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ペンタックスK-x【第2回】

高感度をK-7と比較する

Reported by 本誌:関根慎一


DA 17-70mm F4 AL [IF] SDMを装着したK-x

 K-xでよく聞く評判のひとつに、「エントリークラスの割に高感度耐性が強い」というものがある。筆者もK-xを購入して以来、主に取材用途で使っているが、確かにそう思うことは多々ある。具体的には、照明の暗い場所で行なうイベント取材やストロボの使えない場面で、ISO1600くらいまでは増感して、そのまま「使える」画像が得られる程度と感じている。

 K-7でも同じことをしたことがあるが、高感度域のディティール再現に関して、筆者の主観では、K-xの方がきれいに残る気がしていた。

 K-xを購入して以来、そろそろ4カ月以上経ってしまっているが、そういえば両者の高感度画像をきちんと比べたことはなかったので、今回はK-xとK-7で同じ夜景を撮り比べ、高感度の描写を比較したいと思う。

 比較をするうえでポイントとしたのは、ディティールの再現性。高感度域でどれだけディティールを維持しているかという点と、ノイズリダクションのかかり具合によるディティールの変化に着目した。

 カメラ設定は、両者とも可能な限り共通とした。関連項目の設定内容は下記の通り。2機種のそれぞれで、高感度NR「オフ」、「弱」、「中」、「強」の順で撮影した。

 なお実写に際しては、三脚で位置を固定し、クイックシューを使ってボディを交換した。画角の位置合わせは行なっていない。また、K-xとK-7のCMOSセンサーは製造元、画素数、センサーサイズがそれぞれ異なる。K-xのセンサーはソニー製で、画素数は有効約1,240万画素、センサーサイズは23.6×15.8mm。K-7のセンサーはサムスン製で、画素数は有効約1,460万画素、センサーサイズは23.4×15.6mm。実写は同一個体のレンズで同じ焦点距離を使用したが、両者で撮影した画像は、まったく同じ色味や構図ではないことをあらかじめおことわりしておく。

  • ISO感度ステップ:1EVステップ
  • 拡張感度:オン
  • 長秒時NR:オフ
  • 高感度NR開始感度:ISO400
  • カスタムイメージ:ナチュラル(シャープネスのみ+1)

実写サンプル

※サムネイル(元画像から等倍で切り出したものです)をクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウインドウで表示します。

共通設定
K-x:DA 17-70mm F4 AL [IF] SDM / 4,288×2,848 / F8 / 0EV / WB:太陽光 / 70mm
K-7:DA 17-70mm F4 AL [IF] SDM / 4,672×3,104 / F8 / 0EV / WB:太陽光 / 70mm
元画像の一例(K-x) 元画像の一例(K-7)

●ISO100およびISO200

K-x(ISO100) K-7(ISO100)
K-x(ISO200) K-7(ISO200)

●高感度NR:オフ

K-x(ISO400) K-7(ISO400)
K-x(ISO800) K-7(ISO800)
K-x(ISO1600) K-7(ISO1600)
K-x(ISO3200) K-7(ISO3200)
K-x(ISO6400) K-7(ISO6400)
K-x(ISO12800)

●高感度NR:弱

K-x(ISO400) K-7(ISO400)
K-x(ISO800) K-7(ISO800)
K-x(ISO1600) K-7(ISO1600)
K-x(ISO3200) K-7(ISO3200)
K-x(ISO6400) K-7(ISO6400)
K-x(ISO12800)

●高感度NR:中

K-x(ISO400) K-7(ISO400)
K-x(ISO800) K-7(ISO800)
K-x(ISO1600) K-7(ISO1600)
K-x(ISO3200) K-7(ISO3200)
K-x(ISO6400) K-7(ISO6400)
K-x(ISO12800)

●高感度NR:強

K-x(ISO400) K-7(ISO400)
K-x(ISO800) K-7(ISO800)
K-x(ISO1600) K-7(ISO1600)
K-x(ISO3200) K-7(ISO3200)
K-x(ISO6400) K-7(ISO6400)
K-x(ISO12800)

 K-xに比べてK-7の方が画素数が多いこともあり、ISO800まではK-7の方が解像感は高く思える。しかし、ISO1600以上になるとその印象は逆転し、K-xの方が輪郭を保っているように見える。感度が高くなるほどこの傾向は顕著になり、同じ感度であれば、特に明暗差が低い部分の解像感は、K-xの方が明らかに高い。

 両者の「高感度NR」に目を向けてみる。同じ感度でNRをかけた作例とオフの作例を見比べると、NRをかける前には消失していた部分のディティールを補間しているように思えた。ただし、効果をより強くかけるに従い、ディティールは「ねむい」表現になっていく。

 今回、高感度域のディティールに注目して作例を見比べてみたわけだが、筆者個人の感覚としては、K-xの高感度性能は、K-7と比べて1段分高いように感じられた。

 またNRに関しては、思っていたよりもディティールの消失はなく、高感度で撮影する場合は、有効にした方がむしろ見かけ上の解像感は改善するのではないかとも思えた。個人的には「弱」くらいが丁度良い感じだ。

 上記を踏まえて仕事で使うときの使い分けに活かすとすれば、照明が蛍光灯の室内といった「少し暗いかな」という程度の照明条件であればK-7で対処し、照明を落とした発表会場での取材や、暗いレンズしかないが、さらに絞りたいなどの条件であれば、K-xを使うといったところ。K-xとK-7の高感度描写を比較して、それぞれのカメラの高感度で対処できる具体的な数値が分かったのは、個人的に大きな収穫だったと思う。





本誌:関根慎一

2010/4/22 11:39