リコー「GR DIGITAL III」スペシャルギャラリー

スナップ撮影に特化した高レスポンスなカメラ
Reported by 種清豊

3,648×2,736 / 1/500秒 / F4.5 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート

GR DIGITAL III

 発売されてから約1カ月半。初代からおよそ2年おきに進歩を遂げてきたGR DIGITALシリーズの最新機種を待っていた方も多かったのではないだろうか。一貫したデザインや、35mm判換算で28mmの広角専用機というコンセプトがあることで確実にファンが多いカメラであると思う。動作レスポンスのアップや操作性の向上、そして、レンズや画像処理エンジンが新しくなったことは、すでに多くの場で紹介されている。

 まずこのカメラを使って感じるのは、カメラとして「使いやすい」ということだ。GR DIGITAL IIから少し大きくなった液晶モニターは見やすくストレスを感じなかった。操作ボタンの配置などは、前機種をほぼ踏襲しているが、特にズームボタンによる露出補正は大変操作しやすい。AFもコントラストAFながら、非常に高い確率で合焦してくれるのは非常にありがたい。ピント合わせがスムーズなカメラほど撮影レスポンスが高くなる。

 F1.9のレンズも注目で、GR DIGITAL IIのF2.4同等の高い解像力もさることながら、大口径化に伴う収差というものもうまく補正されているように感じた。これは特に接写時において、背景のボケ具合に影響してくるもので、この点GR DIGITAL IIIはコンパクト機ながら、比較的自然なボケを再現してくれた。

 CCDがデジタル一眼レフカメラに比べ小型であることから、開放F1.9であっても被写界深度は割と深く、一眼レフカメラのと違ってほどピントにシビアにならなくても気軽に撮影できる点も大きなアドバンテージであった。

 また、ISO800ぐらいからの多少のざらつきは否めないが、それでも高感度性能がよくなった分、これもF1.9とあわせて、夕方や夜間のスナップに対する応用力を高めてくれる。
 
 豊富なメニューや、改良点で確実に進歩してくれたGR DIGITAL IIIであるが、まさにスナップ撮影に特化したカメラという点で抜群の操作性であることは間違いないだろう。細かなオプションアクセサリーも撮影を楽しませてくれる。

 ともあれ、撮影者自身の設定というものをカメラにほぼ固定化して撮ることになるはずで、その分、あれこれ迷わず沢山のシャッターを切ることができるだろう。写りに関してはさまざまなシチュエーションで期待でき、とても満足度の高いカメラであった。

※サムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウインドウで表示します


3,648×2,736 / 1/160秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート3,648×2,736 / 1/2000秒 / F5 / +0.7EV / ISO64 / 絞り優先AE / WB:オート
2,736×3,648 / 1/400秒 / F4.5 / -0.3EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート2,736×3,648 / 1/125秒 / F2.2 / -1EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート
2,736×3,648 / 1/125秒 / F2.5 / +1.3EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート2,736×3,648 / 1/250秒 / F3.5 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート
3,648×2,736 / 1/160秒 / F2.8 / +0.3EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート3,648×2,736 / 1/320秒 / F4.5 / -0.7EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート
2,736×3,648 / 1/250秒 / F3.5 / 0EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート2,736×3,648 / 1/133秒 / F5 / +0.3EV / ISO64 / 絞り優先AE / WB:オート
2,736×3,648 / 1/320秒 / F3.5 / -0.7EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート2,736×3,648 / 1/250秒 / F3.5 / +0.3EV / ISO64 / プログラムAE / WB:オート
3,648×2,736 / 1/90秒 / F4.5 / -0.3EV / ISO64 / 絞り優先AE / WB:オート3,648×2,736 / 1/39秒 / F5 / -1.3EV / ISO800 / 絞り優先AE / WB:オート

3,648×2,736 / 1/2000秒 / F4.5 / -2EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート






種清豊
(たねきよ ゆたか)1982年大阪生まれ。京都産業大学外国語学部ドイツ語学科卒業後、写真家竹内敏信氏のもとで約3年間のアシスタントを経て、2007年よりフリーランスに。主に日本各地に残る明治、大正、昭和初期のクラシックな素材から現代の街まで幅広く撮影中。また人物撮影や、東京の下町の祭も撮影。キヤノンEOS学園講師、NPO法人フォトカルチャークラブ講師。ブログはこちら

2009/9/14 00:00