「F0.95の世界を味わえる
ライカ共同開発カメラ搭載
HUAWEI P9

俳優・大杉漣と写真家・大杉隼平が語る

今や世界的なスマートフォンメーカーとなったファーウェイと、言わずと知れたライカが共同開発したカメラレンズを搭載するスマートフォン「HUAWEI P9」が、ついに日本で発表された。もちろん注目はそのカメラ機能だ。普段からライカを愛用し、今回、「HUAWEI P9」を試用して作例を撮影した写真家の大杉隼平氏と、その実父である俳優の大杉漣氏に、その魅力を語ってもらった。

ライカと共同開発したカメラを搭載するスマートフォン「HUAWEI P9」

ダブルレンズカメラ、モノクロ+RGBセンサーなど野心的な設計

「HUAWEI P9」は、ライカと共同開発したカメラレンズを2基搭載。本体に「SUMMARIT H 1:2.2/27 ASPH」と記載がある通り、ライカブランドであるSUMMARITの27mm F2.2レンズを搭載していることがわかる。最後の「H」の文字は「HUAWEI P9」用に開発されたとの意だろう。ちなみにライカとの共同開発は、ソフトウェア面にも及んでいる。たとえば、フィルムライカのような風合いを実現する「フィルムモード」は、ライカの監修を受けた、いわば「お墨付き」の画質モードとなっている。

搭載されたダブルレンズ「SUMMARIT H 1:2.2/27 ASPH」。片方はモノクロセンサー、片方はRGBセンサーに対応する

ダブルレンズの最大の恩恵は、ボケのコントロールが可能になることだ。ダブルレンズの視差により対象物との距離を検知、その情報をもとにボケ効果を疑似的に作り出す深度(デプスオブフィールド)コントロールで、「絞り値」相当のパラメーターをF0.95からF16まで変更することができる。このパラメーターはもちろん撮影時にはリアルタイムで変更できるが、撮影後のデータでも深度情報を元にフォーカス位置と絞り値を変更可能な「ワイドアパーチャ機能」も搭載している。

「絞り」は撮影中にリアルタイムで変更可能。ここでは標識にフォーカスを合わせたのち、F0.95にしてみた。もちろん擬似的なものだが、UI上はカメラのレンズ絞りを模しており、雰囲気は十分

「絞り」をF16にしたところ

ワイドアパーチャ機能により、撮影後に絞り位置を変更した例(前方にフォーカス)

ワイドアパーチャ機能により絞り位置を変更した例(後方にフォーカス)

AF機能に関しても、このダブルレンズが生かされている。通常のコントラストフォーカスに加え、ダブルレンズによる距離測定を利用した「デプス(Depth)フォーカス」と、暗所で有利な「レーザーフォーカス」を組み合わせた「ハイブリッドフォーカス」方式により、高速AFを実現している。

ハイブリッドフォーカスによる高速AF

ダブルレンズカメラにはそれぞれ約1200万画素のイメージセンサーを搭載しており、片方がカラー画像、片方がモノクロ画像に対応となっており、カラーとモノクロの2つのセンサーを組み合わせている。モノクロのほうはカラー情報を扱わないので、RGB用のセンサーと比べて明るさやディテールなどの情報をより多く、詳細に捉えることができ、画質の向上や低照度時のノイズ低減機能を実現できる。センサーは、ソニー製の1.25umのピクセルサイズの12メガピクセルとなっている。ちなみに、モノクロとRGBとの合成処理やワイドアパーチャ、ハイブリッドオートフォーカスなどの処理は、CPUである「Kirin 955」にビルトインされた専用チップにより、高速かつ省電力で行われる。

モノクロセンサーとRGBセンサー、異なるイメージセンサーを組み合わせて画質を向上している

ほかにもISO感度やシャッタースピードなどを手動で設定できる「プロフェッショナルモード」をはじめ、「モノクロ」「ビューティー」「動画」「HDR」「ビューティービデオ」「パノラマ」「夜間撮影」「ライトペインティング」「コマ抜き」「スロー」「ウォーターマーク」「音声撮影」「文書撮影」と多彩なモードを用意。カメラアプリのUIフォントがライカ風となっていたり、シャッター音もライカを模していたりと、遊び心もある。

このように他機種ではみられないカメラ機能の充実度を持った「HUAWEI P9」だが、実際の使い心地や画質はどのようなものだろうか……ということで、普段からスマートフォンカメラを多用する大杉漣氏と、ライカ使いの写真家・大杉隼平氏のインタビューをお送りする。独特の「道具」観を持つ大杉漣氏と、写真家としてライカに魅せられた大杉隼平氏、両名に「HUAWEI P9」はどのように映るのか。

