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小平雅尋写真展「他なるもの」

(表参道画廊)

外界にレンズを向け、シャッターを切る。それによって獲得されたイメージについて考える。そしてその中から何らかの手応えを得たイメージを他者にむかって差し出す。写真家の営みとはこうしたサイクルの繰り返しだと言えるかもしれません。その営みを通じて、写真家は何を目指しているのか? 私たちに差し出される写真に彼らが感じた“手応え”とは一体何なのか?

ある種の写真家にとってその目指すものや手応えとは、何かが分かること、はっきりとした答えを得ることではなく、むしろ新たな問いや謎に出会うこと、そしてそれらがはたして他者と共有しるものであるかどうか、その不確かな可能性を問うてみることにあるようです。小平雅尋もそうした、どちらかといえば狭き道をたどろうとする写真家の1人です。

今回の展覧会は、2011年に出版された写真集『ローレンツ氏の蝶』および、それ以降の作品によって構成されます。不断に続けられる世界との細やかな対話の中で紡ぎだされてきたイメージの群を通じて、本展が、世界についての、あるいは写真というメディアについての、魅力的な問いや謎に出会う機会となることを期待しています。[増田玲・本展企画者]

(写真展情報より)

 6月1日(土)の15時から小平雅尋氏×増田玲氏(東京国立近代美術館主任研究員)によるトークイベント行なう。

小平雅尋写真展「他なるもの」

  • 会場:表参道画廊
  • 住所:東京都渋谷区神宮前4-7-3アーク・アトリウムB02
  • 会期:2013年5月27日(月)~2013年6月8日(土)
  • 時間:12時~19時(最終日は17時まで)
  • 休館:6月2日(日)

(本誌:武石修)