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第7回新宿クラシックカメラ博が開催中

珍品オールドレンズなど多数並ぶ 8月24日(月)まで

「第7回新宿クラシックカメラ博」は8月24日(月)まで新宿高島屋11階催会場で開催される。営業時間は10時~20時。21日(金)と22日(土)は20時30分まで、最終日は18時閉場

オールドカメラ、オールドレンズマニアの大切な夏のイベントといえば、新宿高島屋で開催される中古カメラの展示即売会だろう。今年も8月18日(火)から8月24日(月)まで11階催会場にて「第7回新宿クラシックカメラ博」として開催。

今回はオーストリアからの参加を含む19のカメラショップと2つの協賛企業が出店している。ここではその様子をお伝えするとともに、筆者が独断と偏見で見つけたオールドカメラ、オールドレンズをいくつかピックアップする。

主催する写真機商振興会の会長で日東商事株式会社・川田氏に今回のカメラ博の初日午前中の様子をうかがったところ「売り上げのよかった昨年よりも、人の入りはよい。円安の影響も合って相変わらず外国人バイヤーの姿が目立つが、中国のほか韓国や台湾、東南アジアからも多数来場しておりグローバル化しているように思える。さらに日本人のカメラファンの来場も増えている」と語る。

筆者が会場に赴いたのは、初日の14時頃であったが、平日ながら多くのカメラ愛好家で賑わっており、熱心にショーケースを見入っている人や、係員にカメラや交換レンズをショーケースの中から出してもらっている人などで広い会場はごった返していた。

その販売価格に驚かされる希少なライカが展示されたショーケース。クラシックカメラ博は見るだけでも一見の価値があるカメラ即売会だ。(ライカショップ)

このカメラ博は、写真機商振興会として年1回のビッグイベントとなるだけに、各ショップが厳選したカメラや交換レンズ、アクセサリーなどが一同に並ぶのが魅力だ。今回ピックアップしたアイテムを見ていただければわかると思うが、ズノーペンタフレックスやコーワUW190などといった希少・珍品と言われるカメラ・交換レンズが多数見受けられた。

もちろん全てのアイテムは手に取ってみることができ、じっくりと検討もできる。さらに違うショップにそれぞれ同じモデルがある場合、すぐに比較することも可能だ。「気になったカメラや交換レンズなどがあったら、ぜひじっくりと見てほしい。必ずお気に入りのアイテムに出会えるはず」と川田氏は話す。

ソニー/サイバーショットDSC-QX10
光学10倍ズームを搭載するレンズスタイルカメラ。スマートフォンと連携して使用する。有効1820万画素。1/2.3インチ裏面照射型CMOSセンサーを搭載する。(スズキカメラ商会)

今回のカメラ博では、トークショーも開催される。22日(土)13時からはデジカメ Watchでもお馴染みの写真家・上田晃司氏、23日(日)の同時刻からはカメラ技術者である福島範彦氏が登壇する。「カメラや交換レンズを売るだけでなく、イベントも積極的に開催するようにしている。カメラ愛好家の方々により広くカメラ博を楽しんでいただきたい」と川田氏。

さらに土日限定のジャンク品コーナーも開設する予定なので、この週末は目が離せない。

第7回新宿クラシックカメラ博は24日(月)まで開催される。このところ魅力的なミラーレスカメラが相次いで発売され、手に入れた読者も多いことだろう。今回のカメラ博を機に、オールドレンズでの撮影に挑戦してみるのもありだと思う。

