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小須田望写真展「closed square」

(新宿ニコンサロン)

都市部の再開発によって新たにつくられた場所には、海外の様式を取り入れた、広場的な空間が設けられている。海外と違うのは、広場を形づくる町並みや景観、そして人びとがそれぞれ独立した存在として見えるということである。

本来広場は人びとが集まり、コミュニケーションを取る場所であり、放射状に伸びた街路はどこを辿っても広場に行き着くようにつくられている。人びとは広場へと向かい、集会をしたり、他者と交流する場として活用してきた。

作者が見た広場は、人々の関心はそこにはなく、そこから伸びている道の先にあって、人びとはその空間を通り過ぎるために使っている。あるいは待ち合わせの場所や、食事をする場所としてあとから用意されたもののように思われる。

それぞれの時間コミュニティーの中で、偶然そこに居合わせた人びと。他者との距離を無意識に保ちながらも、行き交う人びとが、広場の中で拡散されるわずかな時間。その光景を眺めていると広場と人は、完成された都市空間として作者の前に立ち現れる。モノクロ約20点。

(写真展情報より)

 6月1日13時からギャラリートークを行なう。

小須田望写真展「closed square」

  • 会場:新宿ニコンサロン
  • 住所:東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28階
  • 開催日:2013年5月28日(火)~2013年6月3日(月)
  • 時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:武石修)