ソニー、東芝の半導体設備を買収。CMOSセンサーを増産


 ソニーと東芝は24日、長崎県諫早市にある東芝所有の半導体設備をソニーに譲渡する基本合意を締結した。ソニーは新たに取得した設備でCMOSセンサーの増産を図る。2011年度初頭の譲渡実施を目指す。

ソニーセミコンダクタ九州長崎テクノロジーセンター全景。道路の右側が当該製造棟で、上層がソニーセミコンダクタ九州の、下層が長崎セミコンダクターマニュファクチャリングの設備になっている

 ソニーが取得するのは、ソニーセミコンダクタ九州長崎テクノロジーセンター内にある東芝所有の設備。当該設備は、東芝、ソニー、ソニーコンピュータエンターテインメントの合弁会社である長崎セミコンダクターマニュファクチャリングが操業しており、高性能プロセッサ「Cell Broadband Engine」、画像処理LSI「RSX」、民生機器向けシステムオンチップを生産している。

 譲渡を予定している設備は、2008年に東芝がソニーセミコンダクタ九州から購入し長崎セミコンダクターマニュファクチャリングに貸与していたもの。今回、再度ソニーが買い戻す形になる。同設備が有する300mmウエハーのラインなどが譲渡の対象となる。

 ソニーは新たな設備で、需要が拡大しているというデジタルカメラおよび携帯電話向けCMOSセンサー増産を行なう。増産するCMOSセンサーは裏面照射型を含む。生産するセンサーのサイズは未定で、市場動向を見ながら今後生産計画を立てる。なお、Cell Broadband EngineやRSXの生産はソニーが引き継ぐ。

 今回の譲渡により、長崎セミコンダクターマニュファクチャリングに関する3社の合弁関係は解消する。長崎セミコンダクターマニュファクチャリングの資本金は1億円、ソニーとソニーコンピュータエンターテインメントが各20%、東芝が60%を出資している。従業員は約460名。

 長崎テクノロジーセンターは、ソニーにおけるCMOSセンサーやMOS半導体の製造拠点の1つ。イメージセンサー製造の前工程を行なっている。




(本誌:武石修)

2010/12/24 18:42