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【新製品レビュー】パナソニックLUMIX DMC-G10

〜一眼レフライクな見た目のマイクロフォーサーズ機エントリーモデル
Reported by 大浦タケシ

 パナソニックからLUMIX DMC-G2の弟分としてLUMIX DMC-G10のリリースが開始された。本モデルは、海外でのリリースが先行しており、国内への投入が待たれていたものである。ラインナップは、標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.」を同梱するレンズキットのみ。価格はオープンプライス、量販店における実勢価格は6万6,000円前後となる。


G2と異なる装備

 まず何といっても、気になるのが上位機LUMIX DMC-G2との違いだろう。ボディのシェイプに関していえば、際立った違いは少ない。特に正面から見たときは、カメラ名のロゴが異なり、「AVCHD Lite 」と「HD」のロゴがないだけである。シルエットでは見分けはまったくつかないといえる。

 カメラ上部に目を移すと、DMC-G2では被写体の位置や数に応じてピントの合わせ方を選択するオートフォーカスモード選択ダイヤルだったものがフォーカスモードダイヤルとなり、動画撮影ボタンが廃止されている(オートフォーカスモード選択は十字キーへ移動し、動画撮影ボタンはシャッターボタンと兼用となる)。

 カメラ背面部では、液晶モニターが固定式となったことでヒンジ部が無くなったこと、アイピースが一回りコンパクトとなったところが違いとなる。また、ファインダーを覗くと液晶モニターが自動消灯するアイセンサーも廃止されているが、遠目にはその差異は見分けにくい。ボディ寸法は両モデルとも同じで124×83.6×74mm。重量はボディ単体でDMC-G2が371gあるのに対し、DMC-G10は336gと軽くなっている。

 撮影に関わる部分、いわゆるカメラ部についても違いはほとんどない。4,000分の1秒の最高シャッタースピードもISO6400の最高感度も同じ。マイカラーモードやアドバンスシーンモードの内容も同じだ。もちろん4/3インチ有効1,210万画素Live MOSのイメージセンサーも同一のものである。

 唯一の大きな違いといえるのが、動画撮影機能で、DMC-G2ではAVCHD Liteでの記録も可能であったが、DMC-G10ではMotion JPEGのみとなる。ただ、汎用性や使い勝手などからいえば、Motion JPEGのほうがまだまだ上回ることが多いので、このクラスのカメラを使うユーザーの使い方を考えればさほど影響するものではないかもしれない。

 際立った違いが見受けられるのが液晶モニターとEVFまわりだ。液晶モニターは3型46万ドットとスペック的に変わりがないが、DMC-G2の売りであったタッチパネルは省略されているほか、フリーアングル機構が廃止され固定式となる。タッチパネルについては、カメラ背面にダイヤル、ボタン類が設置できないなどの理由で採用していたわけではないので、廃止による操作感の低下を感じるようなことはほとんどないはずだ。むしろ、個人的には、液晶パネルをタッチするとシャッターの切れるタッチシャッター機能には手ブレの可能性から疑問に思うこともあったので、省略されたことに内心ホッとしている。また、固定式になったことについても、使い方によって異なることはあるものの、液晶モニターの視野角が広くさほど不満に思うようなことは少ないだろう。

 EVFは、同じフィールドシーケンシャル方式ながらDMC-G2の144万ドットから20.2万ドットとデチューンされている。解像感では当然のことながら見劣りしてしまうものの、通常使用するには支障のないレベル。手ブレを少しでも抑えたいような条件での撮影や、望遠レンズを使用した際などやはり心強い。液晶モニターでの撮影に重きをおくのであれば、DMC-G10で不足を感じることはないといえる。

DMC-G2と同じ有効1,210万画素Live MOSセンサーを搭載する。最高感度はISO6400を実現する 液晶モニターは3型46万ドットとスペック的にDMC-G2と変わらないが、固定タイプでタッチパネルも省略されている
EVFは20.2万ドットと、一般的なスペックとなる。アイピースも一回り小さくなっている。アイセンサーは未搭載 コマンドダイヤルは背面部のみに備わる。他のGシリーズ同様、ダイヤルを押し込むことで、設定する項目の変更ができる
カメラ右上部は、動画撮影ボタンが無くすっきりとした。静止画メインであれば、こちらのほうが不用意に押すことがなく使い勝手はよい カメラ左上部のダイヤルは、先代のLUMIX DMC-G1と同じくフォーカスモード選択ダイヤルとなる

 基本的な操作に関しては、DMC-G2と同じだ。カメラ背面部のコマンドダイヤルは、撮影時にプッシュすることで、露出設定もしくは露出補正に切り換わり直感的で素早い操作を可能とする。「おまかせiAモード」ボタンも独立しているため、ほかの撮影モードに設定した状態でも、素早く同モードに切り替えることができる。設定中はボタンの縁が青く点灯するのも分かりやすい。液晶モニターまたはEVFに絞りとシャッタースピードの組み合わせが一目で把握できる露出メーターを表示するのもDMC-G2と同様で、エントリーユーザーには便利に思えるところ。ただし、撮影の設定状態が一目で把握でき、変更の操作もできるLCD撮影情報画面機能が未搭載なのは残念に思える。

