特別企画

話題の中国三脚「レオフォト」のこだわりが凄い!

高精度品に狙いを絞った新興ブランド 製作現場を見てきた

今年3月から日本でも販売が始まった中国レオフォト(Leofoto)の三脚が話題となっている。高い品質を始め、センターポールを無くすといった大胆な小型化策が日本のユーザーに受けているようだ。

そんなLeofoto製品のヒットの秘密を探るべく、中国は広東省に飛んだ。そこで見たのは世界最高を目指す姿勢と数多くのこだわりだった。

Tony Deng社長が獅子座であることから、Leoとfotoを合わせてレオフォトに。マークは目とファインダーの照準を組み合わせたもの。

社長のアイデアで次々と新製品を開発

レオフォトについてご存じない方も多いと思うので、まずこのブランドについて解説する。

レオフォトという名前で会社が設立されたのは2014年。比較的若いメーカーだが、それ以前はOEM元として三脚の製造を手がけていたとのことだ。

本社兼工場があるのは広東省の中山市。現在の従業員は約150名。そのうち設計、開発、生産管理などの先端役職が約20名である。ちなみに中山市は、三脚を始めカメラアクセサリーメーカーの工場が数多くある場所だ。

そんなレオフォトを率いるのは、34歳の若き社長Tony Dengさん。1男1女の父でもある。安徽工業大学を卒業後、三脚のOEM生産を手がける台湾のメーカーに就職。設計や生産管理の責任者を経て中国に戻り、レオフォトを設立した。

レオフォトのトップ、Tony Dengさん

Dengさんはレオフォトの強みを、「他社と違って若い開発部隊を持っている。それもただの技術者ではなく、写真に対して理解と熱意があるスタッフだ。そういう人材を中心に写真家からの要求に答えられるような環境で開発している。そして原材料にこだわり、最新の技術を投入している」と話す。

レオフォト製品の数々のアイデアは、Dengさんの発案によるものだ。「自分で考えて、気持ちを込めて作る。製品に関わるものはアイデアから品質まで自分で見なければ納得できない」(Dengさん)。別の同社スタッフはこれを「レオフォトの製品は彼の魂が入っている」と表現した。

本社併設のショールームには同社製品が一堂に並ぶ。
ショールームに飾られたこのプレートは、特許出願数や独自技術などが公的に認められ助成金が出ていることを表すもの。高い技術力の裏付けといえる。

工夫満載の三脚の数々

レオフォトは、アルミ削り出しのパーツを多用することで知られている。一般的にはコストの関係から、おなじアルミでも鋳造で作るられることが多い三脚の本体部分なども全て削り出しており、精度が良く衝撃にも強い作りとなっている。

それでは代表的な製品をいくつか採り上げて、そのこだわりを解説していこう。

三脚「LS-254C」

センターポールを無くすことで、収納時の体積を大幅に減らしたモデルがLSシリーズ。センターポールは便利だが、ブレの原因にもなるため使わないというユーザーも少なくない。

思い切ってセンターポールを無くせば、昨今流行の“トラベルタイプ”(脚を180度反転させて折りたたむタイプ)よりも小さく収納できるのだ。トラベルタイプと比べると収納時のコンパクトさがよくわかる。

左:LSシリーズ、右:一般的なトラベルタイプ。

なお、後付けのセンターポールがほとんどのLSシリーズに付属しているので、高さが必要な場合も安心だ。

このLSシリーズは、収納時のコンパクトさが重視されるアジア市場に向けたもの。Dengさんも、「ぜひ日本の皆様に使って欲しいシリーズです」と薦める。

三脚の本体部分は削り出しということで、まずエッジの立った外観が見た目にも美しい。脚の開脚もスムーズで、加工精度の高さを感じる。アルミの素材は7075と呼ばれる航空機用のものとのこと。アルマイト塗装をしているが、これも通常より堅いタイプだそうで傷が付きにくい。

レオフォトでは製品の精度を上げるため、アルマイト塗装後に、設計値通りになるようもう一度接合部分の切削を行っているそうだ。

本体部分のカメラネジの工夫として、1/4ネジの外側に押すと引っ込む3/8ネジがある。これによってどちらのネジの雲台でもそのまま装着できるのである。従来の三脚にあったネジ交換の手間がない。

