OLYMPUS PEN E-P3【第4回】

雪まつり会場でEye-Fiのジオタグを試してみた

Reported by 北村智史


 遊んでたわけではないのだけれど、前回からずいぶん間が開いてしまった。気がつけば暦は春でCP+には新機種のOM-D E-M5なんてのが姿を見せていたりする。大変だこりゃ。

 それはそうと、「第63回さっぽろ雪まつり」に行ってきた。言わずと知れた冬の北海道の名物イベントで、道内、国内はもちろん、海外からも大勢の観光客がやってくる。ちなみに、去年は241万6,000人が訪れたのだそうな。けっこうすごいです。が、この雪まつり、期間が実はとても短い。今年は2月の6日から12日まで。たったの1週間しかないのである。1か月ぐらいはやってるもんだって勝手に思い込んでたんですけどね。だって、あんなでっかい雪像作るくせに。なんてもったいない、って思ってしまう。

 まあ、そのへんの話はどうでもよくて、雪まつりの会場でEye-Fiのジオタグ機能を使ってみた、というのが今回のお題である。ご存じのとおり、E-P3から正式にEye-Fiに対応した。最初のファームウェアではちょっと動作が不安定なところがあったが、ファームウェアVer. 1.1(去年の10月に公開されたもの)にアップデートすることで「Eye-Fiカード使用時にAFターゲットが表示されない現象」が修正された。

E-P3から正式にEye-Fi対応。筆者のは容量8GBでRAW対応のEye-Fi Pro X2であるカスタムメニューの「Eye-Fi設定」。これを「On」にしておくと、ワイヤレスでの画像転送などが有効になる
これはパソコンへの取り込み中の画面
アップルApertureでのマップ表示。公園だと電波が拾えないからだろう、かなりおおざっぱな位置情報しか得られないこちらはAdobe Photoshop Lightroom 4パブリックベータの画面。新しくマップ表示ができるようになった
会場じゃないところでも撮ってることになってる。何が原因かは不明ですが名古屋には行ってません。もしかして、通りすがりの人が持ってたモバイルWi-Fiルーターに影響されてる可能性ありかも

 Eye-Fiの普通の使い方については、もうすでにいろんな方がリポートされているので、今さらここで付け加えることもないだろう。ただ、無線LANルーターとかの置き場所に気をつけないといけないことは触れておきたい。我が家はなんと無料で使える光ファイバー導入物件で(メアドを取得するのにプロバイダ契約はしているが)、壁のLAN端子にケーブルつなぐだけでOKなのである。

 で、最初は無線LANルーターをテレビ台の後ろに隠していたのだが、とてもじゃないが「こりゃあ使いもんにならんなぁ」というレベルだった。でも、もしかしたらホームエレクターが邪魔してるんじゃないかと思いついて、無線LANルーターをテレビ台の前に引っ張り出してみたら、あきれるぐらいに速くなってくれた。正確な数字は覚えていないが、たしか5倍どころじゃないぐらいにスピードに差があった。結局、長いEthernetケーブル買ってきて、無線LANルーターはデスクスペースにまで移動させてしまった。正直、無線LANのメリットあんまりない状態でありますね。そういうわけなので、Eye-Fi使っててなんかスピードが遅いなぁと感じているなら、無線LANルーターの位置を変えてみるといいかもしれない。

 あと、ちょっと気になったのが、起動時にWi-Fiの電波を調べに行くからだろう、モニターが点灯してからアクセスランプの点滅が消えるまで少し時間がかかる。点滅しているあいだはシャッターが切れないので、急いでるときだとちょっとイライラするかもしれない。このあたりはもっと改善してもらいたいなぁと思う。

 さて、Eye-Fiのジオタグ機能は、GPSを使っていない。衛星から情報をもらうのではなくて、近傍の無線LANの電波を拾って位置情報を得ている。アクセス権のある無線LANじゃなくてもいいので、電波がいっぱいある場所ならどこででも利用できるのが強みだ。

 ただ、会場が公園なだけに拾える電波は多くない。実際、かなりおおざっぱな位置情報しか得られなかったわけで、そのあたりはいたしかたないところだし、衛星から情報を得られるGPSに譲る部分だろうと思う。もしかしたら、普通の住宅街のほうが拾える電波は多そうな気がするので、街中スナップとかで再チャレンジしてみようかと考えている。