俳優の大杉漣氏(左)と写真家の大杉隼平氏(右)の親子に話を聞いた

カジュアル派の父、「いつでもカメラと一緒」な息子

まず、お二人のカメラとの出会いや、現在どのようにカメラと関わっているか、教えてください。

漣氏私が最初にカメラを使い出したのは、父の遺品のフィルムカメラでした。しかし、残念ながら、この遺品のカメラは紛失してしまいました。

隼平氏いや、無くなっていません(笑)。(漣氏に)革ケースに入ったカメラだよね? まだ自宅にあります。

漣氏これは失礼しました、まだあるそうです(笑)。今は主にコンパクトデジタルカメラやスマートフォンで写真を撮影しています。撮るのは主に、仕事の現場写真です。役者として現場にこだわりがあるんですね。現場写真はその時々の仕事の記憶を保存するためのものであり、自分の存在証明のようなものでもあります。

そしてもうひとつ、現場写真以外で撮り続けているのが。家族の一員であるチワワの風ちゃんと、スコティッシュフォールドの寅子ちゃんの写真です。特に寅子ちゃんは、2008年に映画「ネコナデ」で共演した猫で、撮影終了後、我が家で飼うことにしました。撮影時に生後3か月だったのですが、その成長写真をブログ「大杉漣の風のトラ便り」で紹介し続けています。

大杉漣氏のペット、チワワの風ちゃんとスコティッシュフォールドの寅子ちゃん(大杉漣氏がHUAWEI P9で撮影)

隼平氏僕の場合は、写真専門学校に入る前からカメラを持っていました。入手してから、すぐにベトナム旅行などで使いましたね。

今は写真家として活動しているので、カメラは仕事道具ではありますが、同時に友達のようにずっと一緒にいるものでもあります。現在では、仕事でもプライベートでも常にライカを持ち歩いています。

隼平さんがライカに感じる魅力というのは、どんなところにあるのでしょう。

隼平氏 僕にとってカメラはとにかく「楽しいもの」です。もちろんライカもそうなのですが、ライカに対しては他にも、「不完全さ」を良しとする、不思議な魅力を感じています。また、写真に魂を込めることができるのがライカ、とも感じています。

漣氏私も隼平からライカを勧められているんですが、カメラに限らず、私には道具を手に入れただけで満足してしまうことに対する危惧があり、今のところ慎重になっています。ただ、ライカの素晴らしさは理解しています。写真から独特の風合いを感じられますし、一生ものの道具として所有する価値があると感じます。そういった道具は、「出会い」が大事だと思っていますので、私とライカのあいだに「出会い」があれば、是非試してみたいですね。

「F0.95の世界」をスマートフォンで味わえるHUAWEI P9

お二人は、普段、スマートフォンでカメラ機能を使っていますか?

漣氏ブログの写真は、全部スマートフォンです。仕事現場の撮影はデジタルカメラを利用していますが、ペット写真はスマートフォンですね。ほとんど加工せずに、そのままアップしています。

隼平氏僕の場合は、常にカメラを持ち歩いているので、スマートフォンのカメラ機能はほとんど使いません。記録メモ程度です。

そんなお二人ですが、HUAWEI P9を実際に利用してみていかがでしょうか。

隼平氏今までのスマートフォンのカメラ機能とは、明らかに違うなと。画質もそうですが、スマートフォン上で「絞り」を操作しボケを発生させる 「デプス(Depth)フォーカス」と「ワイドアパーチャ機能」で撮影するのが楽しいです。ピント面はシャープでありつつ、ボケ味は最高でF0.95相当になる。ライカでいえば「NOCTILUX-M F0.95」で実現するボケ味、いわば「F0.95の世界」をスマートフォンで、だれでも手軽に味わえるわけです。この世界は、従来のスマートフォンでは表現できませんでした。

ワイドアパーチャ使用で大胆にぼかしを入れることで印象的な作品に仕上がる

HUAWEI P9で撮影
[撮影:大杉隼平 画像クリックで原寸画像を表示(約4MB)]

HUAWEI P9で撮影
[撮影:大杉隼平 画像クリックで原寸画像を表示(約6MB)]

撮影はマニュアルモードも用意されていますが、ほとんどオートで撮影しています。ホワイトバランスもオートです。オートで十分、ライカの持っている色合いを表現することができます。特に「フィルムモード」の中の「ソフトな色」設定が好きですね。

漣氏「HUAWEI P9」は、ライカを持っていないユーザーにも、私が思う「ライカらしい」写真の楽しみを与えてくれると感じました。ボケをあとから加工できる「ワイドアパーチャ」は、撮影後にみんなで写真を加工しながら楽しめると思います。イベント撮影や子供の撮影などで利用すると楽しいですね。