また、本体と脚を繋ぐ部分には真鍮のワッシャがかませてある。これは本体および脚とは異種の素材とすることで摩耗を抑え、製品が長持ちするための工夫という。この「長持ち」というのもレオフォト製品のこだわりで、他にいろいろな部分が長持ちを考慮した設計となっている。

真鍮のワッシャ。

本体部分を裏側から見ると大胆に肉抜きされ、軽量化が図られていることがわかる。

開脚ロックの部品もアルミの削り出し品だ。

その脚ロック部品と本体部分が接する部分が平面になっているのもこだわった部分。他の三脚ではこの部分が曲面のため点で接触する製品が多い。面接触にすることでぐらつきが抑えられ、長持ちに繋がるとのことだ。

レオフォトの三脚はミニ三脚などを除いて全てカーボンパイプを採用しており、アルミ三脚は手がけていない。それだけにカーボンパイプにも強いこだわりを持っている。

パイプ自体は協力会社に外注しているとのことだが、ただ外注するのではなく、カーボンの原料をレオフォトが購入して、それを加工してもらっているという。「原料をコントロールできなければ良いものはできない」というDengさんの考えによるものだ。ちなみにカーボンの原料は日本の東レ製である。

カーボンは最多クラスの10層巻きで、外側から4層まではクロス巻きにして強度を高めているということだった。

なお、ロックナットのゴムも研究に研究を重ねて、高温の環境でもべたつきなどが出ない品種を選んでいるという。

またパイプのように稼働させる部分には、やはり長持ちのための工夫がある。一般的に現在のカーボンパイプには、空転防止の駒を止めるために穴が空いているのが一般的だが、これが円形だと摩耗によっていずれ空転が起きる場合があるという。

そのためレオフォトでは、この穴をオーバル型にすることで噛み合う面積を増やして摩耗に強くしている。

レオフォト三脚の駒の固定穴
他社三脚の駒の固定穴は丸形

さらに石突きの断面を見せてもらったが、レオフォトは内部がほとんど金属で、ゴムが少ないことがわかる。この方が重い機材を載せた際の微妙な構図の変化がなく使いやすいのだそうだ。こうした細かい工夫の積み重ねが品質の高さに繋がっているのだ。

またレオフォト三脚に共通した仕様として本体部分に1/4ネジがあり、オプションのアームで様々なアクセサリーを付けることができる。例えばスマホのホルダーを付ければ、スマホに無線で写真を転送しながらの撮影といったシーンで使いやすい。このアームやスマホホルダーも金属製だ。

三脚にはカラビナフックが付いた多機能工具が付属する。多くの三脚で六角レンチなどの工具が付属しているが、そのままだと持ち運びにくく無くしてしまったりするものだ。この多機能工具は1つにまとめてあるので、バッグにでも付けておけば持ち運びやすく、いつ脚のネジが緩んでも即座に対応できるから安心だ。

ところで、この形から気がついた方もいるかもしれないが、なんと栓抜きにもなるのである。こうした発想には全く感心するほかない。

ミニ三脚「MT-03」

ミニ三脚の最新モデルで、筆者も大注目のアイテムを見せてもらった。日本でも近日発売になる。

3段階の開脚ができるモデルで、似た製品は市場にあるが、このMT-03は中からもう1段脚が出てきて伸びるのが特徴だ。

そのため高さを稼げるほか、不整地でのセッティングもしやすいものとなっている。

スマホホルダーと組み合わせたところ。

さらに1つの脚に5つの1/4ネジ穴があり、オプションのアームを装着できる。例えばアームを2つの脚に付けて、その先にストロボやLEDライトを付けるとマクロ撮影時の多灯照明も容易に組めるというわけだ。

穴の数が多いので、アームで複数のカメラを載せたりアイデア次第でいろいろ活躍しそうである。これも本体部分や脚はアルミの削り出しという豪華さで、とても精密感を感じるプロダクトとなっている。