 付属するレンズは、DMC-G2のレンズキットと同じLUMIX G VARIO14〜42mmF3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.だ。光学式手ブレ補正機能は搭載されているものの、ON/OFFスイッチの類いは省略され(手ブレ補正のON/OFFなどはカメラ側から行なえる)、マウントもプラスチック製となるなど簡略化されている。レンズ単体の重量は165gで軽量に仕上がっている。得られる描写は、周辺部の画像の流れや光量の低下、色のにじみなどまったくないわけではないが、クラスを考えると不足のないもの。逆光にも比較的強く、ゴーストやフレアはよく抑えられているように思えた。

カードスロットはバッテリー室に備わる。使用メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカードのほか、アダプターによりminiSD/microSDHC/microSD/にも対応する キットとして付属するレンズは、DMC-G2のレンズキットと同じLUMIX G VARIO14〜42mmF3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.となる
DMC-G2に搭載される「I.R超解像」機能を搭載。より高い解像感や色再現性が得られる 「暗部補正」はダイナミックレンジを拡大する機能だ。穏やかな効果で、自然な仕上りが得られる
シーンモードは夕焼け/パーティ/赤ちゃん1・2/ペット/背景ボケを備える。ちなみに、撮影モードダイヤルにはアドバンスシーンモードとして人物/風景/スポーツ/クローズアップ/夜景&人物を備えている シーンモードのガイド機能
動画記録の設定画面。720pでのMotion JPEG記録に対応

GF1にするかG10にするか

 位置付け的にDMC-G10はDMC-G2の下位機種である。しかし、そうなるとLUMIX DMC-GF1との関係が今度は気になる。スペックの違いとしては、DMC-GF1がAVCHD Liteでの動画撮影ができるほかEVFが未搭載であることぐらい(別売ながらDMC-G10と同じスペックのEVFが用意されている)。パンケーキレンズのLUMIX G 20mmF1.7 ASPH.とDMC-GF1のキットなら、店頭でのプライスはこちらが安く、パナソニックのミラーレスモデルの購入を考えているユーザーのなかには悩む者もいるはずである。

 あくまでも個人的な見解だが、コンパクトモデルに近いスタイリッシュなフォルムが好きなユーザーにはDMC-GF1、ファインダーを内蔵し、いわゆる一眼レフに近いシェイプ、操作性を好むのであればDMC-G10となるだろう。

 ただ、DMC-G10がDMC-GF1に敵わないのがボディのカラーバリエーション。DMC-GF1がホワイト、レッド、ブラック、ピンク、シルバーの5色が揃っているのに対し、DMC-G10はブラックの1色のみ。エントリークラスのユーザーへの訴求に対し、少々淋しく思えるのは私ばかりではないはずだ。


実写サンプル

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、別ウィンドウで800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。

・超解像

※共通設定:DMC-G10 / LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約5.2MB〜約5.5MB / 3,000×4,000 / 1/200秒 / F8 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 25mm
超解像:オフ 超解像:弱
超解像:中 超解像:強

・暗部補正

※共通設定:DMC-G10 / LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約4.1MB〜約5.0MB / 4,000×3,000 / 1/250秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 16mm
暗部補正:オフ 暗部補正:弱
暗部補正:中 暗部補正:強

・感度

※共通設定:DMC-G10 / LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約4.2MB〜約5.7MB / 4,000×3,000 / 1/5秒〜約1/320秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 42mm
ISO100 ISO200 ISO400
ISO800 ISO1600 ISO3200
ISO6400    

・フィルムモード

※共通設定:DMC-G10 / LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約1.9MB〜約3.7MB / 4,000×3,000 / 1/2秒 / F8 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 42mm
スタンダード ダイナミック スムーズ
ノスタルジック バイブラント スタンダードB&W
ダイナミックB&W スムーズB&W  

・歪曲収差(LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.)

広角端(絞り開放)
DMC-G10 / LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約5.2MB / 4,000×3,000 / 1/50秒 / F3.5 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 14mm
広角端(F5.6)DMC-G10 / LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約5.5MB / 4,000×3,000 / 1/20秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 14mm
望遠端
DMC-G10 / LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約5.5MB / 4,000×3,000 / 1/20秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 42mm

・そのほか

DMC-G10 / LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約5.5MB / 4,000×3,000 / 1/320秒 / F9 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 42mm DMC-G10 / LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約5.1MB / 4,000×3,000 / 1/320秒 / F8 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 42mm
DMC-G10 / LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約5.1MB / 4,000×3,000 / 1/320秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 42mm DMC-G10 / LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約5.3MB / 3,000×4,000 / 1/100秒 / F4.1 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 18mm
DMC-G10 / LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約5.8MB / 3,000×4,000 / 1/60秒 / F3.5 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 14mm DMC-G10 / LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約5.7MB / 3,000×4,000 / 1/80秒 / F5.6 / +0.7EV / ISO250 / WB:オート / 42mm
DMC-G10 / LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約3.8MB / 4,000×3,000 / 1/250秒 / F3.5 / +0.7EV / ISO100 / WB:オート / 14mm


大浦タケシ
(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。

2010/7/7 00:00