オリンパス、新社長に医療機部門の笹宏行氏が昇格。会長は三井住友銀行出身の木本泰行氏


 オリンパスは27日、新代表取締役社長執行役員に現執行役員の笹宏行氏を昇格させる人事を発表した。併せて、新取締役会長には元三井住友銀行専務の木本泰行氏が内定した。いずれも4月20日に開催する臨時株主総会で正式に決定する。

 代表取締役社長執行役員の高山修一氏ら現任の取締役および監査役は、臨時株主総会後に辞任する。

社長に就任する笹宏行氏会長に就任する木本泰行氏

 社長に内定した笹氏は、東京都出身の56歳。早稲田大学大学院理工学研究科 機械工学専攻修士課程を修了し、1982年オリンパス光学工業(現オリンパス)に入社。2007年オリンパス執行役員に就任。同年からオリンパスメディカルシステムズの取締役を務める。長年オリンパスの主力である内視鏡事業に携わってきたことに加え、海外赴任経験などを指名委員会が評価した。

 会長に内定した木本氏は、大阪府出身の63歳。京都大学経済学部を卒業後、1971年に住友銀行に入行。2005年に三井住友銀行の専務取締役兼専務執行役員に就任。2006年からは日本総合研究所の代表取締役社長兼最高執行役員に就いている。欧州三井住友銀行社長の経験などからグローバルな視点を持つことが評価された。三井住友銀行はオリンパスのメインバンク。

 新役員候補は、同社執行部と利害関係が無いという社外取締役2人からなる指名委員会が審査の上で選定した。なお、コーポレートガバナンスの不全から損失計上先送り問題が発生したことの反省を踏まえ、取締役11人のうち8人を社外から招聘する。

 同社では、「新経営体制の人選にあたってはものづくりの原点に立ち返って経営を行なうこと、倫理性に裏付けられた強いリーダーシップを持った候補者であることを出発点にした」としている。





(本誌:武石修)

2012/2/27 20:39