岡田将写真展「白い痕跡」(大阪ニコンサロン)


その壁には、膨大な数の球の跡があった。その跡に圧倒されながらも、作者はその跡にどこか惹かれて食い入るように壁を見つめ続けた。
「構える」「投げる」「当たる」「跳ねる」「捕える」その繰り返しが、この場所でどれだけ行われてきたのだろう。どれだけの人が、どういった想いで、どれだけ球を投げたのだろう。
様々な想いが脳裏を駆けめぐった瞬間、“跡”がぼんやりと白く輝いて見えた。もっとたくさんの“跡”を見てみたい。そう思って自転車を走らせたが、思いのほか“跡”は見つからなかった。
運動する子供の減少や、老朽化による壁の取り壊しなど、今の時代の様々な理由で壁と球の跡は着実に数を減らしていた。それに気付いたとき、作者はカメラを構えていた。モノクロ約17点。
(写真展情報より)

  • 名称:岡田将写真展「白い痕跡」
  • 会場:大阪ニコンサロン
  • 住所:大阪市北区梅田2-2-2 ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • 開催日:2012年6月14日~2012年6月20日
  • 時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休




(本誌:武石修)

2012/5/31 00:00