デジカメ Watch

ソニー「Carl Zeiss Planar T* 85mm F1.4 ZA」

交換レンズ実写ギャラリー
Reported by 吉住 志穂

α100 / 3,872×2,592 / 1/160秒 / F4 / 0.3EV / ISO100 / WB:曇り




 開放F値1.4の大口径の中望遠レンズ。Carl Zeissとソニーの共同開発で生み出された製品で、本体もフードも金属製、フード内側は植毛が施されているなど、ほかのαレンズとは一線を画す高級感があります。α100に装着すると、実撮影画角は35mm換算で焦点距離127.5mm相当。ソニー以外にもコニカミノルタ製デジタル一眼レフカメラにはもちろん、35mm判フルサイズ撮像面積に対応しているので、αマウントのミノルタ製フィルム一眼レフカメラでも使用できます。

 画質は素晴らしく、α100の性能がこのレンズによって発揮されたように感じました。絞り開放から高い描写力があり、落ち葉やイルミネーションに付いた水滴の写真を見るとかなりのシャープ感があることがわかります。コントラストは強めでありながら、ピント面からボケの部分は滑らかで美しく、ボカした被写体の輪郭が柔らかく描写されます。逆光では色収差が出ますが、わずか。直線的な被写体でも像の歪みは見られず、しっかりとした作りであることが感じられます。

 絞り羽根枚数は9枚で、点光源のボケを入れた場合、口径食のため開放のF1.4ではボケがレモン型になり、F2まで絞ればきれいな円形になります。F2.8まで絞ると、ボケが角張ってくるので、ボケを丸くしたいときはF2程度に絞りましょう。

 フォーカスホールドボタン(ピント位置の固定)やオートクラッチ機構(AF時のフォーカスリング非回転)を搭載し、Gレンズ群と同様の操作機能を盛り込んでいます。ピントリングの操作性は滑らかで、ホールド感も良い印象です。距離エンコーダーを搭載し、純正外付けストロボHVL-F56AM/F36AMでは高精度なADI調光にも対応しています。

 価格は189,000円と手頃とは言えませんが、写真を拡大すればするほど、価格以上の価値が見出せるレンズです。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の作例データは、使用ボディ/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランスを表します。
  • 強調のため一部の項目を1行目に抜粋した場合もあります。





F1.4
α100 / 3,872×2,592 / 1/30秒 / 0EV / ISO100 / WB:昼光
F2
α100 / 3,872×2,592 / 1/20秒 / 0EV / ISO100 / WB:昼光
F2.8
α100 / 3,872×2,592 / 1/10秒 / 0EV / ISO100 / WB:昼光




α100 / 3,872×2,592 / 1/15秒 / F2.5 / 1.3EV / ISO100 / WB:電球 α100 / 3,872×2,592 / 1秒 / F11 / 1EV / ISO100 / WB:昼光

α100 / 3,872×2,592 / 1/60秒 / F4 / 1EV / ISO100 / WB:日陰 α100 / 3,872×2,592 / 1/40秒 / F3.5 / -0.3EV / 100 / WB:昼光

α100 / 3,872×2,592 / 1/4秒 / F7.1 / 0EV / ISO100 / WB:昼光 α100 / 3,872×2,592 / 1/40秒 / F4 / 0.7EV / ISO100 / WB:曇り


URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  製品情報
  http://www.ecat.sony.co.jp/alpha/lens/lens.cfm?PD=24689

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吉住 志穂
(よしずみ しほ)1979年東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、竹内敏信事務所に入社。 2005年4月に独立。現在、自然の「こころ」をテーマに、花や風景の作品を撮り続けている。『月刊カメラマン』、『デジタルフォト』で連載中。日本自然科学写真家協会(SSP)会員。フジクロームクラブ講師、ズイコーアカデミー講師。http://www.geocities.jp/shihoyoshizumi/

2006/11/30 01:06
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