デジタルカメラマガジン

6月号特集で、5月26日の「皆既月食」を解説。“赤い月”を撮るために必要なこととは?

デジタルカメラマガジン2021年6月号の第2特集では、「絶対に失敗しない 皆既月食の撮り方」を掲載。5月26日に起こる皆既月食の撮り方や事前準備について、天体写真家の沼澤茂美さんが解説している。デジタルカメラマガジンは紙の雑誌のほか、すぐに読める電子版(Kindle)も用意しているので活用していただければ幸いだ。

5月26日の皆既月食の進み方を知ろう

今回の皆既月食の進み方を約10分間隔で示した。また、それぞれの現象の時刻を示している。月食における現象の時刻は全国共通だが、地域によって月の出の時刻や月、星の高さが異なるので注意されたい。この図は東京を基準にしているので、それよりも緯度の低い地位では月は高く見え、高緯度の地域では月は緯度の差だけ低く見える。それぞれの現象を含め、いくつかのポイントの月の状態を拡大して示している。また、皆既中の星(星座)の位置を示した
POINT:今回の皆既月食は約20分と短い

5月26日の皆既月食は20分にも満たない短い時間となっている。そのため、あらかじめ皆既月食の中心時間「20時18分42秒」を把握しておこう。インターバル撮影をする場合も「20時18分42秒」に撮影タイミングになるよう開始時間を設定するのが得策だ

5月26日の日本各地の月の出時刻

各地の月の出時刻を示した。部分月食の始まりが18時45分なので、東京では月の出とほぼ同時に部分月食が始まる。それより西の地域では月の出の時刻には部分月食が進んでおり、九州などではかなり欠けた状態で昇ってくるだろう。山や人工物があれば月の出のタイミングもだいぶ変化するため、それを利用しての地上景色との共演も可能だ

皆既月食中の露出値

皆既月食の明るさは地球の本影の影の中心ほど暗い、今回の月は地球の本影の端を通るため、左上が明るく、右下が暗いという明暗のグラデーションを保ちながら皆既が進行する

皆既月食のような天文イベントで撮影が成功する鍵は、イベントの内容をどれだけ詳しく把握しているのかと、明確な撮影目的、当日のさまざまな状態にどう臨機応変に対応できるかにかかっている。6月号の誌面では、この記事で紹介したような撮影の事前準備のための知識と情報を8ページに渡って詳細に解説しているので、撮影前にぜひご覧いただきたい。