新製品レビュー

Litra torch 2.0

滑らかな光が特徴のポケットに収まるLEDライト

コンパクトなLED光源はあると便利だ。ちょっと光を足したいときや、モノブロックストロボを持ち込めない場所で光を当てたいとき、もしくはごくごく軽量装備時の保険になるときもあって、ひとつは持っておきたいアイテムだ。

以前にイワタテクノロジーリミテッド「Genius Light GL-01」をチェックしたが、今回は「Litra torch 2.0」を購入したので、そのインプレッションをお送りする。なお読み方はリトラトーチ。しばらくライトラトーチと読んでいたなど。

ポケットサイズながら高い堅牢性が特徴

Litra torch 2.0は、Litra torchの性能向上版になる。サイズは38mm×38mm、重量90g。ポケットやカバンの端にひょいっと入れておけるサイズは変わらずだ。

Litra torch 2.0

MIL Spec 810G規格に対応する堅牢性に加えて、耐水性能20mと前モデル以上に使用できるシーンを増やしている。購入以降、70cm〜1mくらいの高さから落とすことが幾度もあったが、とくに問題は生じていない。

充電は底面にあるゴムキャップを外すと、microUSBポートがあり、それを利用する。いちおう充電しながら点灯可能だった。

また背面にはマグネットを内蔵しており、利便性を高めている。

付属品はカメラマウント、ディフューザー、マジックマウント、ベルトクリップ、GoPro 1/4 20フィンガーマウント、USBケーブル。

ディフューザーは仕上がりがよく、出番は多いだろう。ただ携行用ポーチ類がないとロストしそうなので、その辺の対策は必要だ。

左が通常の状態、右が付属ディフューザーを使用したもの。

光源はLEDが8基だったLitra torchから、Litra torch 2.0では16基に増加している。色温度は固定で5,700K、CRI90+、照射角70度というスペック。デジタルカメラでだけでなく、ビデオやアクションカムも考えると、この照射角はちょうどいいと判断する人が多いのではないだろうか。

防水性能の確認がてら、水中で照射角を確認してみたもの。

1灯でも十分な光量がある

天板部にあるスイッチを押すごとに定常光で明るさがLevel1:100lm(バッテリーライフ4時間)、Level2:450lm(70分)、Level3:800lm(35分)の3段階で切り替わるほか、点滅光モードしてLevel4:2,200lm(7時間)もある。

写真を見てもわかるように中心部がないため、ホットスポットが存在せず、滑らかな光は扱いやすい。操作時の注意点はほとんどないのだが、800lm時には本体がそれなりに熱を放つ。火傷するほどではないが、露骨に熱さを感じる温度になるため、長時間の点灯の場合の配慮は必要になる。

実際に使用してみると、800lm時は1灯でもカベバン・テンバンで室内に十分な配光を行なえるのは便利である。2灯であればよりライティングは楽になるだろう。加えて、室内でも天井ギリギリに設置しやすく、高さを稼ぎやすいというのも、この形状ならではだ。

またスポット光的にグリッドがなくても使えそうなイメージだが、暗所はOKとして他に光源がある場合では思ったほどの効果を得られなかった。サイズ的にグリッドの自作はしやすいほか、既存のグリッド用製品を利用するのもやりやすく、DIY的なアプローチが好きな人にも向くだろう。

人物撮影時はひと工夫を

無機物相手にはいいのだが、人間や動物などへの直射はあまり推奨されていない。イメージビジョン株式会社のサイト上でも、近距離または長時間にわたっての照射は網膜へのダメージが生じる可能性ありと記載されている。

そのため、被写体の視界内に入る位置に設置する際は、付属のディフューザーに加えて、さらになにかしらのディフューザーを追加したほうがいい。現地改修として、コンビニ袋やトレーシングペーパーを利用することが多くあった。

3mほど光源を離した状態で使用してみたもの。モデルさん曰く「けっこう眩しい」。

まとめ

場合によってはメインにもなる超コンパクトな光源だが、主にサブでの運用が増えている。ストロボ/モノブロックとの組み合わせもやりやすいWBであり、冒頭でも触れたように1つ持っておくだけで、保険として役立つシーンが増えるだろう。

フレキシブルな三脚を利用して三脚に取り付けたときのもの。画面下にあるのがLitra torch 2.0。
出張先で小物の撮影があるときは、イワタテクノロジーリミテッド「Genius Light GL-01」とセットで活躍している。

またふらっと出かける際にも邪魔にならず、取材時にはとりあえずカバンに入れている存在になっている。

桜にLevel3で当ててみた。ASUSのキャンペーンに参加がてらのテストだった。
物質・材料研究機構(NIMS)で水中で燃焼し続ける花火を撮影した際にもLitra torch 2.0を使用した。
水槽内で光っているのがLitra torch 2.0。

実機をハンズオンできる量販店がいくつかあったので、店頭で見かけたらチェックしてみよう。

林佑樹

ライター・フォトグラファー。ライター方面はPCやスマホなどの通電モノのほか、ゲーム方面も。写真方面は研究所や研究室、機器の撮影が多めなわりに、ドラマのスチルなども請負中。夏コミのウスイ研究所写真集はメロンブックスとCOMIC ZINに転がっています。