アイファイジャパン「Eye-Fi Share Video」

動画の転送に対応した無線LAN内蔵SDメモリーカード

Eye-Fi Share Video

 無線LAN内蔵のSDHCメモリーカード「Eye-Fi Share Video」(9,980円)が4月に発売された。

 2008年12月に発売された「Eye-Fi Share」との主な違いは、容量が2GBから4GBに増量した点。それに伴い、Eye-Fi Shareの価格も9,980円から7,980円に引き下げられた。機能面のアップデートとしては、アップロード先に動画共有サイトを指定できるようになったのが最も大きな追加要素だろう。最近はデジタル一眼レフカメラのみならず、コンパクトデジタルカメラでもHD動画の撮影が可能な機種が増えているので、既に活用している人もいることと思う。

 このほか、無線LAN設定の追加、Eye-Fiサーバー経由でのPCへの画像転送、単一のアカウントで複数枚のEye-Fi管理が可能になるなど、主にネットワーク関連で利便性の向上が図られている。対応する無線LANの規格はIEEE 802.11b/g。

 各種設定は従来通り、ブラウザベースの「Eye-Fi Manager」で行なう。動画共有サイトの設定は、写真共有サイトの場合と同様にログイン情報を入力する形式で、従来からのEye-Fiユーザーならば特に迷うことはないだろう。

容量以外の違いはラベルのみ初期設定の段階から動画共有サイトのセットアップを行なえる
利用できる写真共有サービス一覧動画共有サービスはflickr、Picasa、YouTubeから選べる

 動画のアップロードといっても、基本的な使い勝手は写真共有サイトへのアップロードと同じだ。撮影をした後にEye-Fi Managerを見ると、いつの間にかアップロードされているといった具合。もちろんアップロードの進捗状況も確認できる。対応形式はMPEG、MOV、FLV、WMV、AVI、MP4。アップロードできるファイルの上限サイズは2GB。

 ちなみにEye-Fiは拡張子でファイルを判断するので、ビデオカメラで静止画を撮影した場合は、静止画が写真共有サイトにアップロードされる。

 無線LANの設定では、複数の無線LANを設定できるようになった。出先で撮影した画像をEye-Fiでアップロードしたいなどのケースで、あらかじめ出先の無線LAN設定が分かっている場合に便利だ。

Eye-Fi Managerアップロード先とローカルで再生方法を選べる
ローカルでの保存先も指定可能動画共有サービス設定画面
無線LANの設定を追加できる

 Eye-Fi Share Videoにいち早く対応した製品としては、19日に発売となる三洋電機のムービーカメラ「Xacti」(ザクティ)シリーズの新製品「DMX-WH1E」(店頭予想価格5万5,000円前後)が挙げられる。水深3mの防水仕様で、ウィンタースポーツやマリンスポーツなどでの使用を想定しており、最大で約2.3秒前まで遡って記録できる「リバース連写」機能を備える。

 従来のデジタルカメラに搭載していたEye-Fi対応機能は通信機能のON/OFF切り替えのみだったが、DMX-WH1Eではこれに加え、「電源管理」と「ワイヤレスネットワーク」が追加されている。

 電源管理では、データ通信を停止する電池残量を設定可能。0%、10%、30%、50%、AC接続時のみから選択できる。

 ワイヤレスネットワークでは、SSIDの検索、登録、削除に対応した。Eye-Fiの周囲にある無線LANを検索し、発見した無線LANのSSIDを一覧表示する。

DMX-WH1Eメモリーカードスロット
DMX-WH1Eのメニュー画面。Eye-Fiを挿入すると、メニューに「Eye-Fiカード」が出現する液晶モニターの右下にもSDメモリーカード型のアイコンが出る
Eye-Fiカードメニューデータ送信のON/OFF
データ送信をやめる電源残量を設定できるワイヤレスネットワークメニュー
SSID検索画面見つかったSSIDが列挙される
登録したSSIDを消去できるEye-FiのMACアドレスなども確認可能だ

 また、Eye-Fi連動機能を有するデジカメの中には、1,000コマ/秒の「ハイスピードムービー」を撮影できる「HIGH SPEED EXILIM EX-FC100」と「同EX-FS10」がある。たとえばハイスピードムービーで撮影したスポーツやペットの動画を、数分後には知人や友人にURLという形で見せるというのも、なかなか面白い使い道だと思う。

HIGH SPEED EXILIM EX-FS10ハイスピードムービー切り替えスイッチ
Eye-Fi連動機能はデータ送信のON/OFFのみ液晶モニターには、向かって左下に「Eye-Fi」の文字が

 単純に記録メディアとして見ると、Eye-Fiの4GBや2GBという容量は少なく見える。しかし、一度送信してしまえばフォーマットしても別の場所にデータが残るので、カメラからとり出すことなく、実質的には表示以上の容量が使える。この点はEye-Fiの持つ大きなメリットだと思う。

 とはいえ4GBが9,980円、2GBが7,980円と、容量に対する価格はまだまだ割高。読み書きの速度やRAW非対応など物足りない点もあるし、「無線LAN対応のSDHCメモリーカード」に高いコストパフォーマンスを見出せるかどうかはユーザー次第といったところだろうか。カメラ側の連動対応についても、さらなる拡大に期待したい。



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2009/6/4 00:21