小さな三脚だが1本1本にシリアルナンバーまで入っており、ミニ三脚の決定版になるのではないかと思ったほどだ。

小型三脚「LS-223C」

比較的重い機材でローポジション撮影をしたい際などに便利な、高さを抑えた三脚である。

こうした小さなモデルでも、大きな三脚と同じパーツ、製法で作られている。分解モデルを見ると非常に多くのパーツで成り立っていることがわかる。

レベリングベース付き三脚「LS-284CEX」

ビデオ雲台向けの三脚で、本体部分にお椀型のレベラーを内蔵しているモデル。不整地で雲台を容易に水平にすることができる。

本格的な動画用三脚はハーフボールで水平が取れるのが普通だが、小型の三脚だとレベラーの部品が別売だったりして、以外とレベラー一体型は多くない。

レベラーの上に自由雲台を付ければ静止画用にも使えるので、この三脚なら動画、静止画両方に活用できそうだ。

またレオフォトは動画用雲台も手がけており、ここで見せてもらったBV-10は小型カメラ用の新モデルである。ミラーレスカメラなどでの動画撮影に最適とのことだ。

雲台へのこだわりも負けてない

雲台作りの頑なさも大変なものがある。

まず説明されたのは自由雲台のボール制作過程。ボールはプレス加工によって球形を作るわけだが、プレス工程を細かく分けることで密度の高いボールを作ることができるのだそうだ。

例えばこの形成工程の7つのサンプルだが、左から2番目の行程は省いて、いきなり左から3番目の形を作ることも可能だという。ところが、それをやると強度が落ちることから、工程が増えても(=コスト増)少しずつ成形する方法をとっているという。

ボールの断面を見ると内部も綺麗な形に仕上がっているのがわかる。研磨してアルマイト塗装をするとすべすべになる。

レオフォトでは次の写真の右側のように光沢のあるボールも試作している。従来の仕上げと性能には差は無いそうだが、ユーザーの好みで今後光沢タイプの導入も検討しているとのことだった。

大きなボールの断面も見せてもらったが、こちらの内部も綺麗な仕上がりだった。

次に雲台の本体側の製造工程サンプルを見た。こちらはアルミの削り出しである。このサイズだと削る時間も相応に掛かると思うが、それでも削り出しにこだわるのは三脚の本体と同様、精度と衝撃への強さを得るためだ。

こちらは筒型の別の雲台。パイプ状のアルミから削り出して作る。

こうして削り出したものは鋳造品に比べて薄く作ることができ、軽量化にも繋がっている。

次に分解パーツで実際の雲台のこだわりを見ていこう。

雲台「LH-40」

耐荷重25kgというレオフォトではミドルサイズの雲台だ。レオフォトでは基本的にアルカスイス互換のクイックシューシステムを採用している。

分解パーツを見ると非常に多くの部品で構成されていることがわかり、正に精密機器である。

Dengさんによると、この中で最も高価なパーツはボールに接触して固定するプラスチックの部品という。これがなぜ高価なのかといえば、レオフォトの要求に合うものが中国では作れず、米国のメーカーから買っているからとのこと。

米国製のパーツ

このパーツが良くないと摩耗によって固定力が落ちるという事で、雲台の命ともいえる部品だそうだ。ポリカーボネートの繊維が入った特殊な樹脂で、金属に負けない固さがあるという。相当時間を掛けて選定したパーツで、ロックを締めたときの感触にも関わることから妥協無く選んだという。部品1つ取っても大変なこだわがあるのだ。

雲台「NB-40」

こちらはテンション(トルク)調整ができるタイプの雲台。従来、指の腹で回すテンション調整のダイヤルがあったが、使いやすいものとはいえなかった。そこで、大きなツマミで確実にテンション調整をしやすくしている。

63個もののパーツが使われていて驚くが、他社は40個程度という。5つのピンでテンションかける方式で、コストは掛かるがユーザーの利便性を重視したとのことだ。

同社の雲台に使われている板バネは台湾製で、日本車メーカーにも部品を納めている会社のものを選んだ。またベアリングは日本精工(NSK)製を採用。「ベアリングは絶対に日本製がいい」とDengさんは言い切る。