隼平氏ライカは、モノをそのものとして撮影する以上の、「表現」が可能なカメラです。「HUAWEI P9」も、従来のスマートフォンとは違い、カメラで「表現」できる道具になっているように感じます。写真による自己表現を、スマートフォンで手軽にできる。画期的ですが、ある意味、カメラマン泣かせの機種かもしれません。

漣氏写真で大事なのは、人間の目が見たもの、その瞬間の感動を表現することだと思います。そうした感覚を「表現する道具」として、「HUAWEI P9」は魅力的ではないでしょうか。

「フィルムモード」や「モノクロモード」使用でライカを思わせる画質に

HUAWEI P9で撮影
[撮影:大杉隼平 画像クリックで原寸画像を表示(約5MB)]

HUAWEI P9で撮影
[撮影:大杉隼平 画像クリックで原寸画像を表示(約7MB)]

HUAWEI P9で撮影
[撮影:大杉隼平 画像クリックで原寸画像を表示(約5MB)]

お二人は今後、カメラや写真とどのように付き合っていきますか。

漣氏パソコンの中に撮りためた現場写真とペットの写真が全て残っています。この写真に文章を付けることで自分の足跡を残したいと思っています。写真データを誤って消してしまったこともあり、その時は隼平に相談して一部のデータを救えたのですが、失った写真も多かったので残念です。それだけ、写真は私にとって大事な存在になっています。今後も、現場やペットを写真として残していきたいと思っています。

隼平氏18歳から写真を撮り始めて15年になります。写真の世界も随分変わってきました。PCやスマホで写真を見るだけで、プリントする機会が減っていると思いますが、プリントして紙に残すことにこだわっていきたいです。僕にとって写真を撮る意義は、感情が動いた瞬間を残すということです。そのためにも、多くの出会いを大事にして、写真に繋げていく。そして、人の記憶に残る作品を作っていきたいと考えています。

本日は、貴重なお話をありがとうございました。

HUAWEI P9で撮影した写真を披露しあう両氏

HUAWEI P9のカメラ機能は一度試す価値あり

インタビュー後、大杉漣氏と大杉隼平氏が、お互いのポートレートを「HAUWEI P9」で撮影を行った。普段から父のポートレートを撮影しているという大杉隼平氏が、逆に父にポートレートを撮影されている様子は、微笑ましくスタッフからも笑いが起きていた

俳優の大杉漣氏と写真家の大杉隼平氏は、写真へのアプローチこそ違うが、共通してあるのは、カメラ、そして写真が自己を表現する手段であり、自身の感情を伝える道具であることだ。写真のプロフェッショナルである大杉隼平氏と、ブログや現場写真を中心に活用している大杉漣氏が、「HUAWEI P9」を、いわば「自己表現のツール」として、同じように魅力的に感じていたことは興味深い。

写真家である大杉隼平氏は、HAUWEI P9において、ダブルレンズでボケ効果を作り出す深度(デプスオブフィールド)コントロールの絞り値F0.95に注目する。ライカユーザーにとって、F0.95と言えば「NOCTILUX-M F0.95/50mm ASPH」。「NOCTILUX」による「F0.95の世界」を、疑似的ではあるがHUAWEI P9のダブルレンズは実現してくれる。ライカユーザーだけでなく、広くカメラユーザーにもぜひいちど試してほしい機能だ。

発売に合わせてタッチ&トライイベントも予定されている(詳しくは下記の告知参照)。そうした機会に是非一度触ってみてほしいスマートフォンだ

(伊藤浩一)

HUAWEI P9 発売イベント開催!

「HUAWEI STORE supported by WWD」が表参道に期間限定オープン

期間
2016/6/14(火)~6/20(月)
開催時間
11時~19時
場所
zerobase表参道
内容
HUAWEI P9をはじめ、同時発売のHUAWEI P9 liteや女性向けウェアラブルデバイスであるHUAWEI WATCH Jewel/Elegantのタッチ&トライを実施。また、HUAWEI P9による作例写真も多数展示される。ほかにもゴリラコーヒー×HUAWEI 無料アイスコーヒーの配布も実施。

品川駅にてHUAWEI P9 タッチ&トライ実施!

期間
2016/6/15(水)~6/17(金)
開催時間
12時~20時
場所
品川駅構内(臨時ホーム脇階段横スペース)
内容
P9のダブルレンズカメラで実際に撮影が可能。また、手持ちのスマートフォンと撮り比べるとオリジナルノベルティがプレゼントされる。

Facebookでキャンペーン実施、クイズに正解でHUAWEI P9などプレゼント

期間
2016/6/17(金)から3か月連続
内容
フォロワー数10万人を超える支持を集め、常に魅力ある写真を世に発信する人気のインスタグラファー6151さんとコラボし、Facebook上で3ヶ月に渡ってSNSキャンペーンを実施! クイズに応募し正解した方の中から、P9実機など豪華賞品をプレゼント予定。