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デジタル一眼レフ選び 7つのポイント
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デジタルカメラの中では一眼レフがブームになっている。これだけ数が揃ってくると、選ぶのもなかなかむずかしい。そこで、購入するときのチェックポイントを7項目あげてみた。○が付く項目が多いほど、優先度が高い機種ということになる。さて、あなたならどのデジタル一眼レフを選ぶだろうか?
【1】なにがなんでも画素数の多いほうがいい?
デジタルカメラは画素数競争の中で急成長してきた。有効画素数あるいは記録画素数が多いほど、大きくプリントができる。また、同じ大きさの画像で比べたら、画素数の大きなほうが解像度が高いことになる。
画素数がいちばん多いのはキヤノン EOS-1Ds Mark IIだ。有効1,670万画素とデジタル一眼レフとしては断トツに多い。これだけあると、A3、A2はおろかA0までも引き伸ばせるポテンシャルを持つ。次いで有効画素数が多いのは、コダックのDCS Pro SLR/nだ。これは1,371万画素もの有効画素数を持つ。EOS-1Ds Mark IIとDCS Pro SLR/nは35mm判フルサイズ機でもある。
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キヤノン EOS-1Ds Mark II
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コダック DCS Pro SLR/n
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ニコン D2Xは有効1,240万画素だ。これも大きく引き伸ばせ、また同じ画像サイズで比較すると、800万画素機などと比べて解像度が高い。さらに、やや特殊な撮像素子を使って有効画素数を1,234万画素(S画素617万、R画素617万)としているのが、富士写真フイルムのFinePix S3 Proである。D2XとS3 Proは撮像素子がいわゆるAPS-Cサイズである。
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ニコン D2X
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富士写真フイルム FinePix S3 Pro
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これら1,000万画素を超えるデジタル一眼レフは完全にプロ用と言える。それは単に価格が高いだけでなく、使いこなしもそれなりのレベルを要求するからだ。たとえば、これら1,000万画素を超えるデジタル一眼レフは画素が相対的に小さくなるから、ブレやすい。また、できるだけ性能のいいレンズを使わないと、その威力が十分に発揮されない。そのへんをわかった上で使うなら、中判フィルムカメラに匹敵する画質が得られる。
【2】色作りの独自性で選ぶのも面白い
デジタル一眼レフの発色はメーカーによって、あるいは機種によってさまざまだ。sRGBとAdobe RGBと色空間が選べるだけではない。メーカーそれぞれ独自の色合いを出している。その中でも、とくに色作りがほかと変わっているデジタル一眼レフもある。
その代表は富士写真フイルムのFinePix S3 Proだろう。標準的な色あいのほかに、ポートレート、スタジオポートレート、フジクローム調、ベルビア調などと多彩な選択ができる。とくに、ベルビア調で撮影すると、フィルムのフジクロームベルビア100Fに近い鮮やかな色再現が可能である。このように細かに、しかもわかりやすく色あいが選べるのはさすがにフィルムメーカーのデジタルカメラと言えるだろう。
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シグマ SD10
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もうひとつ色あいが独特なデジタル一眼レフはシグマのSD10である。撮像素子からしてフィルムに似た3層構造のFoveon X3を使っている点でもユニークだが、その発色がまた独特だ。やや渋めなのだが、それが好きなユーザーにはたまらない魅力である。S3 Proがベルビア調なら、SD10はコダクローム調と言えるかも知れない。あと、コンタックスNデジタルもかなり独自の色あいなので、SD10に共通するところがある。
色あいというのは好みが人それぞれ異なるからむずかしい。どのデジタル一眼レフでも、Adobe RGBのほかに、sRGBを揃えているものが多い。しかし、多様化するこれからのニーズに合わせるためには、普及機や中級機でも、S3 Proのように色あいをいろいろ選べるようになることが望ましい。
【3】独自性を重視して選ぶ方法もある
