新製品レビュー

ユーエヌ マイクロフォーサーズ用リアキャップ温湿度計付き

“レンズキャップにメーター”の衝撃

なんともユニークなカメラ用品が登場した。ユーエヌの温湿度計付きリアキャップ「UNX-8595」のことである。発表を告げた当サイト記事のツイートも大いに盛り上がり、好意的なコメントが並んでいたのが印象的だった。今回、実機をお借りすることができたので、そのディテールに迫ってみたい。

このアイテムは、レンズのリアキャップに温湿度計が付いたというものだ。ラインナップはマイクロフォーサーズ用のみ。直販サイト限定販売で税込1,980円となっている。電池は不要。

このアイテムをリアキャップとして付けておくことで、保管時や撮影場所での温度や湿度を把握することができるわけだ。

レンズ側は、一般的なレンズキャップそのものだ。

実際にレンズに装着してみると、はまり具合も問題無かった。

温湿度計を組み込んでいるということで、厚みは普通のキャップの倍以上はある。2014年にユーエヌが発売した「マイクロフォーサーズ用Wリアキャップ」から派生した製品とのことで、その出自を聞けば、この厚みもなるほどと腑に落ちる。

オリンパス純正のリアキャップと比べるとこの通り。

果たしてこのアイテムの存在意義とは何か思考してみると……特に湿度はカビの発生に関わるため、常に見ておくことは意味がある。例えば、机の上に置いてあるレンズの湿度計を見て、高湿度だったら防湿庫にしまおうといった判断もできよう。

また、防湿庫が無い場合でも大きなタッパーのような容器に乾燥剤とともに機材を入れておくとき、やはり湿度を監視できるのはメリットになる。

一方温度計はどうかというと、レンズにおいて湿度計ほど重要ではない気もする。しかし一例として、夏にエアコンの効いた部屋から外に出るとレンズが結露する。こういう場合にあらかじめ温度を知っておけば、急に曇って何も撮れないなんてことを防げるかも知れない。

温度計の範囲は-25度〜55度。寒冷地でも対応できそうだ。1目盛で1度となっている。湿度計は20%〜100%。こちらは1目盛で2%だ。ちなみにカメラやレンズの保管に適した湿度は、30%〜50%程度とされる。

特に屋外では温湿度計を別に持っていくのも面倒だし、レンズキャップと一体になっていれば確かに便利だろう。アイデア次第で色々と活用の場面もありそうだ。

武石修

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。