新宿ニコンサロン、矢部朱希子写真展「ここに生きる」


 新宿ニコンサロンは、矢部朱希子写真展「ここに生きる」を5月31日から開催する。

東京で写真を続ける意味を見いだせなくなり、帰った神戸で見つけたアルバイト募集のチラシ。
「どんなに重度障害を持っていても、自分の選んだ地域で生きてゆきたい。そのための有償介助者を募集しています」との言葉に惹かれ、作者は何もわからないまま電話をかけた。
そこで出会ったのは「自分たちのことは自分たちで決める」と、社会に出ていろいろな人と関わりを持ちながら、地域で生きようとする人たちの姿であった。
例えば「食事」一つをとっても、「何を誰と食べる、どんな味付けにする、食器は何を使う…」といった、多くの人々の日常生活では「自分で決める」などと意識する必要のないほどささやかなこと、それすら選ぶことができなかったと彼らは語る。
メディアから伝わってくる障害を持つ人のイメージは、「困難を乗り越えて頑張っている」とか、「そのひたむきに努力する姿に感動」など、何か特別な意味を持たされているように感じることもあった。
彼らと関わってゆくことは、「では、あなたはどうなの? あなたは私をどう見ているの」と、写真を撮ることも含め、作者自身への問いかけでもあった。カラー約40点。

(写真展情報より)

 6月4日にギャラリートークを行なう。時間は13時〜14時。

  • 名称:矢部朱希子写真展「ここに生きる」
  • 会場:新宿ニコンサロン
  • 住所:東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
  • 会期:2011年5月31日〜2011年6月6日
  • 時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:折本幸治)

2011/5/17 00:00