NVIDIA、PC用3D映像ソリューションを“FinePix REAL 3D”に対応


 NVIDIAは18日、同社の最新状況を総括する説明会において、PC用3D映像ソリューション「3D Vision」に富士フイルムのコンパクトデジタルカメラ「FinePix REAL 3D W1」で撮影した3D映像が対応すると発表した。

GeForce 3D Visionの液晶シャッター付きメガネ

 3D Visionは、4月に発売した液晶シャッターを備える専用のメガネとトランスミッターを含む「GeForce 3D Vision」に加え、120Hz以上のリフレッシュレートに対応したディスプレイもしくはプロジェクター、対応するNVIDIA製ビデオカードを搭載したPCが必要。左右それぞれの目に向けた映像を交互に表示し、それに同期して専用メガネの液晶シャッターを交互に開閉することにより、左右の目に異なる映像を届けるというもの。GeForce 3D Vision単体の価格は2万円前後、対応ディスプレイとのセットは6万円前後で販売している。

 これにより、FinePix REAL 3D W1本体、フォトビューワーの「FinePix REAL 3D V1」、「FUJIFILM 3Dプリント」でのみ立体効果を得られた3D画像が、NVIDIAの提供するパソコン上のフォトビューワーでも閲覧できるようになる。また、3D画像を立体視しながらトリミングなどの編集も可能になり、結果は3D画像(MPファイル)を構成する2枚の静止画にそれぞれ自動で反映されるという。

 3D VisionはFinePix REAL 3D W1およびFinePix REAL 3D V1の液晶ディスプレイが採用する視差式と異なり、裸眼では3D効果を得ることができない。そのため、FinePix REAL 3D V1とは競合しないという。NVIDIAと富士フイルムは、FinePix REAL 3D W1の発売前から水面下で3D映像ソリューションについて進めていた。

 会場にはソリッドレイ研究所の「超低価格3Dプロジェクター」を設置し、スライドの投影や3D映像のデモに用いた。価格は従来製品の150万円以上に対し、30万円前後という。

ソリッドレイ研究所の超低価格3Dプロジェクター富士フイルム電子映像事業部商品部の藤本真一氏

 富士フイルム電子映像事業部商品部の藤本真一氏は、デジタルカメラで撮影した画像を記録メディアを介してPCで扱うという流れにおいて、「これで2Dと同じワークフローが完成した」と語った。また同社は「写ルンです」の頃から“高品質な写真を誰もが簡単に楽しめるように”をモットーにしており、FinePix REAL 3D W1を開発する際も、見ている瞬間をそのまま残したいという欲求に対する回答は3Dしかないと考えていたという。



(本誌:鈴木誠)

2009/9/18 20:04