土田ヒロミ写真展「BERLIN」(大阪ニコンサロン)


本展は、三つの異なる時期に、ベルリンの壁とその周辺の風景を撮影したドキュメントである。
時期は、第一期が1983年、第二期1999~2000年、第三期2009年で、それぞれにおける壁およびその周辺の風景、情景を撮影。ベルリンの壁の永年にわたる事象の変化を写真で捉えることによって、その歴史的時間の中で生ずる変容―実在、喪失、記憶―を思考しようとする作品行為である。と同時に、その記録写真の時間軸を自由に交差させ、編集構成することで、ベルリンの壁を「時間」の隠喩として表現した作品である。
※参考資料:土田ヒロミ写真集「BERLIN」(平凡社刊・2011年)

【撮影取材経緯】1983年、作者は壁を通して冷戦構造を風景として捉えたいというコンセプトから開始したが、撮影が初段階で滞っている間に、’99年に壁が崩壊し、この計画が全う出来ず中断。その挫折後、壁崩壊十年目の’99年に壁の痕跡周辺の風景を撮ることで冷戦終焉後の東西融合を視覚したいと、再びベルリンへ向かう。さらにそれから十年後の’09年、定点撮影という風景を凝視する手法で、’99年に撮影した同じ定点の風景をカラーで再撮影。また同時にモノクロームで’83年に撮影した同じ地点を、’09年に再撮するという、カラーとモノクロによる二重の定点撮影が交差している。

【写真展の基本構成】
1)1983年(モノクローム/中判銀塩フィルム)
2)1999~2000年(カラー/4×5版銀塩カメラ)
3)2009年(カラー・モノクローム/デジタル35mmカメラ・中判銀塩フィルム4×5版銀塩フィルム)
*プリントは、銀塩フィルムをスキャニングし、デジタル出力したものである。

(写真展情報より引用)

 6月29日の18時30分からフォトセミナーを実施する。参加は無料。

  • 名称:土田ヒロミ写真展「BERLIN」
  • 会場:大阪ニコンサロン
  • 住所:大阪市北区梅田2-2-2 ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • 会期:2012年6月28日〜2012年7月11日
  • 時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休



(本誌:鈴木誠)

2012/6/13 16:07