デジタル一眼レフは競争の中で、お互いに機能や特長が似てきてしまう。そんな中で、確固とした独自性を主張している機種もある。もちろん、独自性と言っても、実用的でなければ意味がない。そういう機種を選んでみるのもいいだろう。
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コニカミノルタ α-7 Digital
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いちばん独創的なのはコニカミノルタ α-7 Digitalだろう。同社のDiMAGE A1、A2で培ったCCDシフト方式の手ブレ補正(AS機構)を組み込んでいる。カメラ側で手ブレ補正ができるデジタル一眼レフはこの機種が初めてだ。そして、超接写用のマクロズームレンズを除く全交換レンズに対応するという。レンズ側に手ブレ補正のあるキヤノンやニコンを選ぶ手もあるが、α-7 Digitalはレンズを選ばないという点で、さらに有利である。
もうひとつ独創的でしかも実用的なのは、オリンパスE-1とE-300である。撮像素子とローパスフィルターの前に超音波で振動するフィルターを装着。これによって、ローパス面に付着するゴミ、ホコリを振るい落としてしまうのだ。ゴミ問題は地味だが、非常に重要な問題だ。フィルム一眼レフでは問題にならなかったことだが、デジタル一眼レフでは問題である。その問題にいち早く取り組んだのはオリンパスだけだ。また、Eシリーズは4/3型というフォーサーズシステムの撮像素子を採用しているのも独自と言える。
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オリンパス E-300
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オリンパス E-1
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シグマ SD10も実はゴミ問題に取り組んでいる。レンズマウント部にプロテクタを装備し、ミラーボックス内にゴミが入り込まないようにしているのだ。また、SD10はFoveon X3撮像素子の採用によりローパスフィルターが不要で、レンズの性能がそのまま出せるという点も注目される(撮像素子のナイキスト周波数には制限されるが)。
このように独自性、独創性を持ったデジタル一眼レフは貴重である。もちろん、基本性能がしっかりしていることが大切だが、さらにその上でメーカーそれぞれのカラーを出して欲しいものである。
【4】画素数と連写性能のバランスを考える
画素数が少なければ、それだけファイルサイズも小さくなり、バッファメモリがそれほど大容量でなくても、最大撮影コマ数は多くなるはずだ。しかし、画素数がある程度多くなっても、最大撮影コマ数が多いカメラもある。そして、理想は画素数と連続撮影能力がバランスしていればいちばんいい。
それが断トツなのは、ニコン D70だ。610万画素機と標準的で、しかも最大撮影コマ数が144コマ(サンディスク UltraII、256MBの場合)という。連写性能も毎秒約3コマで通常の撮影には十分である。144コマまで連続して撮ることはあり得ないが、少なくともフィルムなみの36コマとか、それぐらいは欲しいところだ。
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キヤノン EOS-1D Mark II
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そうなると、プロ用一眼レフになってしまうが、キヤノン EOS-1D Mark IIが浮上する。820万画素という高画素にもかかわらず、毎秒約8.5コマ、そして最大撮影コマ数40コマである。実際には40コマも連続して撮影することはなく、その間にバッファの解放があるから、連続撮影能力はさらに高い。
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ニコン D2H
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ニコン D2Hも410万画素機とこの点では不十分だが、毎秒約8コマ、最大撮影コマ数40コマである。さらに、D2Xは1,240万画素という高画素機ながら、毎秒約5コマの連写を達成。さらに、中央部680万画素のクロップ撮影では毎秒約8コマが可能とこれも連写能力が高い。連写速度は遅いが、DCS SLR Pro/nはRAWで約19コマの最大撮影コマ数を持つ。
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キヤノン EOS 20D