台湾製の板バネ
日本精工製のベアリング

自前でも部品は揃えられそうに思うが、自国以外からも積極的に調達する姿勢は、最高品質を求めての事なのだと改めて感心した。

また、クイックシューを開くためのコイルバネは何十万回も力をかけてへたらないことを確認する。このバネが動かないとカメラが外せなくなったりするのでとても重要とのことだ。

「加工が良いのは当たり前だが、材料が重要。材料が良くなければも品質の保証はできない。これは自分の生産者としての経験から得たこと。ドイツのバイヤーなどは材質で納得してもらえている。材質や部品がダメだと製品もダメ。部品がちゃんと作れるかがチェックされる。ここまでのこだわりがなければ、良いものを作るのは遠いこと」(Dengさん)と、こだわりが半端ではないのである。

その他のアクセサリー類にも様々な工夫が見られる。

例えば、シュープレートはネジを緩めるとストッパーが出る、といった工夫もあった。これでカメラが不用意に回転することが防げる。

また、マクロ撮影用のスライダー(MP-150)といったアクセサリーも作っている。面白いのはクランク1回転で1mm動くというわかりやすい機構になっている点。アルカスイス互換のクイックシューに直接付くのも便利そうだ。

さらにレオフォトでは、各カメラ専用のブラケットや汎用のクランプアームなどもラインナップしている。

ギアを使った雲台など未発表製品も披露

新規性という点では先ほどミニ三脚を挙げたが、ギア動作による新型雲台も試作されていた。これまでとは異なる仕組みで固定部品を動かすという。軽量で重心が低い雲台が作れるそうだ。

また、開脚ロックが片手で行えるトラベル三脚の試作品も見せてもらった。これまでのようにロックツマミを引っぱる必要が無いので、迅速に脚を開くことができる。ツマミの形状が小さいので、従来のトラベル三脚よりもコンパクトに収納できるとのことだ。日本でもぜひ展開して行きたいとしている。

いざ工場へ!

製品を一通り見たところで、工場に案内された。工場は3階建てで1階と2階が製造、組立を、3階が設計室および倉庫となっている。

レオフォトではプラスチック部品は外注としているため、金型の自社製造などは行っていない。ただ、こちらもしっかりと材料を指定してパーツを納品してもらう体制を敷いている。

まずは金属の切削加工を行う場所を見せてもらった。削り出し部品にこだわるだけあって、マシニングセンタなどのCNC加工機が80台もある。実はこの工場以外にも加工拠点が2カ所あるそうだ。

