日本写真学会、平成23年度の画像保存セミナーを開催


 日本写真学会は、「平成23年度 画像保存セミナー」を11月1日から11月2日にかけて開催する。

 会場は東京都写真美術館ホール(東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)。定員は180名(定員に達し次第締め切り)。参加費は日本写真学会および協賛学協会会員が6,000円、非会員が8,000円、学生が2,000円。申し込みはイベント詳細のWebページを参照されたい。

 「次世代に伝えるべき記録と価値ある写真画像、またその他の画像記録物の確実な保存を目指し、その知識の普及と技術の確立」を目的とする同学会の画像保存研究会が1984年から開催し、今年で28回目を迎えるセミナー。

 講演では、デジタルデータの代表的な記録メディアについて、材料から見た長期保存の現状についての最新情報を扱う。また、東日本大震災によって被害を受けた写真プリントやアルバムについて、ボランティアの活動報告や修復事例などを通じて災害時への備えを議論する。セミナー終了後は講演者と参加者が意見・情報交換可能な懇親会を設ける。懇親会の会費は11月1日が1,000円、11月2日が3,000円。

 11月1日の講演内容

  • ディジタルデータの恒久保存(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 小野定康氏)
  • 文化財写真デジタル化の現状とデータ保存の問題(独立行政法人国立文化財機構 奈良文化財研究所 中村一郎氏)
  • コンピュータ用テープによるデジタルデータの長期保存(JEITA テープストレージ専門委員会 井上陽治氏)
  • フィルムを活用したデジタル長期保存に対する技術検証の報告(株式会社IMAGICA 清野晶宏氏)

 11月2日の講演内容

  • 光ディスクアーカイブについて(太陽誘電株式会社開発研究所 砂川隆一氏)
  • 「フレスコ画法」の原理を応用したデジタル時代の新しい画像保存技術(株式会社トクヤマ 谷地明幸氏)
  • 図書館等の資料救済活動について(国立国会図書館資料保存課 川鍋道子氏・村上直子氏)
  • 東日本大震災―被災写真の救出と処置(紙本・写真修復 白岩洋子氏)
  • 被害を受けた歴史的写真(古典技法)の修復について(ヒューストン美術館写真コンサヴァター 小関俊旭氏)
  • パネルディスカッション「東日本大震災における被災写真の救済活動と問題点」

 時間は11月1日が12時50分〜17時(12時20分受付開始)、11月2日が9時55分〜17時(9時30分受付開始)。



(本誌:鈴木誠)

2011/9/28 19:21