【注意】掲載した商品は、取材時のものです。すでに完売や予約済みになっている場合があることをご承知置きください。

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ニコン/Nikkor S-Auto 5cm F2
一眼レフ用ニッコールとしては最初期のモデル。フォーカスリングと絞りリングに付いたチックマークと、赤外線指標のRが特徴。絞りリングが深いため、Dfには装着できないので注意。(カメラのゴゴー商会)
キルフィット/Makro Kilar 40mm F2.8
1955年に発売された世界初のマクロレンズ。写真のマクロキラーはモデルDと呼ばれるタイプで、ダブルヘリコイドにより等倍撮影を可能としている。(カメラのゴゴー商会)
ミノルタ/MD VFC ROKKOR 24mm F2.8
像面湾曲収差の特性を可変させることで、画面中央部と周辺部の距離が異なるような被写体でもピントを合わせることのできるレンズ。通常の広角レンズとしてももちろん使える。(スズキカメラ商会)
コーワ/UW190
1972年に発売されたコーワ19mm F4を固定装着した一眼レフカメラ。元々製造台数が少なかったことに加え、建築や土木等の現場で酷使されることが多く、中古での流通量はたいへん少ないモデル。(ワカイカメラ)
コンタックス/Planar T* 85mm F1.2 AE50years
1982年にコンタックス発売50周年を記念して限定販売された大口径中望遠レンズ。フォーカスリングには50周年のロゴが入る。フローティング機構の搭載も本レンズの特徴だ。(ワカイカメラ)
コニカ/M-HEXANON DUAL 21mm F3.4/35mm F4
レンジファインダーカメラ、ヘキサーRF用に製造された2焦点レンズ。2002年に600本限定で発売された。21mm時の開放値が35mm時より明るいのが面白い。(カメラのヤマゲン)
キヤノン/Canon 19mm F3.5(L)
レトロフォーカスタイプの光学系を持つキヤノンの超広角Lマウントレンズ。レンズ構成は7群9枚とする。最短撮影距離は0.5m。最新ミラーレスで楽しみたい。(カメラのヤマゲン)
ニコン/AI Nikkor 45mm F2.8P
フィルム一眼レカメラFM3Aとともに2001年に発売されたパンケーキMFレンズ。テッサータイプの光学系を採用する。最新デジイチでもマルチパターン測光を可能とする。(ハットリカメラ)
ライカ/MDa、コンタックス/G-Hologon T* 16mm F8(Mマウント改)
MDaはライカM4からファインダーを省き、巻き上げレバーをM2と同形にしたモデル。G-Hologonは今や伝説もなった超広角レンズ。このような組み合わせが見られるのもクラシックカメラ博ならでは。(ハットリカメラ)
三鈴光学工業/Alta 35+Altanon 5cmF2
製造台数は500台といわれる貴重なコピーライカ。千代田商会(ミノルタの前身、千代田光学精工とは関係ない)で製造された。発売開始は1957年。(日東商事)
Carl Zeiss Jene/BIOMETAR 80mmF2.8 MC
旧東ドイツのカールツァイス・イエナで作れた中判用交換レンズ。絞り開放時の描写は独特で、甘く滲んだ感じに仕上がる。フルサイズのミラーレスでポートレート撮影を楽しみたい。(日東商事)
ズノー/Zunnow Penta- Flex+Zunnow 5cm F1.8
言わずと知れたズノーの一眼レフカメラ。1958年に発売されたが、完全自動絞りを世界で初めて採用するなど当時としては先進的なモデルだった。貴重な一台。(藤井商店)
富士写真フイルム/Cristar 5cmF2
沈胴タイプのLマウントレンズ。製造初年は1949年と言われている。4群6枚のダブルガウスタイプの光学系を採用する。純正のキャップに刻まれたロゴが美しい。(藤井商店)
レオタックスカメラ/Leotax G+Topcor-S 5cmF1.8
レオタックスカメラは1959年に倒産するが、本モデルは1961年に発売された曰く付きのカメラ。倒産後に下請け業者が部品を集め組み立てを行ったという。このカメラも貴重。(鈴木特殊カメラ)
Meyer-Optik/Trioplan 100mmF2.8
3枚玉であるトリプレットタイプの光学系とする中望遠レンズ。1951年から1966年まで製造された。開放での柔らかな描写やボケ味が人気のレンズである。(鈴木特殊カメラ)
KPI/GODOX VINGフラッシュキット(V860C)
本格的な撮影アクセサリーを取り扱うKPIも出店。写真はGODOXの大光量クリップオンストロボのキット。専用のリチウム充電池を使用するため、チャージが速く、電池の持ちもよい。
CURA/Cinestill 50D、Cinestill 800T
コダックの映画用ネガフィルムを使用した35mmフィルム。デイライトタイプとタングステンタイプを用意するが、プリント時に色調の補正は可能なので、色温度によるフィルムの選択は気にする必要がない。(CURA)
CURA/Rolleiフィルム各種
CURAブランドの取扱元である3i(サンアイ)が日本の代理店となったローライブランドのフィルム。ISO25、ISO100、ISO400のモノクロフィルム(135および120)、赤外線フィルム(同)、ISO200のリバーサルフィルム(120)を今後販売する。

(大浦タケシ)