横尾英樹写真展「SUNSET PARK」

「SUNSET PARK」の制作するにあたって私は撮影場所をバニアンの木の幅付近に限定し、人々が木のキャノピーの下をシルエットとして行き交う画面を構成することにしました。望遠レンズで全体を平面化して簡素化されたステージを作る事で人々をより強調する事が出来ると考えました。シルエットにする事によって人体のフォルムとしての美しさやしなやかさ、そして複雑さを写し出せたと思います。

散歩やジョギングだけではなく、祈る人やヨガをやる人、ウエディング写真の撮影等々、この場所にやって来る人々の目的も様々です。薄い生地の服や日傘、ドリンクのボトル、ヨットの帆等はシルエットにはならず色彩をとどめた半透明で記録され、光の角度によっては人の背中、腕や額がハイライトとして残っている等の視覚的変化も認められます。

このシリーズの写真の中にマイブリッジ的連続写真の美しさ、ウィノグランドの人間模様、ブレッソンの決定的瞬間、ラルティーグの躍動感、アーウィットのユーモア等の要素を見いだして楽しんでいただければと思います。そしてハワイのやさしい風と｀マナ｀を少し感じとっていただければ幸いです。（横尾英樹）

（写真展情報より）