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台湾の「故宮博物館」。これは雪像じゃなくて氷像。夜はきれいそう。E-P3 / LUMIX G 20mm F1.7 / 4,032×2,688 / F3.2 / 1/2,000秒 / 1.3EV / WB:晴天 / 20mmインド「タージ・マハル」。高さは18mあるそうな。日本とインドの旗が掲げられていた。E-P3 / LUMIX G 20mm F1.7 / 4,032×2,688 / F3.2 / 1/2500秒 / 1.3EV / WB:晴天 / 20mm
「タージ・マハル」。ディテールへのこだわりがすごいです。E-P3 / M. ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / F2.2 / 1/800秒 / 1.0EV / WB:晴天 / 45mm会津若松市「鶴ヶ城」。完成度高かった。E-P3 / M. ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / F4 / 1/2500秒 / 0.3EV / WB:晴天 / 45mm
これでだいたい高さ15mぐらい。大きい雪像は、クレーンやらパワーショベルやらを使ってほぼ1か月がかりで作るらしい。E-P3 / M. ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6 / 4,032×2,688 / F4 / 1/800秒 / 1.0EV / WB:晴天 / 9mm雪像づくりにいちばん頑張ってたのが陸上自衛隊の方々。「鶴ヶ城」だとダンプカー1,224台分の雪を使ってるんだそうな。E-P3 / LUMIX G 20mm F1.7 / 4,032×2,688 / F3.2 / 1/1600秒 / 1.0EV / WB:晴天 / 20mm
雪像は大きいのだけじゃなくて、こういう小さいのもある。E-P3 / M. ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / F2.8 / 1/1600秒 / 1.0EV / WB:晴天 / 45mm澤穂希選手であるらしい。E-P3 / LUMIX G 20mm F1.7 / 4,032×2,688 / F3.2 / 1/1250秒 / 1.0EV / WB:晴天 / 20mm
札幌生まれのゆるキャラたちです。E-P3 / M. ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / F2 / 1/4000秒 / 1.0EV / WB:晴天 / 45mm「国際雪像コンクール」というのも開催されていて、こちらはまだ制作途中だったりした。これはインドチームの「CLIMATE CHANGE / 気候変動」という作品。E-P3 / LUMIX G 20mm F1.7 / 4,032×2,688 / F2.8 / 1/2500秒 / 0.7EV / WB:晴天 / 20mm
ハワイチームの「FUN IN THE SUN / 太陽の下の楽しみ」はサーフィンを楽しむヤモリがモチーフ。E-P3 / LUMIX G 20mm F1.7 / 4,032×2,688 / F4 / 1/3200秒 / 0.7EV / WB:晴天 / 20mmマレーシアチームの「The Leatherback Turtle / オサガメ」。オサガメというのは最大のウミガメなのだそうな。E-P3 / LUMIX G 20mm F1.7 / 4,032×2,688 / F4 / 1/3200秒 / 0.7EV / WB:晴天 / 20mm
いまいち意味がわからない「jangseung」は韓国チームの作品。E-P3 / M. ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / F3.2 / 1/1600秒 / 1.0EV / WB:晴天 / 45mm台湾チームの「Taipei 101」。後ろに壁を付けるのは、気温が上がって雪がゆるんでも崩れたりしないようにという工夫らしい。E-P3 / LUMIX G 20mm F1.7 / 4,032×2,688 / F4 / 1/2500秒 / 0.7EV / WB:晴天 / 20mm
タイチームの「Manohra / マノーラ」。雪像ができあがっていく過程を間近から見られるのもおもしろい体験。E-P3 / M. ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / F2.8 / 1/1250秒 / 0.7EV / WB:晴天 / 45mm「Chasing day and night / 昼と夜の追いかけっこ」を制作中のフィンランドチームのスタッフ。髪型が斬新すぎ。E-P3 / M. ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / F3.2 / 1/1250秒 / 0.7EV / WB:晴天 / 45mm
喫煙所は氷で囲われてる。空気清浄機付きのプレハブのもあったけど。E-P3 / LUMIX G 20mm F1.7 / 4,032×2,688 / F2.8 / 1/1600秒 / 0.3EV / WB:晴天 / 20mmいろんなお店が出てるのを眺めるのも楽しい。みんな素通りしてたけど、この長靴はまじで欲しいと思った品。E-P3 / LUMIX G 20mm F1.7 / 4,032×2,688 / F3.2 / 1/200秒 / 0.7EV / WB:晴天 / 20mm
海外からの観光客が「Oh... Strongest」とか言いながら写真撮ってた。液晶モニターが1.5型ぐらいだったのに目が点になった。E-P3 / LUMIX G 20mm F1.7 / 4,032×2,688 / F3.2 / 1/500秒 / 0.3EV / WB:晴天 / 20mm


北村智史
北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら

2012/2/15 00:00