パナソニック、広角単焦点や魚眼などレンズ3本を参考出品

~GF1発表会に樋口可南子さんら「女流一眼隊」が登場

 パナソニックは2日、マイクロフォーサーズ新型モデル「LUMIX DMC-GF1」の発表会をパナソニックセンター東京 有明スタジオで開催した。

 発表会では、マイクロフォーサーズに対応した「14mm単焦点レンズ」、「8mm魚眼レンズ」、「100-300mm望遠レンズ」の3本を参考出品の形で発表。いずれも2010年の発売を予定している。

LUMIX DMC-GF1発表会場の様子

 それぞれ、“14mm単焦点レンズ”には「G 1:2.8/14 ASPH.」、“8mm魚眼レンズ”には「LUMIX G FISHEYE 1:3.5/8 ASPH.」、“100-300mm望遠レンズ”には「LUMIX GVARIO 1:4.0-5.6/100-300 MEGA O.I.S」と記載してあった。

レンズロードマップ。2010年発売予定の新レンズ3本が加わった。14mm単焦点レンズ
8mm魚眼レンズ100-300mm望遠レンズ

 14mm単焦点レンズは、28mm相当(35mm判換算、以下同)の広角パンケーキレンズ、8mm魚眼レンズは、16mm相当で開放F3.5の魚眼レンズ、100-300mm望遠レンズは、200~600mm相当の光学式手ブレ補正機構搭載望遠ズームレンズになると見られる。

 そのほかの発表製品は既報の通り、レンズ交換式デジタルカメラ「LUMIX DMC-GF1」および交換レンズ、「LUMIX G 20mm F1.7 ASPH.」と「LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.」。発表会には、樋口可南子さんら「女流一眼隊」も応援に駆けつけた。

20~30代のアクティブな女性がターゲット

パナソニックデジタルAVCマーケティング本部 本部長の西口史郎氏

 発表会では、パナソニックデジタルAVCマーケティング本部 本部長の西口史郎氏が製品のコンセプトなどを説明した。

 西口氏は、レンズ交換式デジタルカメラの市場は順調に伸びており、2010年には2006年の約2倍となる137万7,000台(国内)の出荷があるとの予測を示した。その中でも女性の購入者が4年間で10%増加しているという。2008年の実績では「LUMIX G」シリーズの購入者のうち約4台に1台は女性であったとのこと。「女性ユーザーの心をつかむことができた」(西口氏)。

 ただ、特に20~30代の女性層ではレンズ交換式デジタルカメラの潜在ニーズはまだ多く、提案の余地があるという。その点を踏まえ、DMC-GF1は20~30代の女性をターゲットに展開する。「今一番元気のある女性に訴求したい。」(西口氏)と意気込みを見せた。

好調なレンズ交換式デジタルカメラ市場女性ユーザーが増加している
購入意向は高くとも、レンズ交換式デジタルカメラ購入に踏み切れていない人も多い写真撮影は女性の趣味として高い比率になっている

 また、ターゲット層の趣味を見ると写真撮影は、カラオケやお菓子作りより上にあり身近な趣味であることもわかった。また、上位にある遊園地や動物園などの見物に関しても、カメラは必需品となる。「もっと綺麗な写真が撮りたい。写真を趣味にしたいといった女性が多い。昨今の“カメラ女子ブーム”に繋がるキーワードがある」(西口氏)。

 20~30代の女性はおしゃれに対する関心が高く、おしゃれそのものを楽しんでいることも伺えるという。持ち物に対しても実用性を重視しながらも、洋服とのコーディネートなどを重視しているとのこと。西口氏は、「小型軽量で、操作も簡単。おしゃれも満足できるコンパクトなデジタル一眼が望まれていた」と開発の背景を話した。

 西口氏はDMC-GF1について、「毎日持ち歩けるからシャッターチャンスを逃さない。ストロボも内蔵しており暗い場所でも撮影できる。動画も含めてレンズ交換式ならではの高画質、スタイリッシュでカラフルなデザイン」とポイントを挙げた。

 なお、同社によるとDMC-GF1の型番のうち「F」は、ボディが“フラット”であることを表すという。

ターゲット層はおしゃれに気を遣うレンズ交換式デジタルカメラの不満点

 「これからのカメラは、撮った後の楽しみも重要。ビエラリンクで写真と動画をPC無しで再生できる。また、動画はディーガでBlu-rayにすることも可能。さらにビエラワンセグで映像を持ち出すこともできる」(西口氏)と自社製AV機器との連携もアピールした。

 LUMIXシリーズのうちレンズ交換式カメラの方向性については、「従来ユーザーの“気軽に使いたい”という要望に対してコンパクト一眼という市場創出を目指した。マイクロフォーサーズは、デジタル一眼に最適な規格」とした。

コンパクト一眼で新市場を創るビエラリンクやビエラワンセグでの再生もアピール
会場ではビエラとディーガで再生デモを実施映像を持ち歩けるビエラワンセグも訴求

「新世代一眼の名にふさわしいカメラ」

 続いて、パナソニックAVCネットワークス社DSCビジネスユニットの松本時和ビジネスユニット長が製品の説明を行なった。

パナソニックAVCネットワークス社DSCビジネスユニットの松本時和ビジネスユニット長ターゲット層を意識した演出でカメラが登場した

 「DMC-GF1は、一眼カメラの美しさをコンパクトデジタルカメラの気軽さで使える、新世代一眼の名にふさわしいカメラ。DMC-G1からさらなる小型軽量化を図った。ストロボを内蔵するレンズ交換式デジタルカメラでは世界最小を実現した。アルミ合金のボディや新構成のポップアップストロボを内蔵した。今回のパンケーキレンズ(LUMIX G 20mm F1.7 ASPH.)はボディの小型軽量を活かすもの」とアピール。

