【イベントレポート】
CAMERAND 横浜ガールズフォトフェスタ2013
〜ガールズフォトの“本気”がカタチに。明るく華やかな、新しいフォトイベント

 3人の写真家からなるユニットがUSTREAMの配信番組として毎月一度放映している番組「キャメラびと」。

 3人それぞれの写真作品の発表や撮り方、ゲストを招いてのトーク、生写真講評など、“カメラ女子”のための企画が盛りだくさんで、カメラ女子の間で話題となっている。

 このキャメラびとの3人が手作りでカメラ、写真好きの女性のためにイベントを開催した。その名も「CAMERAND(キャメランド)」。ゆるくてかわいい写真をもっと楽しみたい! そんな写真好きのカメラ女子が主役のお祭りだ。

 女性の“ゆるくてかわいい”“ふんわり優しい”写真は、「あぁ、カメラ女子の写真ね……」とひとくくりにされがちだが、「ふんわり優しい、ハイキーできれいな写真は、露出補正やホワイトバランスなど、カメラの知識も必要。ただかわいいからと雰囲気で撮っているだけじゃないんです。そのガールズフォトの地位をしっかりと確立したいと、ずっと思っていました」とは、主催の写真家のひとり、山本まりこさんのメッセージ。

 山本まりこさんが“ひと目ぼれ”したという、会場のヨコハマ創造都市センターは、真っ白な壁と大きな窓、高い天井がまるで教会のようでとても印象的。

 実は、協賛メーカーへの呼びかけも主催の3人が行ったというこのイベントは、各メーカーのカメラのチョイスまで3人が提案。女性に人気のモデルや、女性向けに開発された新モデルなどを試せるようになっており、自然光がたっぷりと入る素敵な空間で、各メーカーのタッチ&トライや、ワークショップなどが行われた。

 また、女性の視線を妨げないよう、120cm以上の高さの什器などは置かないというルールも決め、徹底した女性目線の空間を作り上げており、明るく、圧迫感のない、柔らかな光が会場を照らしていたのも印象的だった。

キャメラびとが「HAPPY」をテーマとしたフォトコンテストを公募。このフォトコンテストの写真展示をするということから発展し、開催となったCAMERAND。会場には、もちろんこのフォトコンテストの応募作品がズラリと並んでいた

多彩なステージプログラム

 オープニングは、もちろん、主催のキャメラびとの3人によるトークから。

 キャメラびとの番組のように、明るくゆったりとした独特の空気が会場を包み込む。用意されていたシートも満席。立ち見の方も大勢いるなかでスタートした。

 第一回目のステージプログラムは、オリンパスデジタルカレッジで講師も務めている写真家の金森玲奈さんの「プレミアムコンデジXZ-10で表現するフォトストーリー」。オリンパスXZ-10と旅したイタリアでの作品をフォトストーリーとして発表。

 大きなスクリーンに映し出される数々の美しいイタリアの写真に、吸い寄せられるようにたくさんの人たちが集まり、耳を傾けていた。

 「キャメラびと 公開しゃしん講評会♪」では、キャメラびとの3人が、会場に写真を持参した方々のプリントを実際に見ながら、写真へのアドバイスやカメラ談義などに花を咲かせた。「お茶とケーキが欲しいくらい、楽しくカメラ談義してしまいました」と、むらいさちさん。

 女性が集まると自然と会話が弾むようで、にぎやかな講評会となっていた。

 EOS学園の講師を務める写真家の佐藤かな子さんのステージでは、「EOS Mで撮るヒカリフォト」と題し、キヤノンのミラーレス機EOS Mを使った作品をスクリーンに映し、撮影のテクニックなどをまじえながら、EOS Mの魅力をたっぷりと伝えた。

 「笑顔泥棒」と称し、世界各国で子どもたちの笑顔を撮影、個展や写真集などで発表している写真家、須藤夕子さんのステージは、富士フイルムX-E1を使った「自分好みの色を見つけよう!」というセッション。

