ニュース

菊池東太写真展「白亜紀の海 2」

(大阪ニコンサロン)

この北アメリカの自然をテーマにした写真展は、2004年に「DESERTSCAPE」として発表以来、今度で5回目になる。この間作者は、アメリカ合衆国に10回撮影に行き、10万キロあまり走破した。9回目までは4×5サイズのポジカラーフィルムで撮り、最後の昨年(2012年)3月の撮影からはすべてデジタルカメラに変更した。

登場する風景はすべてミシシッピ川の西にある。東部にも何度も行ったが、東と西では明らかに別世界で、東は湿度が高く、緑も豊富。西はその逆で、ドライで岩がゴツゴツして緑は疎らだ。夏には湿度が10%をきることもたびたびある。そのドライな乾き切った自然、風景がなんとも新鮮だ。

あるとき作者は、撮った景色のほとんどが石灰石であることに気づいた。石灰石ということは、海だったのである。

1億3500万年前から6600万年前、つまり白亜紀の時代に北米大陸は東西2つに分かれ、その間は数百キロ幅の広い海路になっていた。その海路がたびたびの地殻変動によって隆起し、北米大陸は一つの大陸としてつながり、徐々に現在の地形になってきたのだ。

当初は意識していなかったが、作者が今まで撮ってきた風景は、ほんの一部を除いて大半が隆起した大地で、かつては海の底にあった地形だということなのだ。

100㎝×80㎝ 20点。

(写真展情報より)

会場:大阪ニコンサロン

  • 住所:大阪府大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • 開催日:2013年7月18日(木)~2013年7月24日(水)
  • 時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:鈴木誠)