デジカメアイテム丼

三脚とイスが合体!座りながら被写体を待てる

ベルボン「チェアーポッド H.Y.127」

目からウロコ。おもしろアイディアである。

“待ち”の長い撮影はのんびりイスにでも座っていたいものだ。でものんびりしすぎてシャッターチャンスを逃しては元も子もないので、カメラはフレーミングも決めてすぐ撮れるようにしておきたい。

そんな撮影には「イス」と「三脚」が必要となるわけだが、その2つを一挙に解決してくれる製品がベルボン株式会社から発売された。

イスと三脚の融合

その名も「チェアーポッド H.Y.127」。なんと商品名の通り、簡易折りたたみイスと三脚を一緒にしてしまった製品だ。

構造としては簡易イスの3本の脚の内、1本のポールが一脚のように伸びて、その先端に雲台が取り付けられているといったものだ。なので正確には簡易イスと一脚を合わせて三脚っぽく使うアイテムといえるだろう。

雲台の付いているポールを伸ばしていない状態
雲台の付いているポールを一番伸ばした状態

撮影機材の軽量化

折りたたんだ状態では平らになってコンパクトに収納できる。重量は1,460g。三脚とイスの2アイテムがこのサイズで済むのは機材の軽量化につながる。メーカー保証の使用者体重は80kg。座面はそれほど広くはないが、しっかりと体重をかけて座ることができて安心感がある。

たたむと平らになる。
座面の作りはよく、体重をかけても歪むことなく安心感がある。

シンプルな使いやすさ

使用方法は単純明快だ。イスに座った状態で適当な高さまでポールを伸ばして雲台にカメラをセットする。そうすればあとは被写体を待つだけだ。

イスの脚を伸ばす仕組みのためポールを伸ばせば伸ばすだけカメラが座面から斜め方向に遠ざかるので、気持ち短めにセットしてコンパクトな撮影姿勢をとっておくのがいいだろう。

ポールは頑丈にできており、35mmフルサイズの一眼レフカメラに望遠ズームレンズを装着してもたわむようなことはなかった。ただしメーカーの推奨積載量は2kgなのでそれ以上の重量は自己責任となる。

雲台にカメラをセットした様子。
ファインダーを覗き込めばそのまま撮影できる。

雲台には中型の自由雲台が付属。ホールド力は良くフレーミングも決めやすい。クイックシューを採用しているのでカメラの付け外しもスムーズ。

チェアーポッドはその構造上、カメラを雲台にセットした状態では自立できない(カメラの重みで前方に倒れてしまう)。そのため席を立つ際にはカメラを雲台から取り外す必要があるが、クイックシューなら素早くできるので問題ない。

同梱の自由雲台。軽い力でしっかりとロックできる。
クイックシューには中型のQB-62を採用。一眼レフや望遠レンズの三脚座にもしっかりとセットできる。

一脚に早変わり

ポールを一番伸ばした状態で1,170mm。簡易イスを畳めば一脚として使用できる。このとき完全にイスを畳んでしまうと接地面が3点になって一脚としての動きがやや制限されるので、少し開き気味にしておくといいだろう。

一脚としての高さが足りない人用に110mmの延長棒が付属している。ウレタンが巻いてあるので冬期でも冷たくない。

ポールを伸ばせば一脚として使用できる。
110mmの延長棒を装着した図。

まとめ

なんとも振り切った製品だ。同じ撮影ポジション、長い待ち時間。そんな撮影専用とも言える製品がチェアーポッドだ。だがそういった条件においてはこれ以上楽ちんな“待ち”撮影スタイルもないだろう。

野鳥撮影や野外スポーツ、運動会の撮影などでとても活躍してくれそうだ。なにより中型の三脚よりも軽い1,460gで「イス」「三脚」「一脚」の三役をこなすチェアーポッドはのんびりお手軽撮影の頼もしい味方となってくれそうだ。

今浦友喜

1986年埼玉県生まれ。風景写真家。雑誌『風景写真』の編集を経てフリーランスになる。日本各地の自然風景、生き物の姿を精力的に撮影。雑誌への執筆や写真講師として活動している。