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画素数と連写能力のバランスということで言えば、キヤノン EOS 20Dも優れている。820万画素という標準以上の高画素でありながら、毎秒約5コマ、そして最大撮影コマ数は約23コマである。ほかの中級デジタル一眼レフがせいぜい9コマぐらいの最大撮影コマ数しかないのに対して、EOS 20Dは報道、スポーツ用にさえ使える能力を持っている。
連写速度と最大撮影コマ数はとくに動体を撮るときには、撮影のリズムに影響するから、かなり重要なファクターだ。
【5】ファインダーの見えかたも重要だ
一眼レフである以上、液晶モニタをファインダー代わりに使うことはない。だから、ファインダーの見えかたというのもかなり重要なファクターになってくる。
その見えかただが、さすがにプロ用デジタル一眼レフは見やすい。とくに35mm判フルサイズであるキヤノン EOS-1Ds Mark IIとコダック DCS SLR Pro/nはファインダーの見えかたがフィルム一眼レフとほぼ同じだ。そして、1Ds Mark IIの場合には視野率約100%だ。つまり、液晶モニタと同じように、見える範囲が写る範囲と一致しているのだ。この視野率約100%のファインダーはプロ用のデジタル一眼レフでは必須条件と言ってもいい。キヤノン EOS-1D MarkII 、ニコン D2H、ニコン D2Xも視野率約100%である。
そして、画素数こそ510万画素だが、オリンパス E-1も視野率が約100%なのである。価格的に中級機に見られがちだが、じつはE-1はメーカーのいうようにプロ用一眼レフなのである。
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ペンタックス *ist Ds
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また、ファインダーそのものの見やすさという点も見逃せない。前述のプロ用一眼レフが見やすいのは当然だが、ペンタックス *ist Dsはこのクラスにしては珍しく高級な一眼レフファインダーである。つまり、ガラスペンタプリズムを採用して、さらに倍率も高いため、普及機とは思えないほどである。
ファインダーの見やすさはカメラ店でチェックしやすい項目なので、これは実際に手にしてみるのがいちばんだ。
【6】基本機能の高さも見逃してはいけない
デジタル一眼レフで大事なことには、基本的な機能の充実もある。たとえば、AFが多点測距になっていて測距点がスーパーインポーズされるかどうか。あるいはAEが多分割測光になっていて、露出補正もオートブラケットなどが充実しているかどうか。ホワイトバランスがオートのほかに、プリセット、ワンタッチ(マニュアル)、そして色温度設定までできるかどうか。ホワイトバランスブラケッティングができるかどうか。ストロボではフォーカス情報などもインプットされ背景の明るさや反射率に影響されないかどうか。ストロボのブラケッティングができるかどうか。さらに、超高速シャッターへのシンクロができるかどうか。いろいろとチェックポイントはある。
【7】もちろん価格も重要
最後はやはり価格ということになる。できるだけ安い機種か、あるいは使っていることに喜びを感じられる高価格機か。
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キヤノン EOS Kiss Digital
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デジタル一眼レフはこのところ価格競争が激化している。その中でも、オリンパス E-300は標準ズームレンズ付きで99,800円という驚異的な価格設定をしている。また、ペンタックス *ist Dsもボディーのみで95,000円と10万円の大台を割った。さらに、低価格路線のパイオニアであるキヤノン EOS Kiss Digitalやニコン D70も実勢価格が下がっているので、狙い目である。
高いほうではEOS-1Ds MarkII の約90万円、DCS SLR Pro/nの約70万円、D2Xの60万円、EOS-1D MarkII の約50万円などがある。
価格だけで決めてしまうのは危険だが、前述の6項目をチェックし、最後に価格で決めるという方法がいいだろう。
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那和 秀峻 (なわ ひでたか)写真家およびテクニカルライター。1976年以来、カメラ雑誌を中心に活動。現在はほとんどデジカメ関係の仕事が多い。PC Watchに「那和秀峻の最新デジカメレビュー」を2003年より不定期連載。PCは自作Pentium 4機が主力だが、Mac G4もときどき使用。モバイルはInterlinkだが、そろそろ電池がだめになってきた。1989年よりMS-DOS 3.3CでPC入門。趣味のウェブサイトもあります( http://www.nawa-jp.com )。 |
2004/11/26 20:08
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