シャープネス:3 / コントラスト:0 / 色の濃さ:やや濃い




4,992×3,328 / 1/320秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 16mm / シャープネス:3 / コントラスト:0 / 色の濃さ:やや濃い





URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  製品情報
  http://cweb.canon.jp/ef/lineup/wide_zoom/ef16_35_f28lii/

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大浦タケシ
(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。

2007/04/24 01:19
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