国連開発計画・オリンパス・AFP財団による「反貧困」フォトコンテストの結果が発表


 国連開発計画(UNDP)、オリンパス、AFP財団は15日、フォトコンテスト「世界を写そう:私たちは貧困を終わらせる」(Picture This:We Can End Povety)の結果について発表した。

プロ部門1位のPrakash Hatvalne氏によるインドで通学中の少年の姿アマチュア部門のVinh Nghia氏によるベトナムで水揚げしたばかりの水産物を運ぶ漁師の姿

 2010年上半期に開催した、反貧困をテーマとする世界写真コンテスト。今年で2回目となる。途上国と先進国の双方でミレニアム開発目標(MDGs)達成に貢献している普通の人々の姿を紹介することを目的とする。

 MDGsは、貧困にまつわる8つの目標を2015年までに達成することを目指すもの。同コンテストは9月20日から22日に行なわれるMDGsの進捗状況を確認する首脳会合(MDGsレビューサミット、ニューヨークで開催)を前に、政府や一般の人々に貧困削減の動機づけも狙う。

 今回のコンテストにはプロ・アマチュア両部門をあわせて約1,400名から3,000点以上の写真が集まり、各分野の上位3点を表彰した。すべての入賞作品は、スポンサー3社のWebサイトで紹介するほか、日本、アメリカを含む世界各国で開催される写真展でも展示予定。

 プロ部門の最優秀賞は、インドの写真ジャーナリストPrakash Hatvalne氏によるインドで通学中の少年の姿。アマチュア部門は、ベトナムのビデオ撮影家のVinh Nghia氏によるベトナムで水揚げしたばかりの水産物を運ぶ漁師の姿。一般市民のオンライン投票による「人々の選択」賞は、パキスタンのAgha Rizwan Ali氏。3人の受賞者はニューヨークの国連本部に招かれ、ヘレン・クラークUNDP総裁から表彰状と、オリンパスのデジタルカメラおよび周辺機材が手渡される。

 ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁は、「世界中の人々が極度の貧困を撲滅するために行動していることを示すことにより、私たちはミレニアム開発目標(MDGs)が抽象的な目標ではなく、人々の生活に実際に変化を与えていることを見ることができる。こうした実際の積極的な取り組みを紹介することで、より多くの人がMDG達成に貢献しようと同機づけられることを期待する」と述べた。

 アントニオ・バンデラス氏は、「困難な環境の中で勉強に励む子どもや大人の姿や、女性の権利を主唱する地域の団体の数々、あるいは人々の健康改善のための協力なキャンペーン活動など、普通の人々が日々の生活においてMDGs達成のために前向きに取り組んでいる人々の姿には元気づけられる。こうした普通の人々の活動がうねりとなって、ニューヨークで開催されるMDGsサミットの出席する各国首脳らにも影響を与え、意味ある結果を生むことを望む」と話した。

 菊川剛オリンパス会長は、「グローバルに事業を展開する我々は、経済活動を行なうなかで地球とそこに暮らす人々の生活や自然を守らなければならない。グローバル化する世界が目指すべき姿を具現化したものがMDGsである。世界各地の取り組みをフォトコンテストでお伝えする機会を提供できたことは光栄」と話した。

 AFP財団のロバート・ホロウェイ理事長は「AFP財団は、独立した責任あるメディアは、世界の人々が十分な情報に基づいて生活に関する意思決定を行なえるよう手助けすることにより、貧困撲滅や人権促進を図れると信じており、そのために私たち自身もMDGs達成のために貢献していく」と語った。



(本誌:鈴木誠)

2010/9/15 17:52