 「女性のカメラ選びの条件は、男性に求める条件と同じ!」という須藤さん独特の理論に何度もうなづく女性多数。スタイル抜群で、写りも素晴らしいX-E1の魅力を分かりやすくていねいに伝えていた。

 USTREAM番組「キャメラびと」のオープニング曲「自由な音」を歌うAO AQUAさんによるライブも開催。ウクレリストでもある彼女はウクレレ一本で「自由な音」はもちろん、数々のハワイアンソングを披露。透き通る歌声が高い天井に響き、会場の皆さんも聞き惚れていた。

 AO AQUAさんは、むらいさちさんと親交があり、アルバムジャケットもむらいさんによるものだそう。会場ではCD販売と同時にミニサイン会も行われた。

 最後のステージは、主催のキャメラびと3名によるエンディングトーク。手作りで一生懸命準備してきたイベントが大盛況だったことに、感慨深げながらも笑顔、笑顔!

 キャメラびとの3人には各人のキメポーズがあるのだが、この日の最後は「きょんたまーに♪」のポーズで!

 このほか2日目には、写真家の若子jetさんの「写真は撮るだけじゃない! 女子力UP マイブックの作り方」、鉄道写真家の中井精也さんのスペシャルトークショー、写真家でソニーαセミナーの講師も務める吉住志穂さんのNEXを使ったステージプログラムなども開催。

 カメラ女子に“ゆる鉄”!? というイメージもあったが、中井精也さんのトークショーは男女関係なく人気。もちろん、男性の来場者も多くみられ、会場を盛り上げた。

協賛メーカーによるワークショップも多数

アスカネット

 レイアウトフリーの「MY BOOK」を、実際にCAMERANDに出演した写真家さんたちがサンプルを製作し、展示。初心者向けの編集のヒントについてのワークショップも開催した。

 「写真を“カタチ”として残すということを、積極的に提案し、紙の種類など含め、女性向けのバリエーションなども検討してこうと考えています。たくさんの来場者の皆さんが実際にMY BOOKのサンプルを手にして、こういうことができるというのを知って下さる場として手ごたえも感じました」とマーケティングチームの秋元さん。

オリンパスイメージング

 各種モデルのタッチ&トライや、写真家の金森玲奈さんと行く夕暮れフォトレッスン、ストラップなどの製作ワークショップなど、多彩なプログラムで多くのカメラ女子が集まったオリンパスブース。

 営業サポートグループ課長の菅野さんは「E-P1、E-PL1を出してから3、4年が経過し、そこでカメラを始めた女性が次の一歩を考えている時期だと思います。“自分の写真”を撮るために、次のレンズをとステップアップを目指す方もたくさんいらっしゃいますね。今回のCAMERANDではすでにカメラを楽しんでいる方も多いと思い、ストラップや、レンズキャップストラップなどを作るワークショップもご用意しました。オリンパスで行っている講座も、女性が6割とかなり多いんですよ」と話してくれた。

キヤノン

 フルサイズセンサーの最新モデルEOS 6Dの使い方講座をはじめ、Power Shot S110の写真レッスン、EOS Mを使ったテーブルフォトレッスンなど、実際に各モデルを使ったワークショップを開催したキヤノン。Power Shot S110では、山本まりこさん、きょん♪さんによるレッスンもあり、ブースには常に人があふれていた。

 商品企画の村山さんにお話しを伺った。

 「EOS M、EOS 6D、Power Shot S110のほかに、Power Shot Nが発売間近なのですが、ネット販売のみということで実機を展示しました。クリエイティブショットという撮った写真が加工された6パターンの作品に仕上がるモードなど、とても楽しんでいただけたと思います。また、今回写真好きの女性とお話をしておりますと、写真を撮ってもあまりプリントしないという方も多く、写真をプリントして楽しむ、アフターレリーズの部分にも力を注いでいきたいと実感しました」。

