キヤノン参加の綴りプロジェクトで「建仁寺方丈障壁画」の全面複製が決定

~京都建仁寺での一般公開も

 キヤノンと京都文化協会は6日、伝統文化財のデジタル化と複製品の製作を行なう「綴りプロジェクト」において、新たに重要文化財「建仁寺方丈障壁画」46面の高精細複製作品を制作すると発表した。

建仁寺方丈障壁画(一部)

 綴プロジェクトは、京都文化協会とキヤノンが共同で行なう文化財保存活動。2007年3月に開始した。キヤノンのデジタル一眼レフカメラと大判プリンターを用いて、日本古来の文化財の高精細な複製品を制作する。必要に応じて金箔や表装も施す。制作した複製品を活用することで、オリジナルの劣化を防ぎながら文化財の継承を行なうことを目的としている。

 同障壁画は、安土桃山時代から江戸時代にかけて活躍した海北友松が制作した全50面の水墨画。すでに2008年3月から2009年2月にかけて雲龍図4面の複製が完成している。今後2010年8月から2013年3月にかけて、残りの46面を複製する。完成した複製作品はオリジナル作品が飾られていた建仁寺へ寄贈し、一般公開を行なう。現在、オリジナル作品は保護のため京都国立博物館に保管してある。

 なお、京都文化協会では、これまでに制作した16作品を2回に分けて建仁寺で一般公開する。1回目は2010年11月20日から松島図屏風など8点を展示する。2回目は2011年3月中旬の開催を予定している

  • 期間:2010年11月20日~2010年12月5日
  • 時間:10時~17時
  • 会場:大本山 建仁寺 方丈および大書院
  • 住所:京都市東山区大和大路通四条下る小松町



(本誌:武石修)

2010/8/6 18:10