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高感度画質のチェックポイントはココ!


 高感度撮影で重視されるのはノイズの少なさだ。通常撮影時のノイズには、輝度ノイズ(粒状ノイズ)とカラーノイズ(色ノイズ)があるが、どちらも適切なノイズリダクションをかけることで、ノイズを目立たなくすることができる。しかし、ノイズリダクションには副作用がある。輝度ノイズを強引に除去しようとすると、低コントラスト部分のディテールが溶けたように喪失してしまったり、輝度ノイズの輪郭がボヤッと大きくボケて、ざらつき感は低減しても、粒子が伸ばしボケでまだらになったような不自然きわまりない状態に陥ってしまう。いっぽう、カラーノイズを除去しても解像感は低下しないが、シャドー部の彩度が低下して、墨っぽくなってしまうこともある。ノイズの多い/少ないだけでなく、こうしたノイズリダクションの副作用で本来の画質が損なわれていないかも、重要なチェックポイントだ。

 具体的には、背景の濃いめのグレー(図中A)で輝度ノイズやカラーノイズをチェック。また、マクベスカラーチャートの紫や青、赤、深緑など濃い色(図中B)にカラーノイズが浮いていないかをチェックする。また、毎回、ぬいぐるみ人形を置いているのは、人形の顔の布目(図中C)がどれだけくっきり解像しているかをチェックするためだ。ISO100など低感度で撮影したカットと見比べて、高感度のカットでどれだけ解像感が違うかで、高感度画質の優劣を判断している。特に髪の毛の影が落ちている部分やあごのあたりで布目がどれだけ解像しているかが注目ポイントだ。毛糸でできた髪の毛の質感も、解像感が喪失しているとかなり不自然に見えるはずだ。もし、人形の服や帽子の布目が喪失しているようであれば、もう論外の画質だ。

 さらに、女の子の人形がかぶっているピンクの帽子のテカっている部分(図中D)が、どの程度白トビしているかで、ダイナミックレンジの広さもある程度わかる。人形の鼻のあたりが白トビしかけるようでは、かなりダイナミックレンジが狭い機種ということになる。

(伊達淳一 2007年7月)

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