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タムロン、フルサイズ用大口径単焦点レンズ2本を発表

手ブレ補正付きの35mm F1.8と45mm F1.8 新SPシリーズの第1弾

SP 35mm F/1.8 Di VC USD(Model F012、左)とSP 45mm F/1.8 Di VC USD(Model F013、右)

タムロンは9月2日、一眼レフカメラ用の交換レンズ「SP 35mm F/1.8 Di VC USD」(Model F012)と「SP 45mm F/1.8 Di VC USD」(Model F013)を発表した。価格はいずれも税別9万円。

ニコンFマウント用とキヤノンEFマウント用を9月29日に発売する。ソニーAマウント用も順次発売する。

SP 35mm(左)とSP 45mm(右)。鏡胴はアルミ製
SP 35mm(左)とSP 45mm(右)。日本製となっている
SP 35mm(左)とSP 45mm(右)。マウントも金属製

いずれも35mmフルサイズに対応した大口径単焦点レンズ。同社のラインナップのうち、高性能かつ特徴的なレンズに付けるSP(Super Performance)シリーズを一新した、“新SPシリーズ”の第1弾となる。

カメラの高画素化が進むことなどから、光学性能を高めた。加えて、金属鏡胴を採用した新たなデザインを採用した。

これまで10年使用してきた鏡胴の金リングは、このほどマウント部のブランドリングとして配置。今後もSPシリーズで使用していくという。

デザインを担当したtakram design engineering代表の田川欣哉氏は、「長くユーザーに親しまれていた金リングを一歩未来に進めて取り込んだ。これまでの金リングの幅は4.5mmだったが、今回はアイコンとして8mmという幅にした。リングはレンズとカメラが結合するときのよりよい関係性を現す新SPシリーズの象徴」と説明した。

デザインのコンセプト
機械的な機能美と人間に寄り添う有機性を融合したデザインとした
マウント部にルミナスゴールドと呼ばれる色のリングを配した。高い性能を約束する証とした
TAMRONロゴは新しいプロダクトブランドロゴになっている
スイッチは幅を広くすることで操作性を高めた
“SP”のロゴプレートが付く
簡易防滴構造を採用した。
マウントにはシーリングのゴムを備える

「創業65年を迎えるタムロンの基幹事業である写真レンズのSPシリーズを刷新するもの。高い光学性能と機能を備え、持つ喜びを兼ね備えるというコンセプトで開発した」(タムロン 専務取締役 大瀬英世氏)。

最短撮影距離の短縮も大きなポイントで、SP 35mmは0.2m(1:2.5)、SP 45mmは0.29m(1:3.4)となっている。また、フローティングシステムを採用して撮影距離によらず高い描写性能を実現したという。

他社製品よりも高い撮影倍率をアピールした
SP 35mmの最短撮影距離での撮影シーン

また手ブレ補正機構VCも搭載した(ソニー用を除く)。新たに大口径用のVCユニットを開発し、CIPA準拠でSP 35mmが3段分、SP 45mmで3.5段分の補正を実現した。

従来よりも大きなVCユニットを新開発した。アクチュエーターの推力は従来の1.5倍になっている
SP 35mm
SP 45mm

35mm、45mmという焦点距離を選んだ理由は、広角が好きな人でも標準が好きな人でも両方で使ってもらえることと、APS-C機でも使いやすい画角になるためという。

なお45mmについては、「標準レンズ=50mmというのはあるが、今回は50mmを外してやりたかった。標準として自然な画角に近いということで45mmにした。開発者が45mmが好きだったこともある」(タムロン 商品企画部 部長の佐藤浩司氏)とした。

カメラに装着したSP 35mm(左)とSP 45mm(右)

明るさについては、優れた光学性能、手ブレ補正の実現、近接撮影能力、操作性などのバランスを考慮してF1.8にしたという。

SPの基準も新しくして開発に当たった
APS-C機では、それぞれ標準レンズと中望遠レンズとして使える
防汚コートも施した
レンズ構成図
MTF曲線
eBANDコーティングも採用。特に斜めからの入射光に効果的という
フォーカシングにはリング型の超音波モーターを使用する

SP 35mmはガラスモールド非球面レンズ2枚、異常低分散レンズ1枚、XLDレンズ1枚を含む9群10枚構成。特にサジタルコマフレアや色滲みの発生を抑えたという。APS-C機での画角は52.5mm相当(1.5倍換算)。

絞り羽根は9枚(円形)。フィルター径は67mm。最大径×全長は80.4×80.8mm、重量は480g(数値はキヤノン用)。

SP 35mm

SP 45mmはガラスモールド非球面レンズ2枚、異常低分散レンズ1枚を含む8群10枚構成。こちらもサジタルコマフレアや色滲みの低減を図った。APS-C機での画角は67.5mm相当(1.5倍換算)。

絞り羽根は9枚(円形)。フィルター径は67mm。最大径×全長は80.4×91.7mm、重量は540g(数値はキヤノン用)。

SP 45mm

いずれも花形フードが付属する。

(本誌:武石修)