コシナ「Makro Planar T* 2/100 ZF」(100mm F2)

コシナ「Makro Planar T* 2/100 ZF」(100mm F2)

交換レンズ実写ギャラリー

Reported by 吉住志穂

D200 / 3,872×2,592 / 1/13秒 / F2.8 / 1EV / ISO100 / WB:晴天

D200に装着。標準価格は18万6,900円。発売は5月

　ニコンFマウントのCarl Zeissレンズ「ZF」シリーズの1本として、Makro Planar 50mm F2と一緒に発表されたマクロレンズ。35mmフルサイズのイメージサークルをカバーするので、銀塩一眼レフカメラでも使用できます。ニコン製デジタル一眼レフカメラに装着した場合、実撮影画角は150mm相当(35mm判換算)になります。

　何といっても開放F2で得られる近接時のボケが素晴らしく、一般的な開放F2.8のマクロレンズとは、ひと味違った表現が可能です。とりわけ、点光源のボケがぐっと大きくなるところは、「近寄れる大口径望遠レンズ」といった趣き。しかもピントの合った箇所は、開放でも充分にシャープです。たまに輝度差の激しい輪郭に色にじみが現れることがありますが、1段絞ってF2.8にすると消えます。

　金属製の鏡胴は重量感たっぷりで、ほかの100mmクラスのマクロレンズとは一線を画す高級感があります。圧巻なのはフォーカスリング。何と最短距離(44cm)から無限遠まで、直径76mmのフォーカスリングがほぼ1周します。つまり、回転角が大きく、精密なピント合わせができるということ。その代わり、素早いフォーカス操作には慣れが必要ですが……。

　スペック上不満なのは、最大撮影倍率が1/2倍までというところでしょう。私自身、等倍撮影にそれほどこだわりませんが、100mmにしては思ったより大きな像が得られないので、違和感を感じました。また660gとマクロレンズとしてはずっしりと重く、持ち歩くにはちょっとした覚悟が必要です。しかも価格は18万6,000円と高価。それでも、このレンズでしか得られない個性と所有感を考えると、独特の魅力を持ったレンズといえます。

作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
作例下の撮影データは、使用ボディ/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランスを表します。
強調のため一部の項目を1行目に抜粋した場合があります。


F2 D200 / 3,872×2,592 / 1/60秒 / 1.67EV / ISO100 / WB:晴天	F2.8 D200 / 3,872×2,592 / 1/40秒 / 1.67EV / ISO100 / WB:晴天	F4 D200 / 3,872×2,592 / 1/20秒 / 1.67EV / ISO100 / WB:晴天


F5.6 D200 / 3,872×2,592 / 1/10秒 / 1.67EV / ISO100 / WB:晴天	F8 D200 / 3,872×2,592 / 1/5秒 / 1.67EV / ISO100 / WB:晴天	F11 D200 / 3,872×2,592 / 1/3秒 / 1.67EV / ISO100 / WB:晴天


D200 / 3,872×2,592 / 1/800秒 / F2 / 1.33EV / ISO100 / WB:晴天	D200 / 3,872×2,592 / 1/6秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:晴天


D200 / 3,872×2,592 / 1/25秒 / F2.8 / 1EV / ISO100 / WB:晴天	D200 / 3,872×2,592 / 1/160秒 / F2 / -0.33EV / ISO100 / WB:晴天


D200 / 3,872×2,592 / 1/6秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:晴天	D200 / 3,872×2,592 / 1/125秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:晴天


D200 / 3,872×2,592 / 1/100秒 / F2 / 1EV / ISO100 / WB:晴天	D200 / 3,872×2,592 / 1/30秒 / F2 / 1EV / ISO100 / WB:晴天

D200 / 3,872×2,592 / 1/180秒 / F2 / 1EV / ISO100 / WB:晴天

■ ＵＲＬ
　コシナ
　 http://www.cosina.co.jp/
　製品情報
　 http://www.cosina.co.jp/seihin/co/zf-m100/

吉住志穂
(よしずみしほ)1979年東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、竹内敏信事務所に入社。 2005年4月に独立。自然の「こころ」をテーマに、花や風景の作品を撮り続けている。「デジタルフォト」や「日本フォトコンテスト」で連載中。日本自然科学写真協会(SSP)会員。http://www.geocities.jp/shihoyoshizumi/

2007/03/27 01:24

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