ケルンメッセ、「フォトキナ2012」の最新情報を発表


 ケルンメッセは9日、CP+2012の開催に合わせ、「フォトキナ2012」の開催に関する記者会見をパシフィコ横浜の会議棟内で行なった。

フォトキナ2012は9月18日に開幕する

 フォトキナは、ドイツケルン市の「ケルンメッセ」で2年に1度開催される世界最大の映像機器見本市。今回は9月18日~9月23日に開催する。世界40カ国異常から約1,200社が出展を予定している。

 ケルンメッセによれば、主要な出展企業がこれまで以上に早い時期から出展申し込みをしているという。なお、前回の「フォトキナ2010」には160カ国から18万人以上が訪れた。

ドイツ写真工業会 専務理事のクリスチャン・ミュラー リーカー氏(左)、ケルンメッセ副社長のカタリーナ・クリスティーネ・ハマ氏(右)らが出席した

 今回新たに、最新カメラの動画機能を体験できるイベントエリアを新設する。写真だけではなく動画を撮影するユーザーが増えていることに対応する施策。ケルンメッセ副社長のカタリーナ・クリスティーネ・ハマ氏は、「ドイツのデータではプロカメラマンの9%が動画機能は不可欠と考えており、動画機能を試した人の1/4が動画機能を仕事で使えると答えている」と述べた。

 また、スマートフォンの写真機能を体験できるモバイル・イメージングの特別エリアも設ける。多くの来場者が撮影アプリを体験するための場を提供する。

 併せて、著名写真家や新進のプロによる写真展「Boulevard of Competitions」も開催する。プロのための主要な写真コンテストの優秀作品を展示するもので、個別の展覧会形式で構成される。従来は会場で開催していたが、今回はBoulevad(メッセ大通り)で実施する。より多くの来場者の注目が集まるとしている。

 ケルンの街とその周辺地域では、3回目を迎えるイベント「Photokina:cologne takes photographs!」(ケルンが撮る!)を実施する。ケルン市街全体で写真ワークショップ、撮影会、展覧会、特別なテーマのイベントなどを行なう。

会場図。前回同様に2~6および9ホールを使用するケルンメッセ(フォトキナ2010の最終日に撮影)

 ドイツ写真工業界 専務理事のクリスチャン・ミュラー リーカー氏は、デジタルカメラのマーケットについて説明した。

 2011年の1~9月には大きなブームがあり、特に東欧では前年比で35%も多く写真製品への支出があったという。ラテンアメリカでは16%増、インドは7%増だった。同時期に最も落ち込んだのは日本市場で17%減。東日本大震災と環境破壊による経済的影響のためだとした。ヨーロッパは金融・債務危機が響いて市場の動きはまちまちだというが、ドイツの2011年は前年比3.5%の伸びとみられ、レンズ交換式デジタルカメラの販売は100万台に達し、交換レンズは152万本が販売されたとする。

ドイツでは2011年に、SLR(デジタル一眼レフカメラ)とCSC(コンパクトシステムカメラ=ノンレフレックスカメラ)合わせて102万台を販売

 なお、クリスチャン氏は、「世界的に比べて見ると新製品が好きなのは日本人とインド人」だという。これら2国では売り上げに占める2011年の新製品の割合が約半分と最も高いのがその理由。対してブラジルや南アフリカでは、新製品の販売は3割にとどまるという。ユーザーは3~5年で新しいカメラを購入しており、2010年からユーザーが専門的になっていることが目立つという。レンズ交換式デジタルカメラの需要が伸びていることも裏付けの1つだとしている。

 ただ、「ドイツではデジタル一眼レフカメラとコンパクトシステムカメラ(ミラーレスカメラ)の違いを知らないで買った人が多い。どちらもレンズ交換ができるということしか頭に無いようだ」(クリスチャン氏)。同氏は、ミラーレスカメラが統一的な基準の商品群として扱われていないことが原因ではないかとした。

 また、中国などいくつかの国ではカメラ付き携帯電話やスマートフォンが低価格のコンパクトデジタルカメラと競合しているが、ヨーロッパではそうした競合関係にはなっていないという。





(本誌:武石修)

2012/2/14 18:25