アイファイジャパン、ITpro EXPO 2010でEye-Fi用APIの公開を告知


 アイファイジャパンは、東京ビッグサイトで10月18日~20日にかけて開催中のエンタープライズ向けICT総合展示会「ITpro EXPO 2010」に出展した。無線LAN内蔵SDHCメモリーカード「Eye-Fi X2」を展示したほか、同社代表取締役社長の田中大祐氏による講演を行なった。

アイファイジャパンコーナーEye-Fi X2のデモを行なっていた

 講演では、Eye-Fiの製品概要やシステムの特徴についての解説に加えて、APIの提供開始告知と、米国でのソリューション事例についても紹介した。

 田中氏はEye-Fiについて、ハードウェアの機能を可能な限りシンプルに抑え、複雑な処理はソフトウェアが担い、進化の激しい処理はクラウドが行なう点を特徴として説明。ローカルからアップロードされた画像を保持し、オンラインサービス(クラウド)に到達させる役割を持った「パーソナルクラウド」と位置付ける。また、SDHC/SDメモリーカードとしての「Eye-Fi」というよりも、クラウドに繋がるソフトウェアを開発している点についても強調した。

アイファイジャパン代表取締役社長の田中大祐氏Eye-Fi X2製品概要
システムの特徴ハードウェア、ソフトウェア、クラウドの機能と役割
Eye-Fiを「パーソナルクラウド」と位置付けるEye-Fiのビジョン

 講演では「Eye-Fiは元々“Eye-Film”というUSBメモリー型の製品だった」との開発秘話も披露。投資家の提言で形状をSDメモリーカード型に変更し、元々備えていた機能を外部に出していった結果、クラウドサービスを併せて提供する形になったという。

開発の初期段階ではUSBメモリー型だったEye-Fi X2の構成

 Eye-Fiでは現在、FacebookやFlickrを含む45以上のSNS、写真共有サイト、ブログなどに対応している。田中氏は今後の展開として、今冬よりEye-FiのAPIをデベロッパー向けに提供すると明かした。Eye-Fiの画像送信先を自社サーバーに設定するなどの活用法が考えられるとしている。

現在45以上のオンラインサービスに対応APIを活用することで、独自サイトへの画像送信が可能になる

 米国でのソリューション事例としては、報道、セキュリティ、建築、損保業界などでの活用ケースを紹介した。撮影現場から画像を自動アップロードできることによる即時性の向上と作業効率の改善などが見られたとする。また、報告漏れや機材の破損・紛失、といったリスクの防止・軽減に加え、人員配置や教育などにかかるコストの低減といった効果も見込めるという。WORM(Write Once Read Many)などと比べての画像真正性に関しては、「撮影後すぐに画像を送信することにより、加工する時間を与えない」点を強みとした。

報道業界ではワークフローの改善が見られたという代替品の入手が容易な点も特徴
工事・建築業界では、作業進捗の即時性が向上した損保業界では、損害調査を行なうアジャスターを現場に配置するのではなく、指定した写真をパートタイマーが撮影することでコストを削減するといった施策が見られる
「写真を撮るだけ」というシンプルさにより教育コストの削減を見込む

 Eye-Fiは、デジタルカメラの撮影画像を無線LAN経由でPCや各種オンラインサービスに送信できるSDHC/SDメモリーカード。現行モデルのEye-Fi X2ではIEEE 802.11b/g/nに対応し、RAW画像の転送、アドホック接続、公衆無線LAN接続、ジオタグ記録といった機能を有するほか、転送済みの画像を順次削除する「エンドレスモード」を備える。

 すべての機能を利用できる「Eye-Fi Pro X2」に加えて一部機能を制限した「Eye-Fi Explore X2」および「Eye-Fi Connect X2」の3製品をラインナップする。実勢価格は、Eye-Fi Pro X2が1万5,800円前後、Eye-Fi Explore X2が9,980円前後、Eye-Fi Connect X2が6,980円前後。



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2010/10/20 16:29