【詳報】オリンパス、新アートフィルターなどを搭載した「E-P2」を海外で発表

~動画のマニュアル撮影に対応。新レンズ2本もアナウンス

E-P2

 オリンパスは5日、マイクロフォーサーズシステム規格対応機の第2弾となるレンズ交換式デジタルカメラ「E-P2」を海外で発表した。欧州では949ユーロで、2010年1月に発売する。国内での発売は未定。

 同社が7月3日に発売したマイクロフォーサーズ機「E-P1」の上位機種と見られるカメラ。新たに、144万ドットの外付けEVFの装着が可能になったほか、新アートフィルターや「i-Enhance」と呼ばれる色強調機能などを搭載した。撮像素子と画像処理エンジンはE-P1と同様。

 外観はE-P1をほぼ踏襲したデザインを採用した。本体色は、E-P1では設定の無かったブラックとなっている。本体サイズは120.5×35×70mm(幅×奥行き×高さ)、本体のみの重量は約335gでE-P1と同じ。


M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8を装着したところ背面
上面(レンズは、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8)外付けEVF「VF-2」(手前)

 外付けEVF「VF-2」はオプションとして用意する。EVFとの接続部は「アクセサリーポート」と呼ばれ、ホットシュー下部の背面側に設けた。EVFをホットシューに装着することでカメラと接続できる。VF-2は視野率100%で、画素数が144万ドットと従来のデジタルカメラ用外付けEVFに比べて高精細になっている。また接眼部を上方にチルトすることも可能。VF-2には、EVFと液晶モニターの表示切替えをすると思われるボタンも確認できる。また、アクセサリーポート対応のアクセサリーとして、マイクロフォンアダプターセット「SEMA-1」も用意する。SEMA-1は、マイクロフォンアダプター、ステレオマイクロフォン、クリップ付きの延長ケーブルからなる。

 アートフィルターには、「Diorama」と「Cross Process」が新たに加わった。Dioramaは、俯瞰撮影した画像をミニチュアのように加工するもので、Cross Processは、ポジフィルムをネガの現像液で(またはその逆)処理する手法で、高彩度で高コントラストな画像を得ることができる。i-Enhanceは、被写体の色を自動的に強調することで、記憶に近い印象に仕上げる機能と思われる。

M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6」を装着したところM.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8とVF-2を装着したところ
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8とVF-2を装着したところVF-2の表示イメージ
VF-2は、上90度までチルト可能

 撮像素子は、有効1,230万画素の4/3型ハイスピードLive Mosセンサー。画像処理エンジンは「TruePic V」。1,280×720ピクセル、30fpsでのHD動画撮影も可能。新たに動画のマニュアル撮影も可能になった。シャッター速度換算で最大約4段分のボディ内手ブレ補正機構も継承した。AFモードには動体追尾モードも加わった。感度はISO100~6400。シャッター速度は2~1/4,000秒。最大シンクロ速度は1/180秒。AFエリアは11点。連写速度も3コマ/秒でE-P1と同じ。

 液晶モニターはE-P1と同じ約23万ドットの3型。2軸の水準表示機能も備える。記録メディアはSDHC/SDメモリーカード。リモートコントロールに対応したHDMIミニコネクターを備える。電源はE-P1と同様のリチウムイオン充電池「BLS-1」。CIPA準拠の撮影可能枚数は約300枚。


マイクロフォンアダプターセット「SEMA-1」を装着したところブラックのボディジャケットとストラップも用意する

新レンズがロードマップに加わる

 また同日、マイクロフォーサーズ対応の新レンズとして「ED 9-18mm F4~5.6」や「ED 14~150mm F4~5.6」など計6本がロードマップに加わった。

 ED 9-18mm F4~5.6は35mm判換算で18~35mm相当の広角ズームレンズ、ED 14~150mm F4~5.6は、同28~300mmの高倍率ズームレンズとなる。ともに2010年上半期の発売を予定している。

 また、具体的なレンズ名や焦点距離は未定だが、「Super Telephoto Zoom」、「Macro」、「Fisheye」、「Wide」の4本を2011年春に発売するとしている。Super Telephoto Zoomは焦点距離80~300mm弱程度の超望遠ズームレンズになる見込み。それ以外の3本はすべて単焦点レンズになる。Macroは焦点距離50mm程度のマクロレンズに、Fisheyeは同10mm弱の魚眼レンズに、Wideは同10mm台前半の広角レンズになる模様。




(本誌:武石修)

2009/11/5 19:18