ソニー

 吉住志穂さん、山本まりこさんのワークショップを行ったソニーは、まだ発売前のNEX-3Nを展示。実際に触って、撮影もできるようになっていた。

 「NEX-3Nは、女性向けということを徹底的に追及して作ったモデルです。女性が欲しいという機能、自分撮りできる可動液晶、内蔵ストロボ、小型軽量化、そしてコンパクトデジタルカメラからのステップアップ者向けにズームリングをシャッターボタンの周りに配置するなど、こだわって作っています。カメラケースや、ストラップなどセットで使って頂ける用品にも女性の声を反映しています。今回のイベントでも実際の女性の声を聞き、かなり手ごたえを感じましたが、何も分からずにとりあえずカメラを買ったという方でもカメラを趣味として楽しめるよう、使い方、撮り方をしっかりと教える基礎的な講座など、草の根的な活動を今後も強化していきたいと思っています」とマーケティング部の因幡さん。

ニコン

 キラキラとした女性ならではの個性を前面に押し出したディスプレイ、最新モデルのNikon1 J3をメインに、テーブルフォトから旅写真に至るまで、幅広いワークショップを行ったニコン。明るいうちから夕景まで撮り歩く“よこはま散歩でかけよう!”というワークショップも行った。

 広報の河村さんにお話しをうかがった。

 「Nikon 1 J1から現在3世代目のJ3が販売となり、より女性向けにボディのカラーリングに合わせた鏡胴の標準ズーム(10-100mmの10倍ズーム)キットをメインに、実機を触って頂けるようにしました。このレンズはレンズを繰り出した内側も同じカラーリングとするなど、細かい部分にもこだわり、女性向けに作っています。Nikon 1シリーズもレンズのラインナップを拡充し、現在は8種類。ボケ味など、“レンズの楽しみ”をご提案し、レンズを変えることで自分の写真世界が変わるということを実感いただければと思っています」。

富士フイルム

 X-E1をメインに展示。ワークショップでは“撮ること”、特に絞りやシャッタースピードなどを自分で変えながら撮るという部分をクローズアップし、ワークショップを行った。

 ファインピックス事業部の岡田さんは、「X100SやX20の購入者の4割が女性ということもあり、クラシカルなデザイン面では女性にも受け入れてもらえたと思っています。シャッタースピードダイヤル、露出補正のダイヤルなどが独立していることもあり、X-E1ならではの“お作法”が、難しいカメラというイメージを持たれてしまう部分もあると思うのですが、大半の方々がJPEGで撮って、いわゆる“撮って出し”というなかで、撮ったそのままの色がプリントしてもキレイという部分を評価して頂けているなと、今回女性の声を直接耳にし実感しました。今後もこのイベントを皮切りに各地でこういったワークショップなども開催していきたいですね」と話してくれた。

mi-na(ミーナ)

 楽天市場にオンラインショップを構える、mi-na。ストラップやカメラバッグなど、色とりどりの商品を展示販売した。

 「たくさんのカメラ、写真好きの女性に支持していただいていますが、オンラインショップという性格上、実際に商品を手に取ってもらえる場というのが少なく、今回は実際に使ってくださっている方も多く来てくださり、嬉しい限りです。今後はストラップやカメラケース以外にも、カメラバッグなどの新しいラインナップも増える予定で、発売前のモデルなども展示しました。オンラインでの評価を見て、すぐに商品のマイナーチェンジをするなど、オンラインならではのスピード感で進化していけるというメリットもありますが、女性の厳しく正直な声は今後もこういった場でも見聞きしていきたいですね」とチーフデザイナーの中村さん。

 “カメラ女子”が増えてきたなど、カメラ女子という言葉だけはずいぶん世に浸透しているが、カメラ系のイベントは、やはりまだまだ男性の割合の方が多く、イベントの作りそのものも女性向けにはなっていない。

 そんななか、写真家3人が本気で取り組んだ「CAMERAND」は、“日本初”の完全女性向けのカメラ・写真のイベントだったと言っていい。

 会場に集まったのは9割が女性。会場内がこんなに笑顔であふれているカメライベントがこれまでにあっただろうか。

 「男性が肩身狭そうな感じだったのが痛快だった」と笑うキャメラびとの3人の狙いは、カメラ女子のド真ん中をいく最高のカタチとなった。

 来年、再来年と進化しながら続いていくことを期待したい。

(笠井里香) (2013/3/4)