オリンパス、“ハイグレードスナップレンズ”「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2」


 オリンパスは、マイクロフォーサーズシステム規格に準拠した広角レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2」を7月22日に発売する。価格は9万9,750円。

M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2。別売の金属製フードLC-48を装着同時発表のマイクロフォーサーズボディ、E-P3との組み合わせ例

 これまでのオリンパス製マイクロフォーサーズレンズにない金属外装の高品位単焦点レンズ。オリンパスが3月のCP+2011で参考出品していた製品を正式発表したもので、当時は焦点距離も開放F値も非公開だった。オリンパス製マイクロフォーサーズ用レンズのラインアップにおける「ハイグレードスナップレンズ」という名称を与えられており、生産はフォーサーズ用ハイグレードレンズと同じく、長野県の辰野工場で行なう。

 画角は、35mm判換算で焦点距離24mm相当。開放F値はF2。すべてのオリンパス製マイクロフォーサーズ搭載しているボディ内手ブレ補正機構と合わせることで、暗所撮影の領域が拡大する。

 レンズ構成は、DSA(大偏肉両面非球面)レンズを含む非球面2枚、ED(特殊低分散)レンズ1枚、スーパーHR(超屈折率)レンズなどを含む8群11枚。絞り開放から、「画面全域でコントラスト・シャープネスの高い、抜けの良い優れた画質」を実現したという。

 また、レンズ表面にコーティング処理の「ZERO」(Zuiko Extra Reflection Optical)を新しく採用。ゴーストやフレアを徹底的に排除したという。顕微鏡の多層幕製膜技術で蓄積した薄膜制御技術から生み出されたコーティング。

 現行のオリンパス製マイクロフォーサーズレンズと同じく、AFには「MSC」(Movie and Still Compatible」機構を搭載。インナーフォーカスを採用し、小型で軽量なレンズ1枚を移動させることでピント合わせを行なう。スムーズなオートフォーカス動作により、静止画だけでなく、動画でもストレスのない撮影ができるという。

 本製品ならではの特徴的な機能としては、「スナップショットフォーカス機構」が挙げられる。フォーカスリングを手前にスライドすると、指定の距離にフォーカス位置が移動。フォーカスリングを回転すると、フォーカス位置がレンズ鏡筒に刻まれた距離目盛の位置に移動する。例えば絞りをF8、フォーカス距離を3mに設定すると、手前から背景までピントがあっているように見えるパンフォーカス表現が得られるということで、オリンパスではこうしたパンフォーカス撮影に有利な機構としている。

左がAF時、右がMF時。フォーカスリングを引くとMFになり、距離目盛が現れる

 最短撮影距離は0.2m。最大撮影倍率は0.08倍。7枚羽根の円形絞りを採用する。

 フィルター径は46mm。最大径は56mm、全長は43mm。質量は130g。外装は金属。

 金属製の角形レンズフード「LH-48」は別売。価格は9,975円。発売は7月22日。

レンズフードのLH-48

 かぶせ式の金属製レンズキャップ「LC-48」は5,250円。アルマイト処理を施した後に、「OLYMPUS PEN」ロゴ部をダイヤカット。さらに正面の一部をミラー加工している。7月22日に発売。

かぶせ式のレンズキャップLC-48

 M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2のフィルター径46mmに合わせたプロテクトフィルター「PRF-D46 PRO」も8月に発売。ガラス外周に黒塗り加工を施し、内面反射軽減効果もあるという。価格は3,675円。

プロテクトフィルターPRF-D46 PRO


(本誌:折本幸治)

2011/6/30 14:25