特別企画

コスパ最高のツールで、映えるコスプレ写真に仕上げる!

レイヤーでもある写真家に「SILKYPIX JPEG Photography 9」の実力を教えてもらう

撮影:えはらあい(レイヤー:栞治 さん)

アニメ作品などの世界観を表現するコスプレ写真。撮影する人も増えているが、ただ撮って終わりという人もいるのではないだろうか。実はコスプレ写真は撮影後のレタッチがとても重要な要素になったりする。ツール選びも大切だ。

そこで、フォトグラファーでもありレイヤー(コスプレイヤー)でもある、えはらあいさんに「コスプレ写真のレタッチテクニック」をテーマにお話をお聞きした。

フォトグラファー&レイヤーとして活動中のえはらあいさん。

奥深いコスプレ写真の世界

——まずはコスプレ写真の世界についてお聞きしたいと思います。レイヤーさんが自身の最高の姿を残したいと思うと、昔はカメラマンさんに頼んでいた印象があります。今はレイヤーさん自身が撮るのでしょうか?

いまでも凝った写真はカメラマンさんに撮ってもらうというのが基本だと思いますが、自分で撮影するレイヤーさんが増えています。一眼レフを持っている人も多く、単焦点レンズも人気です。自撮りのために三脚も使います。皆さんこだわるところにはしっかりこだわります。

えはらさんによるセルフポートレイトのコスプレ写真。

また、シチュエーションも大切で、シェアスタジオやハウススタジオを使うことも多いですね。中にはスタジオで多灯ライティングをする人もいます。全体的にコスプレ写真のクオリティーが上がっていて、世界観を表現した作品が増えたように思います。

撮影:えはらあい(レイヤー:まりもりま さん)
撮影:えはらあい(レイヤー:松竹ねじめ さん)

——自分が写ったコスプレ写真がSNSで多くの人に見られるとなると、写真の出来栄えが重要ですね。

全体のクオリティが上がっていて、レタッチをする人も以前に比べて増えています。自身でレタッチをするレイヤーさんも増えました。レタッチ無しでSNSにアップすることはほとんど無いと思います。何かしらのレタッチをみなさんしているのが現状ですね。

——えはらさんがオススメするソフトは?

「SILKYPIX JPEG Photography 9」です。JPEG専用の調整ソフトですが、価格が安くて、上位ソフト並みの機能を備えているので、コスパは抜群です。コスプレ写真をさらに納得いく作品に仕上げるための使い勝手のよい機能がしっかりあるので、とても気に入っています。月額制でなく買い切りというのも良いですね。

実践!コスプレ写真のスピードレタッチ

——ここからはえはらさんの作品を「SILKYPIX JPEG Photography 9」で調整してもらいます。今回はこちらの作品を仕上げていきましょう。

調整前
撮影:えはらあい(レイヤー:鳥海かう さん)
D810 / AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR / 62mm / マニュアル露出(1/160秒・F2.8) / ISO 160

コスプレ写真にはいろいろな考え方があるのですが、私はキャラクターが現実世界に存在しているイメージを考えています。個人的に重要なポイントとしては、 「色」「世界観」「美肌」 です。「SILKYPIX JPEG Photography 9」はこの3つを素早く的確に調整できます。

その前に、明るさを調整しておきましょう。露出補正で明るさを上げて、同時に白とびを防ぐためにハイライトを下げています。

まずは明るさを調整(露出補正など)
調整前
調整後

自分の考える「色」に

——ではその3つのポイントごとに説明をお願いします。

コスプレの元となるアニメやゲームの世界には、ぱりっとした色が多く見られます。3次元の光では再現が難しいような原色系の色を再現するため、私は「SILKYPIX JPEG Photography 9」の「ファインカラーコントローラ」をよく使います。

「ファインカラーコントローラ」の使い方は簡単です。変化させたい色をクリックして指定、するとその色だけを鮮やかにしたり明るくしたりできます。細かな設定ができるので一見複雑そうに見えますが実際に使ってみると初めての方でもスムーズに操作できます。

今回の被写体は赤色(衣装と紅葉の葉)が印象的なので、これを強調したいと思います。あわせてより赤が映えるよう、そのほかの色を抑えるため「彩度」を少し下げて落ち着きを出しました。

ファインカラーコントローラ
特定の色を調整できる「ファインカラーコントローラ」。赤色の彩度を上げることで、衣装と紅葉の葉を強調する。
調整前
調整後

全体の色味を調整したい場合は「ホワイトバランス」の「色温度」を使います。今回は温かみを出す方向で調整しましたので、これで秋っぽい感じになりました。キャラクターや作品の狙いによっては色温度を下げて青っぽくすることもあります。

色温度
色温度を7,150Kに変えて、画面全体の温かみを増してみた。
調整前
調整後

特定の色を強調する手法は、2次元の世界を再現するコスプレ写真にとってとても重要な調整といえます。「ファインカラーコントローラ」はこれを簡単にしてくれるのでとても気に入って使っています。

「世界観」を自分なりに再現

2つ目のキーワードは「世界観」です。自分の考える作品の世界観を写真に落とし込むには、いろんな方法が考えられます。

例えばここでは「レンズ収差補正」の中にある「シェーディング(周辺光量補正)」で被写体の周辺を暗くしてみます。一般的なポートレートでも使うテクニックですが、コスプレ写真でも主役となる被写体が強調され、全体的に絵がしまって格好良くなる効果もあります。

シェーディング(周辺光量)
周辺光量を下げることで、中央の被写体に目がいく作品に。
調整前
調整後

さらに「周辺ぼかし」で周りをぼかします。ぼけ具合を調整できるほか、四隅のどの辺りを中心にぼかしたいか、角度で調整することもできます。キットレンズなど背景がボケにくいレンズでは特に効果的です。