 AVCHD Liteに対応したHD動画撮影機能も搭載。動画専用ボタンも備えた。また、「背景を上手くぼかすことができない」との声を受け、自動的に絞りを開放にすることで狙った被写体の前後をぼかせる「背景ボケ」モードも新設した。

 撮像素子は、有効1,210万画素の4/3型Live MOSセンサーで、DMC-G1と同じものを搭載する。画像処理エンジンはDMC-GH1と同じ「ヴィーナスエンジンHD」だが、アルゴリズムの改善などを施すことで画質は向上しているとのこと(説明員)。なお、ソニーがすでに実用化している裏面照射型CMOSセンサーの採用については「鋭意検討中」(説明員)とのこと。

・オプションの外付けLVF「DMW-LVF1」

上90度までチルトできる
LVFとの接続コネクタ部

 説明員によると、DMC-GF1は当初から「ストロボを内蔵すること」および「DMC-G1/GH1からバッテリーを変更しないこと」の2つを前提に開発を進めていたという。また、今回のパッケージングについて「マイクロフォーサーズでは、いろいろなカメラができることを証明できたのではないか」(説明員)と述べた。

 なお、フォーサーズについては「今はマイクロフォーサーズにリソースを傾けているが、フォーサーズも続けていく」(説明員)と話した。

従来機よりも大幅な小型化を実現AVCHD Lite形式でのHD動画撮影が可能
「動画P」モードの搭載で、ボケを活かした動画が撮れる適正露出時の絞りとシャッター速度がわかる「露出メーター」も新搭載
マイカラーモードには7種類のプリセットを追加
有効1,210万画素の4/3型Live MOSセンサー超音波によるゴミ対策機構も継承
メイン基板構成パーツ

 レンズについては、「大変強い要望を頂いていたマクロレンズを出すことができた。マイクロフォーサーズでは初めてのライカブランドレンズになる。90mm相当になるためポートレート撮影にも最適」と紹介した。

・LUMIX G 20mm F1.7 ASPH.

・LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.

・アクセサリー

バッグなどのアクセサリーも新たに発売する細身の新ストラップ(左)も用意する

「女性にとってこのカメラはアクセサリーのよう」と樋口可南子さん

 発表会では、DMC-GF1の新作CM発表に合わせて女流一眼隊が登場した。新CMは18日からテレビで放映する。

女流一眼隊。左から森木美和さん、鈴木慶江さん、樋口可南子さん、鳥居かほりさん、高橋まりのさん西口氏と握手を交わす樋口可南子さん。DMC-GF1のコンセプトは「ファッション・ムービー一眼」とあって、西口氏もファッショナブルな装いで登場した

 新作CMは、世界文化遺産に登録されているプラハの歴史地区で撮影。ボーダー柄の衣装を纏った女流一眼隊が“美ウォーキング”を披露するという内容になっている。

 女流一眼隊は、女優の樋口可南子さんを隊長に、女優の鳥居かほりさん、ソプラノ歌手の鈴木慶江さん、モデルの高橋まりのさん、同じくモデルの森木美和さんの5人からなるグループ。DMC-G1以来、同社レンズ交換式デジタルカメラのコミュニケーションキャラクターとして活躍している。

 今回のプロモーションについて、西口氏は、「好奇心、行動力あふれる『知的アクティブ女性』をターゲットに提案する。ファッションを楽しむように日常的に一眼を持ち歩く、またいつでもムービーも撮影するという新しいカメラスタイルを『ファッション・ムービー一眼」としてアピールしていきたい」と述べた。

樋口可南子さん。「私たちが、CMに参加させていただいて3作目。カメラがますます小さくなって、凄くお洒落になったのにドキドキしています。こうして持っているだけでも可愛く思えてきます。前回(DMC-GH1)から動画にハマってしまいました。撮影スタッフにカメラを向けると照れるのが可愛いので、スタッフを撮るのが一番楽しいです。完成したCMを見ていたら、女性にとってこのカメラがアクセサリーのように思えてきました」鳥居かほりさん。「今まではCM撮影では天気が悪く、女流一眼隊の念力で撮影時だけ晴れていましたが、今回は天気の心配が無い良い天候でした。カバンにすっぽり入るサイズが女性にはうれしいですね」
鈴木慶江さん。「今女性の間では、荷物をコンパクトにというのが流行です。ですからバッグに忍ばせておいて、でもさっと取出すと周りの目を引くようなカメラに仕上がっていると思いました」森木美和さん。「プラハは町並みが綺麗で楽しい撮影でした。DMC-GF1は小さくておしゃれなので、普段も持ち歩いて楽しみたいなと思います」
高橋まりのさん。「プライベートでも可愛いDMC-GF1をもって、またプラハに遊びに行きたいです」

・CMのメイキング映像

・新作CM

決めポーズも披露発表会の会場となったパナソニックセンター東京

(本誌:武石修)

2009/9/2 22:55