リコー、GXR用APS-Cズームユニット「A16 24-85mm F3.5-5.5」を正式発表


 リコーは、GXR用カメラユニットの新製品として、APS-Cセンサーとズームレンズを搭載した「RICOH LENS A16 24-85mm F3.5-5.5」を3月下旬に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は6万円前後の見込み。

 同カメラユニットとGXRボディをセットにした「GXR+A16 KIT」も同時に発売するという。価格はオープン。大手カメラ系量販店数社では、7万9,800円で予約を受け付けている。

 リコーがフォトキナ2010のロードマップで発売を示唆していた製品。APS-C相当サイズの撮像素子を搭載したGXR用カメラユニットとして、初めてズームレンズを搭載する。GXR用ユニットとしては5番目の製品。

 ちなみに、これまで発売されたズームレンズ搭載のGXR用カメラユニットは、「RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC」と「RICOH LENS P10 28-300mm F3.5-5.6 VC」の2つ。前者は1/1.7型、後者は1/2.3型の撮像素子を搭載していた。

 撮像素子は23.6×15.7mmのCMOSセンサー。有効画素数は約1,620万画素。これまで発売されたGXR用ユニットのうち、最多の画素数となる。最低感度はISO200、最高感度はISO3200。DNG形式でのRAW記録にも対応する。画像処理エンジンは「Smooth Imaging Engine IV」。

RICOH LENS A16 24-85mm F3.5-5.5カメラユニット単体での状態

 レンズは焦点距離15.7-55.5mm(35mm判換算24-85mm)の光学3.5倍ズーム。開放F値はF3.5-5.5。最短撮影距離はレンズ先端から約25cm。

 ズーム操作はズームリングではなく、GXRボディ背面のズームボタンで行なう。光学式の手ブレ補正機構は非搭載。なお、同じくAPS-Cセンサーを搭載するカメラユニット「GR LENS A12 28mm F2.5」および「GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO」と異なり、GR LENSではなくRICOH LENSとなっている。RICOHレンズは「RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC」や「RICOH LENS P10 28-300mm F3.5-5.6 VC」と同じレンズ銘。

 フィルター径は55mm。「GR LENS A12 28mm F2.5」と「GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO」のフィルター径は40.5mmだった。

GXRボディへの装着例(GXR+A16 KITの状態)

 A12カメラユニット初の主な新機能は、ダイナミックレンジ補正機能、ISOブラケット、新電子水準器の3つ。

 ダイナミックレンジ補正機能は、ハイライトでの白飛びと暗部の黒つぶれを軽減するもの。それぞれについて領域ごとに補正を行なう。画像合成を伴うHDRではなく、ワンショットで完了する。

 ISOブラケットは、設定したISO感度とその前後の計3枚の写真を撮影する機能。ISO感度設定を1回ごとに変えることなく、例えばISO400、ISO800、ISO1600の写真を撮影できる。加えてISO感度関連では、1EVのほか1/3EV単位での指定が可能になった。

 新電子水準器は、これまでの水平方向に加えてアオリ方向の傾きを示すことが可能になった。水平方向とアオリ方向をひとつのインジケーターで表示する。表示位置はこれまで通り画面中央下。また、水準器のキャリブレーションが可能になった。

 撮影条件維持機能も新機能のひとつ。ONにすることで、撮影後にレリーズを解除せずにシャッターボタンを半押しを継続すると、フォーカス、絞り、シャッター速度、ISO感度、ホワイトバランスの設定内容を維持したまま、連続して撮影できる。

 細かい新機能としては、RAWのみ記録、Exifデータへの著作権情報の登録、スリープ/オートパワーオフ時間の任意設定(1分単位)、インターバル撮影機能の拡張が挙げられる。そのうちインターバル撮影機能は、最大撮影枚数の設定が可能になった。

 シーンモード、アスペクト設定など、その他の機能は従来のA12ユニットをほぼ継承。動画機能も1,280×720ピクセルでの記録にとどまっている。

 専用アクセサリーとして、自動開閉キャップ「LC-3」が発売になる。レンズの沈胴と繰り出しにあわせて開閉するキャップで、RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VCやRICOH LENS P10 28-300mm F3.5-5.6 VCのオプション、LC-2を大型化したものといえる。ただし開閉する羽根は3枚ではなく、4枚になる。価格は2,100円。

自動開閉キャップLC-3

 RICOH LENS A16 24-85mm F3.5-5.5専用のレンズフード「LH-2」も別売。取り付けはバヨネット式。価格は2,835円。

レンズフードLH-2

 なお、これまでのカメラユニットに比べてレンズ部が大きく長いため、内蔵ストロボの発光はケラレてしまう。ストロボ発光が必要な場合は、外部ストロボGF-1を利用することになる。同様の理由で、専用ケースSC-75B、SC-75Tも使用不可。


主な仕様
製品名RICOH LENS A16 24-85mm F3.5-5.5
撮像素子APS-Cサイズ相当(23.6×15.7mm)
有効約1,620万画素CMOSセンサー
レンズ焦点距離15.7-55.5mm(35mm判換算24-85mm)F3.5-5.5
最短撮影距離25cm(レンズ先端より)
手ブレ補正-
感度ISO200-3200
露出プログラムプログラムAE、絞り優先AE、シャッター速度優先AE、マニュアル露出など
測光方式マルチ、中央部重点、スポット
シャッター速度180-1/3,200秒
動画記録最高1,280×720など
外形寸法71.4×70.5×93.3mm(カメラユニットのみ)
113.9×74.7×98.5mm(ボディ装着時)
質量約350g(カメラユニットのみ)
約550g(ボディ装着時)



(本誌:折本幸治)

2012/2/2 15:09