周辺ぼかし
画面の周辺を自然にぼかせる機能。ぼけの発生具合を思い通りにコントロールできる。明るいレンズの力でもともと周辺がぼけている作品だが、わずかにぼけを強くしてみた。
調整前
調整後

この作品ですが、撮影させていただいたレイヤーさんには手前にある紅葉の前ぼけが好評でした。その前ぼけを「周辺ぼかし」でさらに大きなぼけにすることで、レイヤーのキャラクター性を強調しています。赤色を強くしたこともあり、アニメの第1話のような「夜に神社でこのキャラクターと出会い、そこから不思議なストーリーが始まる」という世界を再現できたと思います。

「美肌処理」で2次元キャラにより近づく

最後に忘れてはいけないのは「美肌」です。2次元キャラに肌荒れはありません。もちろんメイクで肌をきれいにしていますが、少しでも現実感をなくして2次元のキャラクターに近づけるため、「美肌処理」を使います。この機能が優れもので、複雑になりがちな補正をより直感的に処理することができます。

画像を拡大して確認しながら「美肌処理」をちょうど良い値に調整します。今回は80程度にしました。写真にもよりますが、50以上を適用することが多いですね。髪の毛などに影響がある場合は少し下げます。

美肌処理
美肌処理後はモデルの鼻筋などの質感が滑らかになってる。SILKYPIXシリーズは、開発の初期段階から美肌処理に着目して、独自の美肌補正技術の開発を進めてきた。日本人特有の繊細なこだわりに技術が応えているといった機能だ。
処理前
処理後

美肌処理の「効果範囲」は基本的には「小」で大丈夫でしょう。実際のメイクには限界もあるので、より理想の作品に近づくために必須の機能といえます。また、必要に応じて「スポッティングツール」を使ってニキビなどを消すこともあります。

「SILKYPIX JPEG Photography 9」の「美肌処理」は優秀で、メイクでも隠せなかった肌のきめの粗さを本当にきれいに処理してくれます。2次元キャラになりきるコスプレ写真にとって、強い味方となる機能です。

より複雑な調整も

今回紹介した機能以外にも、このソフトにはさらに本格的な機能があります。

私がよく使うのが「部分補正」です。これは画面内の一部を選択して補正する機能になります。リップ、ウィッグ、カラコンといった、キャラクターの特徴を表す部分だけを調整できるので重宝しています。

まずは部分補正に入る前の基本的な調整です。露出補正プラス(少し明るく)、ホワイトバランス5,450K(少し青めに)、明瞭度-15(ファンタジックに)、彩度0.76(全体的な鮮やかさを抑えめに)、周辺光量減、美肌効果を適用しています。

基本調整
撮影:えはらあい(レイヤー:松竹ねじめ さん)

次に部分補正です。下の例では顔を選択し、明るく補正しました。

部分補正で顔を明るく

「補正色域の選択」を使えば、選択範囲内の特定の色だけを補正可能です。ファインカラーコントローラと違う点は、選択範囲外の色に調整が影響しないところです。

下の例ではコスプレで重要なアイテム、カラコンの色を強調してみました。

補正色域の選択肢でカラコンの色を強調

同じく「補正色域の選択」で唇と目元のメイクを色調整しました。同様にウィッグなどの色調整も可能です。

補正色域で唇と目元の色を調整

調整前
調整後

まとめ:「SILKYPIX JPEG Photography 9」でコスプレ写真を始めよう

——完成しました。確かにより2次元キャラ的になっていますね。周辺もファンタジーな雰囲気が増しています。

紹介した機能に加えて、露出補正、ハイライト補正などを加えて整えています。明るさ関連は最初に調整するのがオススメですね。とはいえ、調整にあたって重視したのは、やはり「色」「世界観」「美肌」になります。

調整前
調整後

注意点としては、撮影前にキャラクターをどう表現したいかというイメージをしっかり持っておくことが必要です。それが無いと良い作品にならないでしょう。レイヤーさんと撮る側がよく話し合っておくことも大切です。

——「SILKYPIX JPEG Photography 9」は、プロカメラマンもよく利用するRAW現像ソフト「SILKYPIX Developer Studio Pro9」のJPEG専用ソフトになるかと思いますが、JPEGでの編集は如何ですか?

確かにRAWデータから作品づくりを行う場合は「SILKYPIX Developer Studio Pro」がおすすめです。

ただし、元となる画像がJPEGの場合でも、このソフトでRAWデータに近い状態にできるので高画質な補正を行うことができます。また、私が考える必要な機能が揃っていて操作も簡単。今回紹介した機能以外にも多くの機能が用意されています。

サブスクリプションではなく買い切りなのもポイントでしょう。継続的にコストが掛からないので、衣装代にお金の掛かるレイヤーさんにとっては嬉しいのでは無いでしょうか。

コスプレ写真はレタッチ処理が欠かせないと言えます。操作や機能の名称もわかりやすいですし、自分でレタッチを行うレイヤーさんやレイヤーさんを撮るカメラマンさんにはぜひ「SILKYPIX JPEG Photography 9」を使って欲しいですね。ポイントを押さえて調整した作品をレイヤーさんに渡せば喜ばれますね。

「SILKYPIX JPEG Photography 9」を1,980円で入手できるキャンペーン実施中!

このページで使用した「SILKYPIX JPEG Photography 9」は、同社のプロ向けバージョンからRAW現像機能を省略し、JPEGの調整に特化した画像処理ソフト。現在キャンペーン中で通常価格5,500円が8月末まで1,980円となっています(いずれも税込)。

SILKYPIX JPEG Photography 9
https://silkypix.isl.co.jp/product/jp9/

協力:市川ソフトラボラトリー

武石修

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。