タムロン、超音波モーター採用・小型軽量になった「18-270mm Di II VC」


 タムロンは、ズーム比15倍の高倍率ズームレンズ「18-270mm F3.5-6.3 Di II VC PZD」(Model B008)のキヤノン用とニコン用を20日に発売する。価格は8万4,000円。ソニー用の「18-270mm F3.5-6.3 Di II PZD」も順次発売予定。

18-270mm F3.5-6.3 Di II VC PZD

 同社創業60周年記念モデルの第2弾となる、APS-Cサイズ相当の撮像素子を搭載したデジタル専用の高倍率ズームレンズ。同社一眼レフカメラ用交換レンズで初となるAF駆動方式「PZD」(Piezo Drive)を採用し、従来のDCモーターより高速で静粛なAF動作を実現したという。新方式を採用した手ブレ補正機構「VC」(Vibration Compensation)も搭載する。

 PZDは、発売済みの「70-300㎜ F4-5.6 VC USD」が採用する進行波型のリング型超音波モーターとは作動原理が異なる「定在波型」の超音波モーターを採用。ピエゾ(圧電セラミック)素子に高周波電圧を加えて伸縮・屈曲させ、素子全体を定在波運動でくねらせながら動かすことで、素子先端に取り付けた金属チップと呼ぶ接触面が楕円運動を行ない、ローターとの摩擦で回転運動を実現する。一眼レフカメラ用交換レンズでは、従来のリング型超音波モーターと比べ小型化が可能で、設計自由度も高いという。

 手ブレ補正機構「VC」は、新たにムービングコイル方式を採用。従来は補正レンズに質量の重いマグネットを配置するムービングマグネット方式を採用していたが、ムービングコイル方式では質量の軽いコイルを配置することで駆動系への負荷を減らし、手ブレ補正ユニットの軽量・コンパクト化を図った。同方式の採用により機械的構造もシンプルになり、レンズ本体の小型化にも貢献したという。

 なお、順次発売予定のソニー用(発売日未定)はレンズ内手ブレ補正機構を搭載しないため、18-270mm F3.5-6.3 Di II PZDという製品名になる。

 レンズ構成は13群16枚。最短撮影距離はズーム全域で49cm。最大撮影倍率は1:3.8。絞り羽根は7枚。フィルター径は62mm。本体サイズは74.4×96.4mm(最大径×全長)。重量は450g(数値はニコン用)。花型フードが付属する。

 同社が2008年9月に発売した世界初の15倍ズームレンズ「AF 18-270mm F3.5-6.3 Di II VC LD Aspherical [IF] Macro」は、フィルター径72mm、本体サイズ79.6×101mm(最大径×全長)、重量550g。

 併せてタムロンでは、今後発売するニコン用レンズはAFモーター内蔵を標準とするため、これまでのAFモーター内蔵のニコン用レンズに表記していた「N II」を廃止。ボディ内AFモーターを利用するカプラー方式のレンズに表記していた「N」に統一する。



(本誌:鈴木誠)

2010/12/9 18:27