ペンタックス、交換レンズ用の「HDコーティング」を開発

~反射率を半分以下に抑制

 ペンタックスリコーイメージング株式会社は11日、交換レンズ用の新コーティング技術「HDコーティング」を開発したと発表した。新レンズ2本に採用する。

可視光全体に渡って従来のマルチコーティングから反射率を半減した

 従来のマルチコーティングに比べて可視域全域で反射率を半分以下に抑え、光の透過性を大幅に高めたという独自技術。逆光などの条件下でゴーストやフレアの発生を抑えるとしている。「HD」はHigh Definitionの略。

 すでに上位モデルで採用している、ナノテクノロジーを用いた「エアロ・ブライト・コーティング」に近い光学特性をマルチコーティングで実現したとする。HDコーティングを採用した交換レンズには、従来の「smc PENTAX」に代わって「HD PENTAX」銘を冠する。

 同日発表の交換レンズ「HD PENTAX-DA 560mm F5.6 ED AW」および「HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mm F2.8 ED AW SR」に同コーティングを初めて採用した。

HD PENTAX-DA 560mm F5.6 ED AW
HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mm F2.8 ED AW SR

 HDコーティングは、従来のマルチコーティングに比べて膜材料の結合が強く充填密度が高いため、コーティング膜の硬度が高く耐久性に優れるという。

 また、従来のマルチコーティングは真空蒸着法でコーティング膜を生成していたが、この製法ではコーティング膜の密度を十分高めることができず、膜厚と屈折率にばらつきが生じていたという。

 今回、独自製法で膜圧の問題をクリアした。膜厚をナノメートル単位で正確に制御できるようになったことから、コーティングの設計値をダイレクトにコーティング膜に反映させることが可能になった。波長による反射率のばらつきが少なく、理想的なカラーバランスの制御ができるようになったとしている。





(本誌:武石修)

2012/9/11 10:27