ニコン、「D3200」「AF-S NIKKOR 28mm F1.8 G」のプレスイベントを実施


 ニコンは19日、デジタル一眼レフカメラ関連製品のプレスイベントを都内で開催した。

 発表製品は、エントリークラスのデジタル一眼レフカメラ「D3200」、35mmフルサイズ対応の交換レンズ「AF-S NIKKOR 28mm F1.8 G」、ワイヤレスモバイルアダプター「WU-1a」の3製品。各製品の詳細は既報の関連記事を参照いただきたい。

 ニコンイメージングジャパン取締役社長の五代厚司氏は、「D4」、「D800」、「D800E」に続き、2012年に発売するデジタル一眼レフカメラで4機種目となる「D3200」を披露。その特徴を「ファミリー層でも簡単に高品質の写真が撮れる」、「撮った画像をワイヤレスでスマートフォンに転送できる」と紹介した。

D3200(ブラック)
D3200(レッド)

 また、同日発表した交換レンズ「AF-S NIKKOR 28mm F1.8 G」は、ナノクリスタルコート採用の広角単焦点レンズ。同社のデジタル一眼レフカメラ「D800」「D800E」といった高画素モデルでの使用に耐える高解像レンズとしていた。

AF-S NIKKOR 28mm F1.8 G

「ガイドモード」がグラフィカルに

 続いて登壇したニコン映像カンパニー開発本部第一設計部ゼネラルマネジャーの赤木俊昭氏は、D3200の詳細について説明した。

ニコン映像カンパニー開発本部第一設計部ゼネラルマネジャーの赤木俊昭氏

 D3200は新規開発のニコンDXフォーマットセンサーを採用。プロ用デジタル一眼レフカメラ「D4」と同じ画像処理エンジン「EXPEED 3」との組み合わせにより、常用感度はISO100〜ISO6400とした。従来モデル「D3100」に比べ、高画素化と高感度画質を果たしたという。

D3200はエントリー向けに訴求するD4と同じ画像処理エンジンの採用を特徴とする

 エントリー機ながら2,000万画素オーバーのD3200だが、その画質は同社ニッコールレンズがあってこそ実現すると強調。キットレンズで撮影した作例を紹介したほか、エントリー向けも含めた同社レンズについても「D3200で使った場合に従来より画質が向上することを確認した」と説明していた。

高画素機を活かすにはニッコールレンズとの組み合わせが有効とした

 D3200では進化した「ガイドモード」の搭載も特徴。説明書を読まなくてもテクニックを教えてくれる機能としてエントリークラスに採用する機能だが、D3200では撮影設定による変化を視覚的に理解できるアシスト画像を追加した。新たに「明るい雰囲気で撮る」、「ブレを防いで撮る」といった解説などを新たに追加しているという。

 また、新たな画像編集機能として「カラースケッチ」、「セレクトカラー」を搭載。セレクトカラーは、指定した任意の色以外の部分を白黒で残すモード。

ガイドモードについて紹介
発表会ではガイドモードのデモも行なった「夕日を赤く撮る」を選んだ場合
色温度の設定による変化イメージを見られる
こちらは「水の流れを撮る」選んだシャッタースピードによってイラストの水の流れ具合が変わる

 動画記録は最大1,920×1,080ピクセル/30p。録画ボタンも搭載する。記録時間は最大20分で、本体にはステレオマイク端子も新たに備わった。

 別売のワイヤレスモバイルアダプター「WU-1a」(5,250円、5月下旬発売)を用いたスマートフォン・タブレットとの連携機能は、今のところAndroidのみ対応。iOSにも2012年秋に対応するとしていた。カメラのUSB/オーディオビデオ出力に取り付けるアクセサリーで、無線LAN経由で画像転送やライブビュー付きリモコンとしての活用が可能になる。

フルHD動画に対応。マイク端子も備えた画像転送・リモート撮影の機能紹介

 無線LAN機能を外付けとした理由については、ボディが大きくなるなど、使いたい人に使ってもらうために別売にしたとの説明があった。

画像転送のデモスマートフォンに転送した画像をプレビューしているところ。拡大表示も可能
ライブビューを見ながらリモートレリーズできるモード。顔認識を使える撮影結果を手元のスマートデバイスからも確認できる。転送サイズは、カメラで設定した記録サイズもしくはVGAという
リモート撮影の画面。レリーズ操作のみ可能で、撮影設定の変更などは行なえない。この画面を呼び出すと自動的にカメラがライブビュー撮影モードになるサムネイル表示では撮影画像ファイルのサムネイルを表示するため、読み込み待ちは気にならない。RAWデータを実際に転送すると1枚30秒ほどかかるといい、画像転送も全てを受け取るか、選択画像を受け取るか選べる
WU-1aD3200に取り付けたところ

高画素対応はレンズが決め手

 ニコン映像カンパニー開発本部第二設計部ゼネラルマネジャーの稲留清隆氏は、新製品「AF-S NIKKOR 28mm F1.8 G」を含めたニッコールレンズの特徴について説明した。

ニコン映像カンパニー開発本部第二設計部ゼネラルマネジャーの稲留清隆氏

 「AF-S NIKKOR 28mm F1.8 G」(9万3,450円、5月下旬発売)は、35mmフルサイズ相当のニコンFXフォーマットに対応した広角単焦点レンズ。DXフォーマットでは42mm相当になる。ナノクリスタルコートや超音波モーターも採用する。

 稲留氏は「高画素はレンズ性能との相乗効果」と強調。交換レンズが高画素対応の決め手になるとしていた。同社レンズの品質を支えるポイントとして、設計品質・生産品質・検査品質を紹介。他社が投影解像力検査を多く採用する中、同社ではMTFを指標としたレンズの全数検査を行なっている点などもアピールした。

高画素対応はレンズが決め手と強調ニッコールレンズの品質訴求ポイント

 稲留氏は、ニコンでは設計段階で実写評価に相当するシミュレーション技術を保有しており、その点において業界トップと自負すると強調。解像だけでなくゴーストやボケ味まで評価でき、結果を設計にフィードバックしているという。

 ここ数年、ズームレンズも含めて新しいFX対応レンズが登場しているが、今後も拡充して行くので期待してほしいと締めくくった。

FXフォーマットにおける単焦点Gレンズのラインナップ中央はニコンイメージングジャパン取締役社長の五代厚司氏
新製品による作例展示もあった



(本誌:鈴木誠)

2012/4/19 17:38