こちらは円柱から削り出した三脚本体部分。次々とパーツができていく。

三脚の本体と脚パイプを繋ぐパーツ。これも削り出しで作る。

脚ロックの部品も削り出し。削られる部分の方が多いくらいで贅沢な作りだ。

こちらは、脚ロックの部品を研磨石と一緒にかき混ぜて面取りをするバレル研磨の様子。

この角棒は、先ほど紹介したミニ三脚MT-03の脚になるもの。小さな三脚の脚がこうしたアルミの塊から削り出しで作られるのは驚きだ。

MT-03の1段目の脚を加工したところ。この後、2段目脚を収納するための内部空間を削り出す。

内部をくり抜き、1/4ネジの穴を空けてMT-03の脚が完成する。

続いては組立のフロアを見た。こちらでは三脚、雲台の組立ほのか、パッケージングまでを行っている。

三脚のロックナットを電動ローラーで装着しているところ。

三脚本体の組立。3/8ネジが引っ込む構造なのでバネを入れる。

完成した三脚のパイプがスムーズに伸びるか、伸ばしたときに3本の脚が変に交差したりぶつかったりしないかといったテストを行う。

完成した三脚は1台ずつクリーニングを行う。

こちらはミニ三脚MT-03のクリーニング風景。

ロゴマークなどのレーザー焼き込みもこの工場で行う。

バッグに収納して袋詰め。

箱に入れて出荷を待つ。

雲台も分業で組み立てられてた。

雲台基部へのグリスの塗布。

シュープレートの脱落防止ネジはロボットで装着していく。

シュープレートにゴムを貼る作業。

動画用雲台もここで組み立てられている。

十分なテストも実施

三脚の品質に関わるテストも入念に行われる。次はその一例だ。

これは雲台の固定力を確認するテスト。雲台から20cm離れた場所に2kgの重りを吊す。10時間後に水準器を見て、数値に変化がなければ合格となる。

こちらはいわば冷凍庫。三脚を-20度で8時間冷却して動作確認を行う。

取り出してみると霜がびっしり付いた状態だが、パイプの伸縮や雲台の動作に問題は無かった。

世界トップのブランドを目指す

2017年のレオフォトの三脚の出荷台数は約6万台。出荷先の内訳は、欧州が40%、中国が25%、アメリカが15%、残りがアジア。早くから展開してた欧米では受け入れられているが、日本ではこれからといったところだ。

市場でのシェアは、「(アルミ三脚などを含む)三脚全体では低いが、カーボン三脚だけなら上から3、4番目。返品率やクレームが少ないのでナンバーワンと言いたい気持ちはある。日本のお客様に申し上げたいのは、レオフォトは絶対に品質は保証するということ。アフターサービスもしっかりやっていく」とDengさん。

ライバルは? とDengさんに聞けば、ズバリ「ジッツオとReally Right Stuff(RRS)」と即答。この2ブランドは目標でもあり、これらに並ぶ品質とブランド力を目指したいと語った。ちなみに動画用三脚ではザハトラーが目標とのこと。今後は会社の規模を大きくすることよりも、製品の質を上げることに注力していくとのことだ。

それでもゆくゆくはカーボン三脚でマンフロット、ベンロ、シルイのような規模を視野に入れているという。「三脚は伝統的なアイテムで変化が無いように見ても顧客の要望は多いし、自分のアイデアも沢山ある。さらに開発力を強化して目標に近づきたい」(Dengさん)。

Dengさんの座右の銘は「工匠精神」。「職人のわがままさを持ち、良いものを作りたかったら徹底的に追求する。それは絶対誰にも負けない」(Dengさん)。良いものを作るには、時にわがままも大切ということだろう。

一方趣味は登山。「最近は時間が無くて」というが、山の景色も自ら撮影するそうだ。その登山も写真家と一緒に行ったりして、プロとのコミュニケーションを大事にしている。写真家の友人も沢山いるそうで、製品を試作したらその人達に使ってもらって手直しをしてから製品化するという。最後まで本当にこだわり抜いていることがわかった。

取材を終えて

筆者がレオフォトの三脚を初めて見たのは、日本で初披露されたPHOTONEXT2017のワイドトレードブースだった。中国の三脚メーカーがここ数年で非常に品質を上げてきているのは承知しており、ちょっとやそっとの出来映えでは驚かないと思っていた。

だがレオフォトの製品を手にすると、これまで高品質といわれた中国のメーカーに比べても1つ上を行っているのではないかという実感があった。それは削り出し部品を始め、様々なこだわりが伝わってきたものなのだろう。

設計室では開発者が設計を進めていた。

取材も終盤のころDengさんに、「もうトップブランドに並ぶ品質があるのではないですか?」と尋ねた。

すると、「もっと皆さんに使ってもらうことでフィードバックが欲しい。それを受けてさらに品質を高めなければならない。ブランド力もまだまだ」と謙虚な言葉が返ってきた。

ユーザーに真摯に向き合う姿勢で臨めば、いずれトップブランドになるのも夢ではないのではと感じた。

レオフォトは高級志向がはっきりしており、Dengさんから「他社が低価格の三脚をどれだけ売っても気にしない。レオフォトはプロ向け三脚で勝負する」という言葉を取材中に何度も聞いた。

世界で最も厳しいといわれる日本の消費者に受け入れられるかは、レオフォト躍進の試金石になるだろう。レオフォトの製品がどれほどのものなのか、まずは店頭で手に取って確かめてみて欲しい。世界のトップブランドに並ぶクォリティなのかを判断するのはあなただからだ。

制作協力:株式会社ワイドトレード(Leofoto正規販売代理店)

本誌:武石修